まだまだ知られざる茶葉ジャンル・和紅茶。その認知拡大に向け『和紅茶=美味しい。』というイメージを広げる情熱的な一人の姿


レインブラントティー株式会社 代表 森本 禎志 MORIMOTO TADASHI

みなさんは「和紅茶」を飲んだことがあるでしょうか?
「和紅茶」は日本国内で栽培・加工をされた紅茶を指す国産の紅茶です。2022年にロンドンで行われた茶の品評会「The Leafies 2022」において、熊本県の「お茶のカジハラ」の和紅茶(べにふうき)が最優秀賞を受賞したことで、日本でも密かに和紅茶ブームが広がっています。
今回は、「和紅茶=美味しい。」というイメージを広げている森本さんに事業を立ち上げたきっかけと茶葉のセレクト基準についてお話を伺ってきました。

紅茶との出会いは偶然だった

—レインブラントティー誕生の経緯となるきっかけは何だったのでしょうか?森本さんの生い立ちも含めお聞かせ下さい。
森本さん:レインブラントティーは和紅茶を表すものですが、私の生い立ちと和紅茶には関わりはありませんでした。大学在学中に、海外の農業に興味を持ったので、半年間大学を休学して、ケニアやタンザニアなどの東アフリカ諸国へ留学していたんですが、そこでは、ケニアの人が毎朝チャイを飲んでいたんです。よくよく聞いてみると、紅茶の輸出量はケニアが世界一らしく、ケニアの人にも紅茶というものがずいぶん親しまれていました。私もその影響で、チャイを飲むようになり、あまりのおいしさから「日本の人にもこのおいしさを伝えたい!」と思うようになり、帰国してからはケニアから茶葉を輸入してチャイの移動販売をしていました。これが誕生のきっかけになります。

—紅茶とは偶然出会ったものだったのですね。その移動販売を契機にレインブラントティーは誕生したのでしょうか?
森本さん:いえ。チャイの販売自体は非常に楽しいものであったんですが、自身が大学生ということもあり、何が正しくて何が間違っているといったものさしもなかったので、一度販売をやめて社会人として働き始めました。まずは、東京のベンチャー企業で4年間、経営やマーケティングを勉強し、その後、マザーリーフというセルフ式の紅茶カフェで7年働いていました。そして、その当時に開かれていた和紅茶のイベント「全国地紅茶サミット」に参加し、生産者の人の生の声を聞いていく中で、和紅茶の品質は世界と並ぶくらい高いのに日本国内への浸透率が低く、また、地方の生産者さんが大半を締める中、首都圏での販売に特化した事業者がいないという課題点がありました。この課題点を解決すべく、日本の生産者が丹精を込めて作った和紅茶を一人でも多くの方に知っていただき、楽しんでいただくためにレインブラントティーを立ち上げました。和紅茶自体のイメージを上げて認知を浸透させていきたいと思うのが一番の望みですね。

海外紅茶にはない和紅茶独自の要素は、「お茶の旨み・甘み」

—一度社会人を経験されてから、改めて和紅茶業界の課題点を知り、その課題解決に向けて尽力されているんですね。レインブラントティーさんが取り扱っている紅茶は非常に豊富な種類ですが、紅茶のセレクト基準はどこにあるんでしょうか?
森本さん:レインブラントティーでは、日本全国の和紅茶の産地を巡り、特に品質の高い和紅茶をセレクトし、お客様に分かりやすい、選びやすい形で紹介しています。その中でも香りを特に重視しており、和紅茶単体の要素として「お茶の旨み、甘み」という部分があります。紅茶と緑茶は同じ木から作ることができるので、緑茶用品種で作られた和紅茶は渋みが優しくご飯と一緒に楽しめるものもあるんです。なので、旨みや甘みを持つ和紅茶は日本の食文化と相性が良く、いわば緑茶の延長線上で、日本人にも馴染みやすい味わいとして楽しんでいただけます。

—海外とは差別化のできる日本独自の特徴が和紅茶にはあるのですね。
「和紅茶=美味しい。」というイメージを広げる上で、感じている課題点について教えてください。

森本さん:和紅茶の認知拡大に日々苦労しています。まだまだ和紅茶について知らない人が多いのが現状です。お客様が商品名を見て和紅茶の味や香りをイメージするのは難しいため、まずは一人でも多くのお客様に和紅茶を飲んでいただいて、催事やイベントで試飲を行なっています。細々とでも続けて、和紅茶を広めていくことが私の使命だと思っています。

自分でセレクトしているからこそ、喜びがダイレクトに伝わる

—こうした苦労がある中で、苦労を乗り越える森本さんのモチベーションはどこにあるのでしょうか?
森本さん:お客様に美味しいと言ってもらえること。これ以上の喜びはないですね。自分がセレクトしているからこそ、それがダイレクトに伝わります。苦労も多いですが、催事では和紅茶を広めるための流れを作ろうとしてくださる方々がいてくださったり、多くの人に支えていただいてるのもモチベーションに繋がっています。

—独自のセレクトにこだわり、それをお客様に喜んでもらう過程にもやりがいを見出されているのですね。では最後に、今後のビジョンを教えてください。
森本さん:和紅茶の認知を広げるために様々な取り組みをしているので、それを進めつつ新たな柱を作っていきたいです。具体的には、和紅茶に関するセミナーを他店とのコラボで開いてみたり、ポップアップ等で和紅茶のドリンクをお客様に振る舞っていました。自分のお店を持たずとも間借りで披露できる部分も整ってきたので、お客様に伝えていく要素も増えていったのかなと思います。今後も催事やイベントなどで和紅茶とお客様を直接繋ぎ、多くの人が、「和紅茶=美味しい。」と思っていただけるようなきっかけ作りを提供していきたいです。

編集後記

紅茶への熱量がとても強く、和紅茶の魅力について余す所なく語っていただいた濃密なインタビューでした。偶然出会った紅茶をただ広げるだけでなく、一度社会人を経験されてから課題発見・解決に取り組む姿勢が新しいことに踏み出す行動力として素晴らしいと感じました。
是非、読者の皆様にも森本さんのセレクトした和紅茶を飲んでみて、和紅茶の美味しさを知ってほしいと思います。下のリンクから購入できますので、緑茶用でおすすめの「やぶきた」を飲んでみてください!

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レインブラントティー株式会社 代表

森本 禎志 MORIMOTO TADASHI