東京都麻布十番に位置する麻布野菜菓子は、「野菜で作ったちょっとだけ贅沢なお菓子」をコンセプトに、オリジナリティあふれるお菓子を届けるお店です。
オーナーである花崎さんの本職はグラフィックデザイナー。
今回はクリエイティブな発想力が溢れる花崎さんと、麻布野菜菓子の商品の魅力に迫ります。
野菜の和菓子が誕生したきっかけ
ー花崎さんはグラフィックデザイナーだとお伺いしましたが、どんなきっかけでお菓子作りをはじめたんですか?
花崎さん:お菓子の世界に入ったきっかけは、デザイナーとして野菜の懐石料理屋さんの立ち上げをお手伝いしたことなんです。
その懐石料理屋さんが、野菜メインで料理提供しているところをみて、野菜の使い方の面白さに気づきました。
和菓子で野菜っていう発想は今までに無かったなと思って…
もともと「食」に興味があったこともあって、野菜でお菓子を作ろうと思い立ちました。
野菜ってどうしてもヘルシーなものとして商品にされがちなんですけど、野菜イコール健康という枠にとらわれないで、単純に美味しいものを作りたいと考えています。
ーまさにデザイナーならではの発想の転換ですね。
花崎さん:実はそんなたいそうなことじゃなくって、本当に考えはシンプルで、みんながわっと驚くような新鮮なもの、あとはシンプルに味が美味しいものを作りたい。それだけですね。
お菓子作りの素人だからこそ生まれるアイデア
ー商品のこだわりについて少しお伺いしましたが、美味しさを追求し見た目も美しい麻布野菜菓子の商品開発はどなたが担当されているんですか?
花崎さん:全然…私が自らやります。
もちろん職人の方と一緒にですが、お菓子作りを学んでいたわけではない、
いわば素人の視点から生まれるアイデアだからこそ、いい意味で期待を裏切るお菓子が生まれるんです。
ー常識に囚われないからこそ、今までにないものが出来上がったわけですね。商品開発には失敗もつきものだとは思いますが、花崎さんが商品開発だけでなく、このお仕事を続けていく上でのモチベーションはなんでしょうか?
花崎さん:もちろん、お客様に美味しいと言っていただけることもモチベーションですが、新しいものにどんどん挑戦していって、お客さまを驚かせたい!という気持ちもあります。
失敗で新たな商品ができることもあるので、引き続き色々なことに挑戦していって、野菜なのに美味しい!というギャップを無くしても美味しいお菓子を作り続けたいと思っています。
イチオシは「野菜最中」
ー花崎さまのお考えもとっても魅了的でしたが、そんな花崎さんのこだわりが詰まった「麻布野菜菓子」の商品も魅了がたっぷりですよね。どれも美しく、美味しそうですが、一番のおすすめ商品はなんでしょうか?
花崎さん:おすすめは「野菜最中」ですね。
最中の製造過程でとても苦戦したので、思い入れがあります。
ー苦戦したポイントはなんだったのでしょうか?
花崎さん:最中の皮に生の素材をのせて焼く作業です。
見た目も美しく、美味しそうにしたいと思って、何度も水分量や厚さを変えて試行錯誤しました。
皮だけじゃなく、最中の中身も、蜜付けの蓮根を細かく刻んだものを入れて食感を出したり、白あんに生クリームを組み合わせてみたり、美味しさにも徹底的にこだわっています。
ーでは最後に、今後のビジョンをお聞かせください。
花崎さん:銀座に店舗を構えてからみなさんに知っていただく機会が増えた実感があります。
今ある手土産としての商品だけでなく、食べ歩きなどで手軽に食べてもらえるような商品開発にも力を入れていきたいと考えています。
ー海外の方にも和菓子の魅力を伝えるいいきっかけになりそうですね。
日本だけでなく、海外にも広まっていくであろう麻布野菜菓子の今後がますます楽しみです。本日はありがとうございました。
編集後記
麻布野菜菓子には、「野菜なのに美味しい」というギャップなしに、美味しい商品が盛りだくさん。商品は麻布十番にある本店、または東京・銀座のGINZA SIXの地下2階にある銀座店、オンラインストアからもご購入できます。
花崎さんのシンプルなアイデアと美味しさへの情熱は、今後も麻布野菜菓子の魅力的な製品の大切な要素となって、これからも美味しいものに目がない人たちにときめきを与え続けるでしょう。
野菜最中9個セット ¥3,181
左から、黒胡麻と木の芽(手芒豆の白餡にすり黒胡麻をたっぷりと練り込んだ最中。最中の木の芽の香りがアクセント。)、蓮根(蓮根の香ばしい風味の最中と、細かく刻んだ蜜漬け蓮根が入った新食感の最中。)、薩摩芋(最中にのせた薩摩芋のスライスの香ばしさと、ホクホクの薩摩芋餡の食感。)。