麺代の47.5%は外で食べた分だった 外食率1位は山形市の58.0%、家でつくる側の1位は長崎市【家計調査】

麺代の47.5%は外で食べた分だった 外食率1位は山形市の58.0%、家でつくる側の1位は長崎市【家計調査】

うどんを一玉買って帰るのと、店に入って食べるのとでは、同じ「麺を食べる」でもお金の出どころが違います。家計簿の上では、前者は食料品の買い物、後者は外食です。

では、麺にかけたお金のうち、外で食べた分はどれくらいを占めるのか。総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯・2023〜2025年平均)の「穀類」と「外食」の表を突き合わせて、52市ぜんぶについて計算してみました。

全国平均は、家で買った麺が21,311円、外で食べた麺が19,255円。合わせて40,566円で、そのうち47.5%が外食でした。麺代はほぼ半々で家と店に分かれている、というのが出発点の数字です。

そして市ごとに見ると、この割合は36.1%から58.0%まで開きました。いちばん外で食べる側に寄っていたのは山形市の58.0%。反対に、いちばん家で用意する側に寄っていたのは長崎市で、麺代の63.9%が家で買った麺でした。

品目ごとの金額を並べたランキングはこれまでにも書いています(ラーメンに一番お金を使う街、外食にお金を使う街ランキング)。今回はそれらと違って、同じ「麺」を家と外に分けて、その比率を見るという読み方です。金額の大小ではなく、どこで食べているかの話になります。

麺にかけたお金を「家」と「外」に分けてみた

計算に使った費目を先に示します。家計調査では、家で食べるために買う麺は「穀類」の中の麺類にまとまっていて、外で食べる麺は「外食」の中に3つの費目として分かれています。

どこで食べるか家計調査の費目全国平均(年・1世帯)
家で買った麺麺類(生うどん・そば、乾うどん・そば、パスタ、中華麺、カップ麺、即席麺、他の麺類)21,311円
外で食べた麺日本そば・うどん+中華そば+他の麺類外食19,255円
合計—40,566円

外食側の内訳は、中華そばが8,752円、日本そば・うどんが7,467円、他の麺類外食が3,036円。家側の内訳は、カップ麺5,833円、中華麺4,716円、生うどん・そば3,777円、即席麺2,412円、乾うどん・そば2,325円、パスタ1,517円、他の麺類732円です(合計は丸めの関係で麺類の21,311円と1円ずれます)。

この2つの数字の比を「外食率」と呼ぶことにします。外食率が高いほど、その街の麺代は店に落ちている、ということになります。

なお、外食の「外食」という大きな費目の中には、定食や中華食、洋食に含まれる形で麺が出てくる場面もあるはずですが、家計調査の費目としては分かれていません。ここで数えているのは、麺そのものが費目の名前になっている3つだけです。外食費全体の分かれ方については外食費で最大の費目は「その他の食事」だったにまとめています。

麺の外食率ランキング【52市すべて】1位は山形市の58.0%

外食率の高い順に52市を並べました。金額ではなく比率の順です。

順位市外食率外で食べた麺家で買った麺合計
1山形市58.0%36,370円26,372円62,742円
2宇都宮市56.2%27,696円21,626円49,322円
3静岡市55.8%26,236円20,806円47,042円
4仙台市55.4%27,968円22,485円50,453円
5高松市54.2%28,647円24,222円52,869円
6さいたま市54.0%25,540円21,776円47,316円
7新潟市53.6%27,734円24,035円51,769円
8高知市53.0%22,445円19,876円42,321円
9名古屋市52.3%24,418円22,284円46,702円
10水戸市51.7%21,490円20,060円41,550円
11富山市51.6%25,459円23,877円49,336円
12前橋市51.6%22,773円21,347円44,120円
13東京都区部51.1%22,073円21,098円43,171円
14千葉市51.0%21,632円20,748円42,380円
15岐阜市50.9%21,060円20,338円41,398円
16福島市50.8%24,438円23,642円48,080円
17岡山市50.5%21,226円20,840円42,066円
18浜松市50.5%21,248円20,792円42,040円
19佐賀市49.8%19,437円19,582円39,019円
20長野市49.3%22,190円22,859円45,049円
21福岡市49.2%17,826円18,393円36,219円
22宮崎市49.2%17,699円18,297円35,996円
23相模原市49.1%20,263円21,027円41,290円
24大分市49.1%17,272円17,911円35,183円
25横浜市48.8%19,103円20,050円39,153円
26金沢市48.5%20,072円21,342円41,414円
27川崎市48.2%20,881円22,429円43,310円
28北九州市48.0%18,023円19,555円37,578円
29福井市47.8%18,685円20,398円39,083円
30広島市47.7%19,381円21,240円40,621円
31徳島市47.4%17,798円19,717円37,515円
32大津市47.2%19,118円21,348円40,466円
33山口市47.1%17,689円19,879円37,568円
34鹿児島市47.0%17,115円19,327円36,442円
35京都市46.5%17,602円20,271円37,873円
36奈良市46.3%18,118円21,002円39,120円
37盛岡市45.9%20,665円24,387円45,052円
38熊本市45.9%16,209円19,089円35,298円
39秋田市45.7%21,578円25,669円47,247円
40松江市45.6%18,756円22,419円41,175円
41甲府市45.6%17,793円21,228円39,021円
42札幌市44.9%17,182円21,095円38,277円
43堺市43.5%16,932円22,019円38,951円
44松山市42.7%15,061円20,174円35,235円
45津市42.7%14,967円20,048円35,015円
46大阪市42.0%15,961円22,067円38,028円
47和歌山市41.2%13,137円18,711円31,848円
48神戸市40.9%13,950円20,165円34,115円
49鳥取市39.5%13,952円21,341円35,293円
50青森市39.1%16,022円25,005円41,027円
51那覇市37.3%10,297円17,306円27,603円
52長崎市36.1%11,262円19,959円31,221円

1位は山形市の58.0%。麺代62,742円のうち36,370円が外で食べた分でした。2位は宇都宮市の56.2%、3位は静岡市の55.8%、4位は仙台市の55.4%、5位は高松市の54.2%と続きます。

外食が半分を超えたのは52市のうち18市。残りの34市は、麺代の半分以上を家で買った麺が占めていました。全国平均の47.5%は、52市の中で言えば広島市(47.7%)と徳島市(47.4%)のあいだ、上から30番目あたりに位置します。市部だけを見ると、全国平均よりやや外食寄りの街が多い、ということになります。

上位の顔ぶれを見ると、山形市と仙台市と福島市(16位・50.8%)の東北3市、新潟市(7位・53.6%)と富山市(12位・51.6%)の北陸2市が入っています。家で買う麺の金額そのものが北日本と日本海側に集まることはパンにお金を使う街ランキングでも触れましたが、その同じ地域が、外で食べる側でも上位に来ているのが今回の見どころです。

家でつくる側の1位は長崎市の63.9%

外食率の低い側は、裏返せば「麺代の多くを家で用意している街」です。そちらを比率の高い順に並べ直すと、次のようになります。

順位市家で買った麺の割合家で買った麺外で食べた麺
1長崎市63.9%19,959円11,262円
2那覇市62.7%17,306円10,297円
3青森市60.9%25,005円16,022円
4鳥取市60.5%21,341円13,952円
5神戸市59.1%20,165円13,950円
6和歌山市58.8%18,711円13,137円
7大阪市58.0%22,067円15,961円
8松山市57.3%20,174円15,061円
9津市57.3%20,048円14,967円
10堺市56.5%22,019円16,932円

面白いのは、この表の中に青森市(家で買った麺25,005円=52市中3位)が入っていることです。家で買う麺の金額はきわめて多く、その上で外食率が低い。「麺をあまり食べない街」ではなく、「麺を家で食べる街」だと数字が言っています。大阪市(22,067円=14位)と堺市(22,019円=15位)も同じ形で、家の麺の金額は上位に入りながら外食率が低い側に並んでいます。

ただし1位の長崎市は、青森市とは成り立ちが違います。長崎市の家で買った麺は19,959円で、こちらは52市中40位。家の金額が多いのではなく、外で食べた麺が11,262円と小さいぶん、比率として家に寄っているという形です。同じ「家でつくる側」でも中身は別物だ、ということになります。

なお長崎県には日本三大うどんの一つに数えられる五島うどんがあり、五島市の企業誘致にはうどんの製造販売業も含まれていると、五島市編:移住・転職が増える背景で市の担当者が話しています。家計調査の数字は長崎市のもので五島市のものではないため、この比率と結びつけて語ることはできませんが、県内に麺をつくる産業があることは記録しておきます。

麺代の総額1位も山形市 全国平均の1.55倍

比率ではなく金額そのものを見ると、家と外を足した麺代の合計はこうなります。

順位市麺代の合計家で買った麺外で食べた麺
1山形市62,742円26,372円36,370円
2高松市52,869円24,222円28,647円
3新潟市51,769円24,035円27,734円
4仙台市50,453円22,485円27,968円
5富山市49,336円23,877円25,459円
6宇都宮市49,322円21,626円27,696円
7福島市48,080円23,642円24,438円
8さいたま市47,316円21,776円25,540円
9秋田市47,247円25,669円21,578円
10静岡市47,042円20,806円26,236円

山形市の62,742円は、全国平均40,566円の1.55倍。2位の高松市に約1万円の差をつけています。山形市が中華そば(外食)で全国平均の2.48倍という突出ぶりを見せることは街ごとに「全国平均から一番離れている食べ物」で書きましたが、外食だけでなく家で買う麺でも52市の1位(26,372円)でした。

いちばんの発見 外でよく食べる街は、家でも麺を買っていた

今回いちばん意外だったのはここです。

「外で食べる街」と「家でつくる街」は、麺の消費を奪い合う関係にありそうに思えます。店で食べれば家では食べない、という素朴な予想です。ところが52市の数字は逆でした。

  • 家で買った麺の金額と、外で食べた麺の金額の相関係数は0.624(編集部算出)。弱くない正の相関があります
  • 家で買った麺の上位10市は、山形市・秋田市・青森市・盛岡市・高松市・新潟市・富山市・福島市・長野市・仙台市
  • 外で食べた麺の上位10市は、山形市・高松市・仙台市・新潟市・宇都宮市・静岡市・さいたま市・富山市・福島市・名古屋市
  • 両方の上位10市に入っていたのは、山形市・高松市・新潟市・仙台市・富山市・福島市の6市

10市中6市が重なるというのは、かなりの重なりです。麺をよく食べる街は、外でも食べるし家でも買う。片方を選んでいるのではなく、両方が同時に多い。

外食率は「麺をどれだけ食べるか」ではなく「同じ麺好きの中でどちらに寄っているか」を測っている指標だ、と言い換えてもいいかもしれません。だから青森市のように、家の金額が3位でも外食率は低い側に出る街が生まれます。

外の麺は「そば・うどんの街」と「中華そばの街」に分かれた

外で食べた麺19,255円(全国)の中身は、中華そばと日本そば・うどんでほぼ二分されています。市ごとに、外食の麺代のうち日本そば・うどんが占める割合を出すと、こうなりました。

そば・うどんに寄っている街

順位市外食の麺代に占める日本そば・うどん日本そば・うどん中華そば
1高松市61.8%17,704円7,572円
2松山市53.2%8,006円5,501円
3山口市51.8%9,162円5,839円
4徳島市49.2%8,752円6,551円
5北九州市47.3%8,524円6,288円

中華そばに寄っている街

順位市外食の麺代に占める中華そば中華そば日本そば・うどん
1那覇市61.1%6,290円2,386円
2青森市60.9%9,757円5,019円
3新潟市60.8%16,863円6,863円
4山形市59.7%21,695円10,980円
5秋田市55.2%11,919円6,952円

そば・うどん側は四国・中国・九州北部、中華そば側は東北・北陸と南西端の那覇市。外食率が同じくらいの街でも、店で何を食べているかはまったく違うわけです。たとえば高松市(外食率54.2%)と仙台市(55.4%)はほぼ並んでいますが、高松市の外食の麺代の6割はうどん・そば、仙台市は中華そばが5割を超えています。

家の麺代の38.7%はカップ麺と即席麺だった

「家で食べる麺」と言っても、鍋で麺をゆでるとは限りません。家で買った麺21,311円(全国)のうち、カップ麺5,833円と即席麺2,412円を合わせた8,245円=38.7%は、お湯を注ぐか短時間で仕上げるタイプの麺です。

この比率にも街の差がありました。

比率が高い側比率が低い側
1佐賀市48.2%高松市32.4%
2高知市46.8%長野市32.5%
3鳥取市45.4%横浜市33.8%
4大分市44.9%東京都区部34.0%
5熊本市44.7%山形市34.6%

低い側の顔ぶれが示唆的です。高松市は生うどん・そばの金額が6,472円で52市の1位、長野市は同4,865円で2位。生麺をよく買う街ほど、家の麺代に占めるカップ麺・即席麺の割合が小さくなるという、素直といえば素直な関係でした。カップ麺と即席麺の東西差そのものについては主食は1kgいくらかで単価の側から扱っています。

なぜこうなるのか 編集部の見立て

数字から言えることと、そこから先の解釈を分けて書きます。ここから先は編集部の見立てです。

①「麺の街」は供給の層が厚い。 外食率の上位と家の金額の上位が重なるということは、その街に麺を出す店と、麺を売る売り場の両方が揃っているということだと考えられます。製麺所があれば店にも卸すし、スーパーにも並ぶ。片方だけが育つより、両方が同時に育つほうが自然です。

②看板メニューがある街は、外食率が上がりやすい。 高松市のうどん、山形市・新潟市・仙台市の中華そば。名前のついた一品がある街は、そもそも「外で食べに行く理由」が街の中にあります。観光客の支出は家計調査には入りませんが、地元の人にとっても、行き先が決まっている食事は外に出やすい。

③家の麺は「常備するもの」としての性格が強い。 カップ麺・即席麺が家の麺代の4割を占めることは、家の麺の多くが「今日の献立」ではなく「置いておくもの」であることを示しています。だから外食が増えても家の麺が減るとは限らない。両者は置き換え合う関係になりにくい、という説明になります。

④「家に寄る」理由は街ごとに違う。 外食率の低い側を一つの性格でくくることはできません。青森市はカップ麺が8,326円で52市の1位、中華麺も6,192円で4位と、家の麺の金額そのものが大きいタイプ。対して長崎市は家の金額が40位で、外の麺が小さいぶん比率が家に寄るタイプです。比率という一つの数字の裏に、少なくとも2通りの成り立ちがあることになります。

麺は「商売のかたち」でもある

この数字の外側には、麺を出す側・つくる側の話があります。

店舗開発コーディネーターの西村恒男さんは、駅ビルの空き区画に台湾出身の経営者を紹介した事例を挙げていました。自家製麺を持っていたことが決め手で、「麺は自家製だから原価を抑えられる。安くておいしいラーメンが成立する」という組み立てだったといいます(商業施設への出店はデベロッパー側ありきで決まる)。外で食べる麺の値段は、麺をどこから調達するかで変わるという、供給側から見た話です。

一方、家の食卓に届く側からは、業務用の食品メーカーが小売に出ていく動きもあります。ショウエイフーズの山田至亮さんは、業務用でつくってきた味を消費者に直接届けるためにBtoCへ踏み出した経緯を語っています(「とんかつの山田屋」に宿る職人魂)。麺そのものの話ではありませんが、「外で食べるもの」と「家で食べるもの」の境目は、つくり手の側からも動かせるという例です。

外食率という一つの比率の裏には、製麺所、売り場、店舗、そして持ち帰る人の習慣が積み重なっています。

この数字を読むときの5つの注意

  1. 「県」の数字ではありません。 家計調査のこのランキングは都道府県庁所在市および政令指定都市の52市が対象です。「山形県」ではなく「山形市」、「長崎県」ではなく「長崎市」の数字として読んでください。
  2. 外食率は編集部の計算です。 統計局が「外食率」という数値を公表しているわけではありません。同じ表に載っている金額どうしを足し合わせて、Shikisai編集部が算出した比率です(小数第1位まで)。
  3. 数えているのは3つの費目だけです。 外食側は「日本そば・うどん」「中華そば」「他の麺類外食」の3費目。定食や中華食、洋食のセットに入っている麺は含まれていません。実際に外で食べている麺は、この数字より多いはずです。
  4. 費目の名前は統計上の区分です。 「中華そば」「日本そば・うどん」といった呼び名は家計調査の分類であり、店の看板やメニューの呼び方と一対一で対応するとは限りません。
  5. 2023〜2025年の3か年平均です。 単年の数字ではないので、特定の年の出来事はならされています。また二人以上の世帯が対象で、単身世帯は含まれません。

出典

  • 総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023年〜2025年平均)」の「穀類」および「外食」
  • https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html
  • 使用ファイル: rank01.xlsx(穀類・2026年9月14日取得)、rank13.xlsx(外食・2026年9月8日取得)
  • 本文の数値と算出過程は data/stats-noodle-home-vs-out.json に保存しています

この記事を書いた人

Shikisai編集部

Shikisai編集部

「ありのままの想いが地域と未来を紡ぐ」をコンセプトに、地域で働く経営者の想いと取り組みを取材・発信しているWebメディアです。補助金・認証制度などの記事は、行政機関の公表情報(一次情報)を編集部が確認のうえ執筆しています。

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