浅草雷門の傍にお店を構える古いのれんでおなじみの紀文堂は創業明治23年。
今年で創業して133年になります。
絶えず原料を吟味精選し、門外不出の製法でつくっている紀文の瓦煎餅から、人形焼まで、創業者から4代にわたり培われた製法、味、教えを守り、伝統として後世に伝えています。
今回はそんな紀文堂総本店の魅力と、5代目 手塚 雄介さんのお店に対する想いに迫ります。
「継ぐ」という言葉にある想い
ー創業133年の老舗である紀文堂総本店ですが、手塚さん自身、最初から「継ぐ」という意識はあったんでしょうか?
小さいときからこのお店が遊び場で、お店を継ぐということはすごく自然なことでした。祖父から父、そして自分へと代替わりするときにも気持ちは何も変わってないです。
それくらい「継ぐ」ということは自分のなかでは自然なことでした。
ー手塚さんのなかでは「継ぐ」とはどういうことだと考えていますか?
ちょうど子どもに「社長ってどんなことをしているの?」と聞かれたときに、「一番頭を下げてお願いするのが社長」だと答えました。業種柄、原料を仕入れる時とか様々な人と関わるから、誰よりも頭を下げる機会は多いと思います。
自分が5代目社長になってするのは『ただ次の代に渡す』だけです。祖父や父を直近で見てきて、何となくだけどその想いみたいなのは分かっているから、その想いをつないでいく。
「継ぐ」ってそういうものじゃないかなと思っています。
変えられない・変わらない味
ー『ただ次の代に渡す』だったり、『想いを繋いでいくこと』への想いがすごく伝わってきました。代々そういう想いが受け継がれてきて、紀文堂総本店が130年以上続いてきたんですね。
HPにも「創業者から4代にわたり培われた製法、味、教えを守り…」とありますが、変わらない商品の味自体もそういう想いからきているんでしょうか?
そうですね。商品の味は、変えられないし、変えるつもりもないです。
味を変えないで130年やってきていて、攻めの姿勢は全くないです。
美味しいかどうかを判断するのはお客様ですし、私たちは美味しいものを提供しているつもりです。
美味しくないと言われるよりも、お客様から「紀文堂さん味が変わったよね」とか、「前食べたときと味が違う」と言われるのが悲しいので、これからもずっと培われた製法、味、教えを守り続けたいです。
浅草という地にお店を構えること
ーお店自体も素敵なのれんとともに、浅草という町に根付いていますよね。
浅草って浅草寺をもとにできていると思っていて、浅草寺を大切に想う気持ちは、浅草にあるお店として大事なことだと常に考えています。
ーこういう気持ちを持ちながら、130年以上浅草でお店をやっていることが「老舗」と呼ば
れる理由でもあるんですね。
おっしゃる通り、130年以上お店を構えていると「老舗」と呼ばれる機会も多くなるんですが、「老舗」って自分たちでいうものではなくて、呼ばれるものだと思っています。
浅草寺のおかけでお店があること、そしてうちに買いに来てくれるお客様に感謝することはこれまでも、これからも紀文堂総本店として大事にしていきたいです。
ー130年以上続く紀文堂総本店で大事なことは、その土地にもお客様にも感謝を忘れないことなんですね。本日はありがとうございました。
編集後記
紀文堂総本店のお菓子は、創業者から4代にわたり培われた製法、味、教え守り、大切に受け継がれてきたものです。
お買い求めは、浅草の紀文堂総本店の店舗または、公式のオンラインショップから。
紀文堂総本店と手塚さんの「繋いで続ける」想いは、紀文の瓦煎餅や人形焼として、これからも変わらずに、浅草に足を運ぶみなさんのそばにあり続けるでしょう。
最もポピュラーな顔の形の人形焼。
厳選した材料を用いた生地に、国産最高級の小豆を用いたあんこがたっぷり詰まっています。お顔の形は七福神がモデルとか。
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