ジー・ブーン株式会社 の代名詞は、「社員の夢を叶えるパワー」をビジネスに活かすドリーム企業経営です。このユニークな経営手法を母体とし、DX業界、レンタルスペース業界、フォトスタジオ業界、経営コンサル業界と多角的にユニークな夢のある事業を展開し、多くのメディアより脚光を集めています。
本記事では、その代表取締役である後藤稔行さんに、どうすれば会社の夢と社員の夢の両方を叶える経営ができるのか、夢をテーマにしている事業モデルの発想方法、社員の夢の叶え方教育に至るまで余すことなくお話を聞いていきます。
「会社の夢も」も「社員の夢」も叶える経営とは?
ーこんな独創的な経営モデル(ドリーム企業マネジメント)をどうやって着想したのですか?
後藤稔行:まず、大前提のお話から。社員は会社のために本気で働きません。私自身もサラリーマン時代が長かったので、この想い、感覚がよく理解できます。基本、社員は自分のために働くんですよね。当然です。でもね、経営者経験しか持ってない方や経営者を長くやっている方は、こんなシンプルなことも忘れてしまうんですよ。言われてみると、当たり前の話なんですけど。だから、僕は、社員が自分のために働ける経営は何かと考えたのです。そこで、夢は共通の目標になると気づきました。こうして、会社の夢と社員の夢、両方を叶えるドリーム企業マネジメントの着想が生まれたのです。この会社で頑張って働けば、給料だけでなく、自分の夢も叶う、これが実現できたら、みんなが本気で働いてくれる可能性は高くなると思って。それと、僕自身が、こんな会社があったら、素敵で嬉しいなと強く感じたことも大きかった。
ーどのように会社経営の中で、社員は自分の夢を叶えていくのか興味津々です。
後藤稔行:会社は経営計画書にビジョン(夢)を示しますよね。実は、ここに問題があったのです。これでは、会社の夢だけしか見えていないですよね、つまり、会社の夢しか可視化されていないということです。これだと社員は、会社の夢を叶えるだけの道しかないと潜在的に思ってしまうのです。もちろん、会社の夢だけあればいいという社員ばかりならいいのですが・・・。そんな社員は圧倒的に少ないので、この片方向スキームでは、社員の夢を叶えることはできません。社員の夢を会社はわからないので、応援のしようがないということです。これって、社員目線からすると、
「会社の夢だけを応援してください、その代わりに君にはお金(給料)を上げるから。君の夢は、どうだっていい、このお金を使って、自分で叶えていきなさい」
と社長に言われているのかなと心の中では思っているかもしれません。
う~ん、社員側の立場からすれば理不尽だなあと思ってしまいますよね。ここに、多くの会社がエンゲージメントを上げられない大きな根源があるのではないでしょうか。なので、当社では、社員にも「ドリームプラン」を作らせます。もちろん、夢の設計ができる人は殆どいませんから、当社が独自に開発したセミナーメソッドで作成してもらいます。そうすれば、会社もドリームプランがあって、社員1人1人も独自のドリームプランを持てます。初めて、お互いの夢を可視化できるというわけです。あとは、お互いの夢をどうやって応援し合えばいいのか考えていけば社員も自分の夢を叶える可能性がぐ~んと上がっていくということになります。
ー具体的に、会社の夢と社員の夢を応援し合う方法を教えて頂きませんか。
後藤稔行:まず、社員の夢にあたって、自分勝手な夢ではなく、「地球と社会と人に必要な夢」という夢の範囲を定義付けしています。そうでないと、何でもありということになりますし、夢を叶えるには多くの人の応援が必要になりますから、自分のことしか考えていない夢は誰からも応援してもらえなくなり、結局、叶えることができなくなってしまいます。
それを踏まえ、会社の夢、社員の夢、この両方を叶えるための基盤能力を3つ、専門技術を3つ程度、抽出します。基盤能力は達成力や継続力、体力、集中力といったベース部分で、専門能力はITスキルや語学などのテクニック的なものです。この能力・スキルを業務・制度を活用し成長させていきます。6か月に1回の評価で、成長具合や取り組み方のチェックも行います。
そうすれば、両方の夢を叶えるためのチカラを働きながら成長させることとなりますから、両方の夢が叶う確率が高まっていきます。会社の夢と自分の夢を常に意識させ、練習させれば誰でもやらないより絶対に上達していきます。このトレーニングを3年やった人とそうでない人では、夢のアプローチもそうですが、人格やビジネス力が目に見えて変わっていきます。多くの企業が抱えているビジョンや理念が浸透しないなどの悩みは、このように社員と共通目的を持つことで解消できるのです。この考え方が、ドリーム企業マネジメントの心臓部分です。夢を叶えていく具体的なソリューションについては、大量の情報になってしまうので割愛しますが、夢をつくる4つの可視化システムと夢の融合をサポートする7つの運用システムで構成され組織が自動的に動いています。
「お客様ドリームシップ」と「魅力的なオンリーワン」
ードリーム企業!とても刺激されました。そんなドリーム企業が展開している事業やビジネスの拘りなども教えて頂けると有難いです。
後藤稔行:僕たちが事業をクリエイトするときは、2つの拘りを重要視しています。1つめは、サービスを提供するだけでなく、お客様の夢も応援もすることです。お客様の夢を知り、 サービスを通して、一生懸命に応援できれば、お客様とドリームシップを築くことができるからです。こうしたドリーム企業らしい、自分たちの夢だけでなく、お客様の夢もどうしたら応援できるのかを意識し行動することで、永続的なWin- Winをつくっていけると考えています。従い、私たちはお客様が求める価値を上回れるような優れたサービスを提供するだけでなく、お客様の夢を心から応援する努力を怠らないことを事業設計、事業運用に盛り込みます。
2つめは、私たちは、ビジネスの世界に存在しているチームです。どんなに、素晴らしい夢を掲げても、負けてしまえば、全て終わってしまいます。ビジネスの世界は、ハンデ戦なしで、大企業が相手であっても何年、何十年といった長期間、とても激しい戦いをしていかなければならないのです。だから、負けないために、夢を叶えるために、強力な「強さ」を身に着けていかなければなりません。では、ビジネスで勝ち残っていくためには、どんな強さが必要だと思いますか?私たちが求めていく強さは、「魅力的なオンリーワン」です。魅力的なオンリーワンが実現すれば、優位なマーケットの中で戦えますから、飛躍的に勝率は上がります。「人は魅力的なことに惹かれる」、この原理は、永久不減だと思っています。いまや、従来の延長線上で競合とのわずかな差を求めることに一生懸命になっていく「MAKE BETTER」では、魅力的なオンリーワンは創れません。私たちが欲しいのは、市場の先導型で違いを創る「MAKE NEW」です。凄みのあるアイデアとそれを実現する行動力です。
僕たちは決めています。この2つの拘りで、皆様の夢を応援するビジネスしかやらないと。夢は、人生の時間、全てにおいて叶えていくものだと考えています。だから、夢を応援するためには、短期間だけの応援ではなく、長い時間の応援がマストになるのです。それは、子供からお年寄りになるまで、いや次の世代まで楽しませてくれるテーマパークに似ているかもしれません。だから、僕たちも、長く夢をサポートできる事業のみを考え、創り出し、運営していくつもりです。目指すは、100年、200年と長く愛される老舗型のドリームサポート事業社です。
ーそうですか、100年、200年と長く深く愛されるビジネスを目指されているのですね。その土台になる現在の事業を具体的にお聞かせください。
後藤稔行:僕たちは、現在、DX事業、ファンタジー会議室事業、ドリームフォトスタジオ事業の3事業を展開しています。1つ1つ簡単に、オンリーワン度を説明していきますね。
DX事業については、「情シスBチーム」というサービスブランドを約20年ほど運営しています。
このサービスは、大企業の情報システム部向けのサービスなんですが、システム運用支援とチームビルディング支援の2つをご提供できるソリューションになっています。大企業は、これまでにないスピードでDX化を進めていく課題に追われています。その課題を解決するには、ICT投資の約8割を占めるシステム運用保守コストの削減を実行させ、その削減リソースにてDX化を進めたいと、どの大企業も考えています。言い換えれば、 システム運用保守の品質を落とさず、願わくば品質向上させながら、運用保守コストを削減させ、さらに並行してDX化を実現させていくことになります。これは、今までのやり方で上手くいくほど甘いものではなく、この戦略を成功させる抜本的な改革が必要になってくるんですね。そこで、僕たちは、この厳しい課題を制覇するため、システム運用のみの部分的なサポートだけでなく、自社独自のフレームワークを利用したチームビルディング・チームリーディング・チームマネジメント支援を合わせて提供し、DX化に貢献することでお客様の夢を応援しています。また、チーム支援とシステム運用支援を持ったサービスは、今のところ当社のみのオンリーワンと認識しています。
次に、ファンタジー会議室事業の説明です。時代は、さらに困難で厳しい状況を迎えています。
少子高齢化や人口減少による労働力の低下。そして、世界を取り巻くさまざまな問題とか。そんな中で、私たちは戦い続けなければなりません。残念ながら、もう今までの考えややり方では太刀打ちできず、新たな発想やアイデアがなければ、この時代に勝ち残っていくことは出来ないと考えています。そこで、
「たくさんの人に、日本のビジネスを変えるアイデアを創出してほしい」
「勝てるアイデアで夢を叶えてほしい」
と、日本の企業、そして夢を追いかけている人を応援したいと考えたのです。しかし、どうやって、多くの企業にアイデアを出してもらえばいいのか、これが本事業の根源的な課題となりました。多くの企業の場合、どこでアイデアを出しているかというと、やはり会議室ではないでしょうか。ならば、この会議室に着目し、もっともっとアイデアが出る会議室をご提供できれば、この課題を解決できるのではないかと考えたのです。世界的に強い企業を見てみると、例外なくデザインの優れたユニークな会議室を持っていました。これに比べ日本企業の場合は、会議の手法には長けているのですが、会議室デザインには弱い企業が多いと気が付いたのです。白い壁に囲まれた無機質な会議室、整然と机が配置されたセミナールーム、これでは革新的なアイデアは生まれにくいということです。アイデアは、既成概念を取っ払い、五感をフル回転させて、右脳、左脳に刺激を与え、前頭葉がガンガン働く・・・そんな面白い、ユニークで刺激的なデザイン会議室の方が圧倒的に出しやすい。
こうして、生まれたのが、ファンタジー会議室というまったく新しい概念のサービスです。そして、その1号店が「アイデアの城」です。アイデアの城は、日本で唯一アイデア出しに特化したレンタル会議室で、グローバルカルチャーを代表する秋葉原に内装費1億円かけ創設しました。こだわり抜いたファンタジーデザインと五感演出が売りで、科学的に「アイデア」が出やすくなる体感型空間をご用意しています。論より証拠、この場所で、ディナーミーティングやパーティーミーティングなど是非1度、体験してください。きっと、今までにない社員さんの驚いた顔、笑顔が見れるだけでなく、これまでにないアイデアが獲得できるはずです。お蔭様で、今では年間3000人の社長が使ってくれる会議室に成長しています。
最後に、ドリームフォトスタジオ事業の説明になります。
この事業をやるきっかけは、「夢の記録を残せないか」と考えたところから始まります。皆さんもそうですが、夢を叶えた・叶えないという記憶だけだと、なかなか思い出せなかったりしませんか。そこで、夢を叶えた瞬間を作品にしてご提供できるサービスとしてドリームフォトスタジオ事業を創設し、第1号店として「姫と侍」をタイのバンコクでオープンさせました。
テーマは「夢のような自分」を撮るスタジオです。これを実現させるためには、ムービースターレベルの写真が撮れなければなりませんので、「一流のメイクアップアーティスト」や「フォトグラファー」、「本格的な衣装の着付けを学んだスタ イリスト」を社員化し、全てワンストップでオペレーションできる体制を整えました。
衣装については「伝統衣装」に拘りました。なぜ、伝統衣装にこだわったのかというと、伝統衣装は当時のトップデザイナーがデザイ ンしたもので、その国の歴史や文化、人の想い などが色濃く反映された着るアートだからです。その伝統衣装をさらにリノベーションす ることで、伝統と現代が交差し、新たな美し さや価値の演出が可能になります。 また、伝統衣装は細工の一つ一つが手作業で行われ、 機械的に大量生産されることもありませんので、当社が拘っている一品ものスタイルであるオンリーワンになります。タイの 伝統衣装は一枚布を有効に活用した作りで、日本の 着物も直接裁断で端材を出さない工夫がされており、 世代を超えて長く着られる“地球にも優しい” 究極の サステナブルファッションとも言えます。また、スタジオセットにも徹底的に拘りました。伝統衣装の時代に合わせた空間のインスパイヤーから、さらにリノベーションすることに拘り、 “まるで映画のワンシーンのよう”な演出にしてあります。このリソースを使ったタイと日本の民族衣装のコラボレーション撮影は大人気の作品です。例えば、豪華戦国武将とタイクイーンのカップル撮影は、世界で姫と侍しか撮れない作品の1つです。着るアートともいえる伝統衣装を通して、「今まで見たことのなかった自分」を発見したり、「新しい自分」や「なりたい自分」になって、誰もが心に秘めている夢や変身願望を叶える、そのお手伝いはとても楽しい時間ですよ。写真は、撮ったその瞬間を何十年、何百年と残してくれます。そこに写った被写体だけではなく、その時の情景、一緒にいる家族や恋人、その当時の心境を甦らせてくれる、とても素敵なツールです。
もっと夢が叶う世界をつくるドリーム企業構想
ー最後に、ジー・ブーンさんの夢を教えてください。
後藤稔行:残念なことなんですが、日本の場合、子供の頃は夢に目を輝かせていたはずが大人になると 夢が失われていく労働環境にあります。夢は大事、大切と皆が口を揃えて言いますが、いざ現実の労働社会では夢を語るのが恥ずかしいといった具合で、中には夢など追わず目の前の作業だけやっていれば良いという風潮も強いと感じられます。それに、日本には具体的に夢を叶える教育もありませんし、こ の環境下では夢を描けない、夢を諦める、それどころか夢の批判者になる大人が、どんどん夢の可能性を潰してしまう残念な国になってしまうと思いませんか。
僕たちは、今の労働環境をダイナミックに変えていきたいと考えています。 変えるための戦略として、 世界で1番多い組織体である企業を活用し、企業経営のやり方にドリームシップイノベーションを起こすことが最適な方法だと思っています。
そのためには、まずは、当社が「ドリーム企業マネジメント」で成功し、見本となることが求められると思います。なぜならば、自分ができていないことは、他人は絶対に認めません。
従い、ドリーム企業マネージメントで理想の組織や事業をこの世界に提示し見本となることで、夢が叶う労働社会を構築し世界を変えていきます。ドリーム企業構想とは、世界最多の「企業」をドリーム企業化することで、夢が叶う労働社会を作り、もっと夢が叶う世界を築いていく戦略になります。
ここで、いくつか質問をさせてください。
あなたは、どちらの企業を選びますか?
①夢があって、しっかり見える化している企業
②ふわふわとした雰囲気で夢を語っている企業
社員は、どちらの企業を選ぶと思いますか?
①社員の夢のデザインまでサポートしてくれる企業
②社員の夢は、社員任せで良いと思っている企業
どちらの企業の方が持続的に利益を稼げると思いますか?
①会社の夢だけを押し付けている企業
②会社の夢と社員の夢の融合を真剣に取り組みドリームシップで繋がっている企業
答えは、明白だと思いませんか。しかし、この当たり前のことができている企業は非常に少ないように思えます。僕たちは、ドリーム企業を増やし、繋げ、もっと夢が叶う労働社会を築いていくことが「もっと夢が叶う世界をつくる」という夢への1本道だと確信しています。
もし、世界がドリーム企業ばかりなら、もっと、もっと多くの夢が叶うはず。
僕たちは、そんな世界を作りたいのです。
編集後記
夢を叶えるパワーが原動力となって、人の心を動かし、社会を動かす。数多くの社会人経験を経て辿り着いた「夢を叶えること」に対する後藤さんの熱い気持ちが、インタビューでは伝わってきました。ドリーム企業というジー・ブーンの新しい経営スタイルは、これからの日本を支える新しい形を示しているのかもしれません。大人になった今、あらためて夢を叶えてみませんか?