金額1位はトマト、重さ1位はキャベツだった だいこん・はくさい・もやしは順位が12ずつ上がる【家計調査・生鮮野菜】

金額1位はトマト、重さ1位はキャベツだった だいこん・はくさい・もやしは順位が12ずつ上がる【家計調査・生鮮野菜】

「うちは野菜をよく食べている」と言うとき、頭の中にあるのは金額でしょうか、それとも量でしょうか。

レシートに残るのは金額です。けれど冷蔵庫を占領しているのは重さのほうです。この二つは、ふだん同じものだと思って扱われています。

総務省統計局の家計調査には、その二つが並んで載っている表があります。生鮮野菜の表には、品目ごとに支出金額(円)と購入数量(g)が両方入っているのです。同じ品目を、金額の順と重さの順の二通りで並べられる、ということです。

やってみると、主役が入れ替わりました。金額でいちばん大きいのはトマトの8,082円。ところが重さでいちばん大きいのはキャベツの15.8kgで、トマトは4位に下がります。

さらにはっきり動いた品目が3つありました。だいこん・はくさい・もやしは、金額順では15位・18位・21位。それが重さ順では3位・6位・9位。3品目そろって、ちょうど12ずつ順位を上げています。

金額のランキングだけを見ていると、この3品目は「そこそこ」の存在です。重さで見ると、食卓を物理的に支えている側に回ります。この記事では、52市ぜんぶの金額と購入量、そして街ごとの「1kgあたり何円で買っているか」までまとめました。

まず全体像:1世帯が1年に買う生鮮野菜は74,869円・150.8kg

数字の土台を先に置きます。家計調査の二人以上の世帯・2023〜2025年平均で、1世帯が1年間に家庭で買った生鮮野菜は次のとおりです。

  • 支出金額 74,869円
  • 購入数量 150,792g(150.8kg)
  • 1kgあたり 496.5円
  • 1日あたりに割り戻すと 413g(1世帯あたり。世帯人数で割った数字ではありません)

生鮮野菜は「野菜・海藻」112,135円の66.8%にあたります。残りは乾物・海藻や大豆加工品、漬物などで、この表には内訳が載っていません。

生鮮野菜の中身は3つの区分に分かれます。

  • 他の野菜 32,116円(42.9%)(トマト・きゅうり・なす・きのこ類などが入る区分)
  • 葉茎菜 23,127円(30.9%)(キャベツ・はくさい・ねぎ・レタスなど)
  • 根菜 19,625円(26.2%)(だいこん・にんじん・じゃがいも・たまねぎなど)

この3区分で最大なのは、52市すべてで「他の野菜」でした。ここに地域差はありません。肉類の記事では52市のうち50市で豚肉が最大、乳卵類の記事では52市すべてで乳製品が最大でしたから、食卓の大分類は思ったより全国共通です。差が出るのはその一段下、品目のレベルです。

以下では、名前のついた25品目(合計57,339円=生鮮野菜の76.6%、128,122g=85.0%)を使います。「他の葉茎菜」「他の根菜」「他の野菜のその他」という残りをまとめた区分は、中身が表に示されていないため外しました。

25品目を金額順に並べる【2023〜2025年平均】

まず金額順です。右端に、同じ品目を重さで並べたときの順位と、その動きを添えました。

金額順位品目年間支出額購入量重さ順位順位の動き1kgあたり
1トマト8,082円9.8kg4-3821円
2たまねぎ4,199円14.9kg2±0282円
3きゅうり3,498円6.7kg8-5523円
4ねぎ3,484円4.2kg12-8829円
5キャベツ3,164円15.8kg1+4201円
6じゃがいも2,871円8.3kg5+1346円
7にんじん2,780円7.4kg7±0377円
8レタス2,656円5.7kg10-2464円
9ブロッコリー2,641円4.5kg11-2583円
10ピーマン2,311円2.5kg17-7930円
11なす2,154円4.0kg13-2534円
12生しいたけ1,952円1.4kg20-81,359円
13ほうれんそう1,947円2.5kg18-5784円
14しめじ1,898円2.7kg16-2707円
15だいこん1,737円10.0kg3+12174円
16さやまめ1,700円1.3kg21-51,269円
17かぼちゃ1,696円3.4kg14+3502円
18はくさい1,462円7.5kg6+12195円
19えのきたけ1,374円2.5kg19±0553円
20さつまいも1,293円2.7kg15+5476円
21もやし1,026円6.0kg9+12170円
22れんこん996円1.3kg22±0792円
23ごぼう987円1.2kg23±0795円
24さといも758円1.2kg24±0655円
25たけのこ673円0.6kg25±01,183円

金額順の上位は、トマト・たまねぎ・きゅうり・ねぎ・キャベツ。ここまでは見慣れた顔ぶれだと思います。

注目したいのは「順位の動き」の列です。プラスが大きいほど、金額の印象より重く買われている品目ということになります。

重さ順に並べ替えると、上位の顔ぶれが変わる

同じ25品目を、購入量(g)の多い順に並べ替えます。

重さ順位品目購入量年間支出額金額順位
1キャベツ15.8kg(15,782g)3,164円5
2たまねぎ14.9kg(14,904g)4,199円2
3だいこん10.0kg(9,961g)1,737円15
4トマト9.8kg(9,843g)8,082円1
5じゃがいも8.3kg(8,298g)2,871円6
6はくさい7.5kg(7,507g)1,462円18
7にんじん7.4kg(7,383g)2,780円7
8きゅうり6.7kg(6,689g)3,498円3
9もやし6.0kg(6,024g)1,026円21
10レタス5.7kg(5,730g)2,656円8
11ブロッコリー4.5kg(4,534g)2,641円9
12ねぎ4.2kg(4,205g)3,484円4
13なす4.0kg(4,035g)2,154円11
14かぼちゃ3.4kg(3,376g)1,696円17
15さつまいも2.7kg(2,717g)1,293円20
16しめじ2.7kg(2,683g)1,898円14
17ピーマン2.5kg(2,484g)2,311円10
18ほうれんそう2.5kg(2,483g)1,947円13
19えのきたけ2.5kg(2,483g)1,374円19
20生しいたけ1.4kg(1,436g)1,952円12
21さやまめ1.3kg(1,340g)1,700円16
22れんこん1.3kg(1,257g)996円22
23ごぼう1.2kg(1,242g)987円23
24さといも1.2kg(1,157g)758円24
25たけのこ0.6kg(569g)673円25

1位キャベツ15.8kg、2位たまねぎ14.9kg、3位だいこん10.0kg。 金額順で1位だったトマトは4位です。

重さの上位5品目(キャベツ・たまねぎ・だいこん・トマト・じゃがいも)を足すと58.8kg。これだけで生鮮野菜150.8kgの4割近くになります。しかも、そのうち4つ(キャベツ201円・たまねぎ282円・だいこん174円・じゃがいも346円)は1kg350円未満の品目です。

12ずつ順位を上げた3品目:だいこん・はくさい・もやし

ここが今回いちばんの発見です。金額順位と重さ順位の差を取ると、同じ数字がきれいに3回出てきました。

  • だいこん 金額15位(1,737円)→ 重さ3位(10.0kg)/+12
  • はくさい 金額18位(1,462円)→ 重さ6位(7.5kg)/+12
  • もやし 金額21位(1,026円)→ 重さ9位(6.0kg)/+12

理由は単価です。この3品目の1kgあたりの値段は、だいこん174円・はくさい195円・もやし170円。25品目の中で最も安い3つがそのまま並びます。生鮮野菜全体の平均が496.5円/kgですから、3分の1前後ということになります。

安い品目は、同じ金額でたくさん入ります。だから金額のランキングでは中位に沈み、重さのランキングでは上位に出てくる。当たり前のようでいて、ランキングを金額でしか見ていないと気づけない構図です。

ちなみに「+」の側に動いた品目はもう3つあり、キャベツ+4・さつまいも+5・かぼちゃ+3。キャベツは金額5位から重さ1位へ、1kg201円の安さで押し上がっています。

もやしのような「芽物」の世界については、スーパーの小袋カイワレ大根を全国に広めた有限会社ヤマ吉・池田吉康さんのお話を芽物野菜のインタビューにまとめています。芽ねぎやにんにくの新芽まで含めて、短い期間で育てて出荷する作物がどう作られているかが見えてきます。

はくさいの重さ1位は堺市の10,545g、金額1位も堺市でした。2位の大阪市9,867gと合わせて、近畿の都市が上位に並びます。白菜をたくさん使う商品という視点では、川崎のキムチ「おつけもの慶」が野菜卸からキムチ専門店になった経緯を話してくれています。有限会社グリーンフーズあつみの渥美和幸社長は、もともと近隣の飲食店やスーパーに野菜を届ける卸の仕事から始めた、と語っていました。

逆に金額側で目立つのは、ねぎ・生しいたけ・ピーマン

マイナスに動いた品目も見ておきます。

  • ねぎ 金額4位(3,484円)→ 重さ12位(4.2kg)/−8
  • 生しいたけ 金額12位(1,952円)→ 重さ20位(1.4kg)/−8
  • ピーマン 金額10位(2,311円)→ 重さ17位(2.5kg)/−7
  • きゅうり 金額3位(3,498円)→ 重さ8位(6.7kg)/−5
  • ほうれんそう 金額13位(1,947円)→ 重さ18位(2.5kg)/−5
  • さやまめ 金額16位(1,700円)→ 重さ21位(1.3kg)/−5

こちらは単価の高い側です。ねぎ829円/kg、生しいたけ1,359円/kg、ピーマン930円/kg。生しいたけは1.4kgしか買っていないのに、金額ではだいこん(10.0kg)を上回ります。重さで7倍の差を、単価が逆転させているわけです。

1kgあたりの値段は、もやし170円から生しいたけ1,359円まで

25品目の単価を並べると、いちばん安いもやし170円/kgと、いちばん高い生しいたけ1,359円/kgで7.98倍の開きがありました。同じ「生鮮野菜」という一語の中に、これだけの価格帯が同居しています。

品目全国平均の1kgあたり単価が最も高い市単価が最も低い市幅
生しいたけ1359円/kg高 那覇市 1617安 秋田市 1112幅1.45倍
さやまめ1269円/kg高 神戸市 1524安 鹿児島市 917幅1.66倍
たけのこ1183円/kg高 福岡市 1707安 岐阜市 399幅4.27倍
ピーマン930円/kg高 富山市 1021安 宮崎市 753幅1.35倍
ねぎ829円/kg高 那覇市 1113安 盛岡市 609幅1.83倍
トマト821円/kg高 富山市 900安 熊本市 655幅1.37倍
ごぼう795円/kg高 高知市 904安 札幌市 634幅1.43倍
れんこん792円/kg高 和歌山市 1001安 熊本市 518幅1.93倍
ほうれんそう784円/kg高 札幌市 919安 徳島市 682幅1.35倍
しめじ707円/kg高 秋田市 878安 和歌山市 616幅1.43倍
さといも655円/kg高 那覇市 1017安 宇都宮市 516幅1.97倍
ブロッコリー583円/kg高 那覇市 711安 前橋市 460幅1.55倍
えのきたけ553円/kg高 福島市 698安 長野市 430幅1.62倍
なす534円/kg高 富山市 646安 熊本市 409幅1.58倍
きゅうり523円/kg高 那覇市 651安 前橋市 447幅1.46倍
かぼちゃ502円/kg高 川崎市 567安 佐賀市 374幅1.52倍
さつまいも476円/kg高 福井市 633安 熊本市 376幅1.68倍
レタス464円/kg高 福井市 583安 長野市 372幅1.57倍
にんじん377円/kg高 那覇市 443安 熊本市 299幅1.48倍
じゃがいも346円/kg高 那覇市 422安 札幌市 297幅1.42倍
たまねぎ282円/kg高 那覇市 362安 札幌市 242幅1.50倍
キャベツ201円/kg高 那覇市 256安 水戸市 165幅1.55倍
はくさい195円/kg高 高知市 247安 前橋市 160幅1.55倍
だいこん174円/kg高 福井市 209安 山形市 150幅1.39倍
もやし170円/kg高 那覇市 386安 長野市 132幅2.92倍

市ごとの幅(右の3列)も載せました。ほとんどの品目は1.3〜1.7倍の範囲に収まりますが、たけのこは4.27倍(福岡市1,707円/kg・岐阜市399円/kg)、もやしは2.92倍(那覇市386円/kg・長野市132円/kg)と大きく開きます。たけのこは原表の品目名が分類名のままで、生・ゆで・水煮の区別が示されていません。同じ「たけのこ」の列に性質の違うものが混ざっている可能性があり、ここは価格差とだけ言い切れない部分です。

主食の1kg単価をまとめた記事では、米507円・パン808円・カップ麺1,364円という並びでした。野菜の単価帯は、そのいちばん安いところから、いちばん高いところまでを一つの分類の中に抱えていることになります。

街の話:お金の1位は東京都区部、重さの1位は新潟市

ここから街ごとの数字です。52市ぜんぶを、購入量の多い順に並べました。

重さ順位市年間購入量年間支出額金額順位1kgあたり
1新潟市176.3kg89,613円3508.4円
2さいたま市172.6kg88,384円4512円
3千葉市170.2kg85,323円5501.4円
4東京都区部169.8kg92,539円1544.9円
5秋田市169.1kg84,968円7502.5円
6相模原市168.8kg81,289円12481.6円
7横浜市168.1kg90,559円2538.7円
8京都市165.7kg85,267円6514.5円
9山形市165.2kg81,375円11492.7円
10長野市163.4kg76,421円20467.7円
11奈良市163.2kg81,106円13496.9円
12仙台市161.7kg78,915円15487.9円
13長崎市161.1kg74,842円26464.6円
14浜松市160.5kg78,663円16490.1円
15神戸市159.7kg81,014円14507.3円
16熊本市159.0kg70,875円34445.8円
17川崎市158.4kg84,683円8534.6円
18名古屋市158.2kg81,604円10515.9円
19大阪市157.7kg77,277円18490.1円
20盛岡市157.2kg74,825円27475.9円
21岐阜市156.8kg75,170円25479.3円
22富山市156.8kg83,507円9532.6円
23宇都宮市156.2kg74,102円28474.5円
24北九州市155.2kg76,899円19495.4円
25大津市154.2kg75,452円23489.2円
26青森市153.2kg75,267円24491.2円
27静岡市152.9kg78,076円17510.7円
28堺市152.9kg75,625円21494.7円
29松江市151.5kg73,657円29486.1円
30前橋市151.0kg70,398円35466.1円
31札幌市149.8kg72,843円32486.3円
32鹿児島市149.6kg67,484円43451.2円
33福島市148.3kg73,616円30496.5円
34甲府市147.6kg73,519円31498.1円
35水戸市146.0kg67,981円42465.5円
36岡山市145.3kg70,159円37482.7円
37福岡市145.2kg72,829円33501.6円
38金沢市145.1kg75,484円22520.2円
39広島市143.9kg70,008円38486.4円
40佐賀市143.2kg67,270円44469.6円
41宮崎市142.2kg68,299円40480.3円
42徳島市139.5kg68,125円41488.5円
43津市139.1kg65,254円49469.2円
44和歌山市138.7kg64,645円51466.1円
45大分市137.8kg63,708円52462.4円
46高松市135.0kg64,887円50480.5円
47鳥取市134.9kg66,174円47490.7円
48高知市133.5kg66,220円46496円
49山口市133.2kg66,770円45501.2円
50松山市132.0kg65,963円48499.9円
51福井市130.9kg70,298円36537.1円
52那覇市124.8kg69,133円39554円

支出金額の1位は東京都区部の92,539円。購入量の1位は新潟市の176.3kgで、別の街です。東京都区部は重さでは4位(169.8kg)でした。

幅を見ると、

  • 金額の幅:92,539円〜63,708円=1.45倍
  • 重さの幅:176.3kg〜124.8kg=1.41倍
  • 1kgあたりの幅:554.0円〜445.8円=1.24倍

となり、主食の記事で見た「総額は1.25倍しか違わない」という傾向と似ています。街ごとの差は、総量よりも配分と単価に出ます。

金額の順位より重さの順位が上がる街、下がる街

同じ街の金額順位と重さ順位を比べると、動きの大きい街が見えてきます。

重さ側に大きく動いたのは、

  • 熊本市 金額34位 → 重さ16位(+18)/445.8円/kg
  • 長崎市 金額26位 → 重さ13位(+13)/464.6円/kg
  • 鹿児島市 金額43位 → 重さ32位(+11)/451.2円/kg
  • 長野市 金額20位 → 重さ10位(+10)/467.7円/kg

いずれも1kgあたりの単価が低い街です。熊本市の445.8円/kgは52市で最も低く、同じ1円で買える量がいちばん多いことになります。熊本市は品目別の単価でも、にんじん299円/kg・なす409円/kg・れんこん518円/kg・さつまいも376円/kg・トマト655円/kgと、25品目のうち5品目で最も低い値でした。

金額側に動いたのは、

  • 金沢市 金額22位 → 重さ38位(−16)/520.2円/kg
  • 福井市 金額36位 → 重さ51位(−15)/537.1円/kg
  • 富山市 金額9位 → 重さ22位(−13)/532.6円/kg
  • 那覇市 金額39位 → 重さ52位(−13)/554.0円/kg

北陸3市がそろって並びました。もちと小麦粉の記事では、もちの支出額の上位3市が福井市・富山市・金沢市でした。北陸がまとまって出てくるのは、家計調査でくり返し見かける並び方です。

那覇市は1kgあたり554.0円で52市の中でいちばん高く、25品目のうち10品目で単価が最も高い街でした(キャベツ・ねぎ・ブロッコリー・もやし・じゃがいも・さといも・にんじん・たまねぎ・きゅうり・生しいたけ)。一方で、にんじんは金額も購入量も那覇市が1位(3,984円・8,986g)です。高い単価でいちばん重く買っている品目がある、という形になっています。

品目別「いちばん重く買っている街」25品目ぜんぶ

品目ごとに、購入量が最も多い街を出しました。右端に金額1位の街を添えています。

重さ順位品目いちばん重く買っている市購入量全国平均全国平均比金額1位の市
1キャベツ長野市18,992g15,782g1.20倍松江市
2たまねぎ札幌市18,276g14,904g1.23倍奈良市
3だいこん盛岡市12,486g9,961g1.25倍京都市
4トマト東京都区部12,495g9,843g1.27倍東京都区部
5じゃがいも浜松市10,357g8,298g1.25倍浜松市
6はくさい堺市10,545g7,507g1.40倍堺市
7にんじん那覇市8,986g7,383g1.22倍那覇市
8きゅうり前橋市9,531g6,689g1.42倍横浜市
9もやし山形市9,515g6,024g1.58倍山形市
10レタス千葉市7,216g5,730g1.26倍横浜市
11ブロッコリーさいたま市6,042g4,534g1.33倍さいたま市
12ねぎ山形市5,581g4,205g1.33倍京都市
13なす新潟市5,541g4,035g1.37倍京都市
14かぼちゃ奈良市4,368g3,376g1.29倍横浜市
15さつまいも徳島市4,801g2,717g1.77倍徳島市
16しめじ長野市3,269g2,683g1.22倍長野市
17ピーマン横浜市3,208g2,484g1.29倍横浜市
18ほうれんそう秋田市3,900g2,483g1.57倍秋田市
19えのきたけ長野市4,170g2,483g1.68倍長野市
20生しいたけ秋田市2,199g1,436g1.53倍富山市
21さやまめ新潟市4,603g1,340g3.44倍新潟市
22れんこん新潟市2,051g1,257g1.63倍金沢市
23ごぼう盛岡市1,766g1,242g1.42倍佐賀市
24さといも新潟市2,123g1,157g1.83倍山形市
25たけのこ山形市1,312g569g2.31倍山形市

金額の1位と重さの1位が違ったのは14品目ありました。キャベツ(金額は松江市・重さは長野市)、だいこん(金額は京都市・重さは盛岡市)、たまねぎ(金額は奈良市・重さは札幌市)、ねぎ(金額は京都市・重さは山形市)、れんこん(金額は金沢市・重さは新潟市)などです。

「お金をいちばんかけている街」と「いちばん多く持ち帰っている街」が違うというのは、どちらか一方だけを載せたランキングでは出てこない情報です。

とくに大きいのは、

  • さやまめ 新潟市 4,603g(全国平均の3.44倍) ── 25品目で最大の離れ方
  • たけのこ 山形市 1,312g(2.31倍)
  • さといも 新潟市 2,123g(1.83倍)
  • さつまいも 徳島市 4,801g(1.77倍)
  • えのきたけ 長野市 4,170g(1.68倍)
  • れんこん 新潟市 2,051g(1.63倍)

新潟市は、さやまめ・さといも・れんこん・なすの4品目で重さ1位です。購入量の総合1位でもあり、街ごとに全国平均から一番離れている食べ物を出した記事でも新潟市は中華そばで全国5位に入っていました。なお、この記事は同じ家計調査の「偏り」を扱ったものですが、あちらが金額の倍率、こちらが金額と重さの順位差という別の軸です。

さつまいもの重さ1位は徳島市の4,801g、2位は鹿児島市3,698gでした。さつまいもを作る側の話としては、成田空港の近くで農業を手がけるJAL Agriport株式会社・花桝健一さんが、いも掘り体験から芋焼酎への加工までの取り組みを語っています。

たまねぎの重さ1位は札幌市18,276g。単価も札幌市が241.6円/kgで最も低く、じゃがいも296.7円/kg・ごぼう633.9円/kgも52市で最低でした。北海道で農業を営む作り手の話は、三笠市で5代続く床岡農園のインタビューにあります。

ばらつきが大きい品目と、全国でほぼ同じ品目

品目によって、街ごとの散らばり方がまったく違います。金額の変動係数(ばらつきの大きさ)で見ると、

散らばる側

  • さやまめ:最大/最小7.15倍・変動係数46.5%
  • さといも:7.11倍・37.0%
  • たけのこ:4.38倍・33.4%
  • れんこん:5.43倍・29.0%

ほぼそろう側

  • キャベツ:1.49倍・変動係数9.0%
  • たまねぎ:1.40倍・9.1%
  • しめじ:1.55倍・9.1%
  • にんじん:1.70倍・10.0%

重さ順の上位にいるキャベツ・たまねぎ・だいこん・にんじんは、どの街でもだいたい同じだけ買われています。土台はそろっていて、個性は上に乗る品目で出る、という構造です。

もう一つ、生鮮野菜の総額との相関を取ると、総額とほとんど関係なく動く品目がありました。

  • もやし:−0.033
  • はくさい:−0.032
  • えのきたけ:+0.001
  • しめじ:+0.042

「野菜に多くお金を使う街だから、もやしやはくさいも多い」とはなっていません。逆に、なす(+0.837)・ブロッコリー(+0.828)・ピーマン(+0.818)は総額と強く連動します。魚介類の記事でも魚種ごとに別の地図が出ましたが、野菜はそれが単価の違いとセットで現れます。

なぜこうなるのか 編集部の見立て

ここから先は数字の外側です。断定できる話ではないので、見立てとして3つ書きます。

1つ目は、単価の安い品目が「量の担い手」になっていること。 だいこん・はくさい・もやし・キャベツは1kg200円前後です。鍋ひとつ、炒め物ひと皿に対して必要な重さが大きい品目でもあります。金額の目立たなさと、台所での存在感がずれるのは自然なことです。

2つ目は、単価の地域差が産地との距離を映している可能性。 単価が最も低い熊本市(445.8円/kg)と、最も高い那覇市(554.0円/kg)では1.24倍の差があります。また単価が最低になった回数は熊本市5品目、前橋市・長野市・札幌市が各3品目でした。いずれも何かの産地として名前が挙がる地域です。ただし家計調査は買った場所を記録しないので、「産地が近いから安い」とは言い切れません。

3つ目は、量が多い街は一品目ではなく全体が厚いこと。 購入量1位の新潟市は、名前のついた25品目のうち23品目で全国平均を超えていました。京都市と奈良市が22品目です。特定の野菜に突き抜けるのではなく、ほぼ全部を少しずつ多く買う形です。逆に、徳島市のように25品目中5品目だけが全国平均を超え、そのうちさつまいもが1.98倍という「一点に集まる型」の街もあります。どちらが良いという話ではなく、買い方の形が違うということです。

野菜を扱う側の工夫としては、東京・麻布十番の麻布野菜菓子が「野菜で作ったちょっとだけ贅沢なお菓子」という角度から野菜の和菓子を作っていますし、京都のチーズケーキ専門店ソラアオ・福本大二さんは農家さんの良い食材を広めたいという思いを語っています。高知県の生姜卸として長く続く株式会社あさののクラフトジンジャーの話もあります(なお生姜はこの表に単独の列がなく、今回の25品目には入っていません)。地域と作物の関係そのものについては、気候と地形が商売のかたちを決めた13の話にまとめています。作る側の現場をデータで支える動きとしては、衛星データで圃場DXを進めるLAND INSIGHTの取り組みもあります。

この数字を読むときの5つの注意

  1. 「市」の数字です。 対象は都道府県庁所在市および政令指定都市の52市で、県全体の数字ではありません。「新潟市」は新潟県ではなく、新潟市に住む世帯の平均です。
  2. 二人以上の世帯・1世帯あたりの年間の数字です。 世帯人数で割った1人あたりではありません。「1日413g」も1世帯あたりの量です。
  3. 家庭で買った分だけです。 外食や給食で口にした野菜、家庭菜園や贈答で手に入れた分は入りません(外食の側は外食にお金を使う街ランキングにまとめています)。
  4. 単価・倍率・順位差は編集部の計算です。 「1kgあたり何円」「全国平均の◯倍」「順位の差」「変動係数」は、同じ表の金額と数量からShikisai編集部が計算した値で、統計局が公表している数値ではありません。
  5. 品目名は分類名のままです。 「さやまめ」「たけのこ」などに何が含まれるかは表に示されていません。生と加工済みの区別も分かれていないため、品目名から中身を決めつけないようにしています。

3か年平均(2023〜2025年)なので、ある年の天候による価格の上下はならされています。逆に言えば、単年の野菜高騰を見る表ではありません。

関連する家計調査の記事は、パンの内訳、家で買う麺の7分類にもまとめています。

出典

  • 出典:総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023年〜2025年平均)」の「生鮮野菜」表(品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング)。元ファイルは rank05.xlsx(シート名「生鮮野菜」)。取得日は2026年10月6日
  • 集計対象:都道府県庁所在市および政令指定都市の52市/二人以上の世帯・1世帯当たり年間の支出金額(円)と購入数量(g)/原表の表記は「2023年(令和5年)~2025年(令和7年)平均」
  • 本記事で使った集計値:data/stats-vegetable-weight.json(金額・数量・1kgあたりの単価・順位差・変動係数)

この記事を書いた人

Shikisai編集部

Shikisai編集部

「ありのままの想いが地域と未来を紡ぐ」をコンセプトに、地域で働く経営者の想いと取り組みを取材・発信しているWebメディアです。補助金・認証制度などの記事は、行政機関の公表情報(一次情報)を編集部が確認のうえ執筆しています。

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