企業誘致の窓口には、別の仕事から来た人が座っていた|自治体の担当者に聞いた9市の「仕事のつくり方」

企業誘致の窓口には、別の仕事から来た人が座っていた|自治体の担当者に聞いた9市の「仕事のつくり方」

地域に仕事をつくる話というと、補助金の額や工業用地の広さの話になりがちです。固定資産税を何年免除するか、雇用1人あたりいくら出るか。比べやすいので、どうしてもそこに目が行きます。

Shikisaiのラジオ記事とインタビューから、自治体の側で企業誘致・産業振興・移住施策を担っている人の記事を9本選んで読み直しました。千葉県佐倉市、山口県岩国市、長崎県五島市、群馬県沼田市、神奈川県横須賀市、静岡県浜松市、神奈川県相模原市、山梨県都留市、新潟県三条市。政令指定都市から離島まで、規模も地形もばらばらです。

読み終えて一番はっきりしたのは、制度の設計ではありませんでした。9本のうち6本で、窓口に座っている担当者が「別の仕事」から来ていたことです。信用金庫、機械工具の商社、大工の家業、中央省庁、都市計画の部署、そして進学で移り住んだ人。制度の説明よりも、その前職の感覚が語りの中心にありました。

一番の発見は、誘致担当が「別の仕事」から来ていたこと

もっともはっきり語られていたのが横須賀市です。横須賀市役所 経済部 企業誘致・工業振興課の山川顕さんと武田祥汰さんの記事で、山川さんは大学卒業後に信用金庫へ4年勤め、金融という立場からだけでなくもっと幅広く地域事業者を支援したいと考えて市役所に転職したと話します。武田さんは新卒で機械工具系の専門商社に入り、広島で7年間営業職を務めてから地元の横須賀へ戻った人です。

行政の仕事でも“営業感覚”は大切だと感じています。

武田さんの言葉です。市内企業への訪問やヒアリングで現場の声を把握し、必要な支援につなげることを意識している、と続きます。この課は「企業誘致」と「工業振興」を両輪として動いており、市内に立地する約300社の製造業者を日々訪問して経営状況を伺っているといいます。

よく「市役所に言っても何も変わらない」と思われがちですが、実際は違います。

たとえば「人手が足りない」という相談があれば協力できる企業を紹介することもある。市内の企業同士をつなぐマッチングの機能も果たしている、という説明でした。他の自治体の担当者から「そこまで回るんですか?」と驚かれることもあるそうです。武田さんはその理由を、民間出身の職員も多く営業感覚を持った動き方ができている点に見ていました。

岩国市役所 産業振興部 商工振興課 企業立地推進室の浴本直哉さんは、市役所の中で職種を渡ってきた人です。大学ではIT・情報分野を専攻し、就職活動では地元で働きたかったものの地元にIT企業が多くない状況があり公務員を選んだ。入庁後はまず税務担当として住民税の計算や確定申告の受付を担当し、その後、山口県庁の東京事務所へ派遣されて企業誘致業務に従事しました。首都圏の企業に山口県内の地域を紹介する役割です。いま岩国市でIT・ゲーム企業の誘致を進めているのは、この二つの経験——情報分野の専攻と、県の東京事務所で企業と向き合った時間——が重なった先にあります。

五島市産業振興部 商工雇用政策課の松林澄也さんの入口は、もっと意外でした。

その前は家業である大工の手伝いをしていましたが、父から「仕事が減ってきているので役場を受けてみてはどうか」と勧められ、役場を受験したことが行政に入ったきっかけです。

採用されたのは合併前の奈留町役場。最初の配属は出向という形で医療機関の事務、合併後は健康政策課 診療所係と、医療・健康政策に長く関わってきた人が、記事の収録年の4月に企業誘致の部署へ異動しています。制度の細部まで語りながら「私自身、まだ学びながらの部分もあります」と率直に置いているのが印象的でした。

新潟県三条市の上田泰成副市長は文部科学省に入省して教育行政に関わり、経済産業省への出向でe-sportsやWeb3.0、DXといった新成長産業の分野に携わった人です。地方で働きたい理由を、こう説明していました。

結局、現場ってやっぱり地方にあると思うんです。例えば地方の学校があるからこそ、文科省が存在します。

日本のGDPの4割が東京に集中し、残りの6割が地方に分散している。この6割をどう活性化するかが日本全体の生産性向上につながる、というのが入省以来の考えだったといいます。ある程度の裁量が持てる役職になってからは、ほとんど霞が関の机におらず出張ばかり行っていた、とも語っていました。

相模原市の奈良浩之副市長は、産業部門ではなく都市計画の担当だった時期に、地元企業の社長が工場跡地の用途について市役所へ相談に来たところから関係が始まっています。そのやりとりが、のちの企業支援制度の出発点になりました。

前職が今の仕事にどう効いているかという話は、経営者の側でも繰り返し出てきます。そちらは家業を継ぐ前の仕事は、無駄になっていなかった|異業種から入った13人の取材まとめで整理しています。

誘致する業種は、その土地の制約から逆算されていた

9本を「何の業種を呼ぼうとしているか」で並べると、流行の業種を横並びで追っている市はひとつもありませんでした。どの市も、自分の土地にある条件から逆算しています。

五島市の逆算がいちばん明快です。松林さんは離島であるため物理的な輸送コストが発生し、工場立地や物量を伴う事業にとっては本土に比べてハードルが高い環境だと前置きしたうえで、本土と大きく条件が変わらずに事業運営できる「情報通信業」を中心に企業誘致を進めていると説明します。リモートワークやバックオフィス業務など、場所にとらわれにくい業種であれば、自然環境や暮らしの魅力と両立した形で事業展開が可能だという判断です。これまでに誘致した企業は6社で、経営者の多くが五島出身、あるいは五島にゆかりのある方だという特徴も語られていました。

岩国市は、産業構造と人の選択肢の両方から逆算しています。瀬戸内海に面し、周辺に石油化学コンビナートがある製造業中心の地域で、浴本さんはIT企業誘致の理由を「若者や女性の仕事の選択肢が多くない状況」と「情報系の学部・学科が増えてきている流れ」に置いていました。平成30年以降、山口県内で最も誘致件数が多い状況だといいます。ゲーム開発企業の進出をきっかけに東京ゲームショウへ出展し、そこで接点を持った企業が実際に岩国へ進出した例もありました。

もうひとつ、岩国市には全国的にも珍しい逆算があります。市内に防衛装備庁の艦艇装備研究所のサテライト(岩国海洋環境試験評価サテライト)があり、水深約11メートル、縦35メートル×横30メートルの大型水槽で水中ドローンなどの開発ができる。山口県産業技術センターとの協定により民間企業も利用できる仕組みがあるといいます。そこにある設備から、水中ロボット関連産業という誘致分野が立ち上がっています。

沼田市の記事では、星野市長が三つの重点分野を挙げていました。第一に木材加工——周辺に豊富な森林資源があり首都圏にも近い立地を生かせる。第二に、昼夜の寒暖差を生かした漢方薬栽培で、品質管理に適した気候を活かして遊休農地を有効利用したい。第三にデータセンターで、市内に水力発電所が複数あり東京電力の高圧送電網も通っていることが根拠です。

いまや電力の「量」と「即応性」が誘致の勝敗を分けています。

佐倉市 企画政策課 企業誘致・公民連携推進室は、成田空港圏という位置から逆算しています。東関東自動車道・佐倉IC至近で都心・空港双方へアクセスでき、国内配送と輸出入の両立が可能——だから製造業・研究拠点・物流系企業に向けて条件を示す、という組み立てです。江戸期の城下町として行政・教育・医療機能が早期に集積した都市基盤の上に、食料品・医薬品・金属やプラスチック加工といった製造業が積み重なっている土地でもあります。

浜松市産業部企業立地推進課 誘致グループの川島さん・西妻さんは、既にある製造業の厚みそのものを市場として見ていました。市内に約4000社の製造業者があり、それを「市場」と捉えたDX企業の誘致が進んでいるという説明です。「はままつ産業イノベーション構想」で7つの成長分野を定め、EVやドローンといった次世代輸送用機器に加えてロボティクス、ヘルスケア、エネルギーを強化しているといいます。

地形や気候が商売のかたちを決めていく話は、企業の側から見ても同じでした。雪の多い土地では、夏の仕事が生まれる|気候と地形が商売のかたちを決めた13の話にまとめています。

成果の数え方が、市によってまったく違った

同じ「企業誘致」という業務でも、何を成果と呼ぶかは揃っていませんでした。ここがいちばん比較して面白かったところです。

横須賀市は、年度ごとに「1件の企業誘致」を目標にしていると山川さんが明かします。ただし数を追うというよりも、「企業立地等促進制度」を活用して実際に立地してもらうことを成果としている、という説明でした。制度を利用する事業者には固定資産税・都市計画税・事業所税を5年間免除する優遇措置があり、投資額が大きい場合は100万円単位での減免になることもあるといいます。

浜松市は年間の立地件数で語ります。記事では令和6年度の立地件数が22件と紹介され、西妻さんは補助水準を「静岡県と浜松市合わせて土地代の25%補助(上限4億円)、新規雇用1人あたり100万円、建物・機械への10%補助」と具体的に示していました。

相模原市は、期間で語ります。2005年に創設した企業支援制度「STEP50」について、奈良副市長は20年にわたり180件超の企業が活用し投資総額は2000億円を超えたと説明します。土地・建物への支援率は最大40%で、新規立地だけでなく市内企業の増設にも適用されるのが特徴です。制度が生まれた背景は明確でした。

工業地域でありながら住宅開発が進み、企業が操業しづらくなっていたんです。

工場跡地が住宅やマンションになると、後から来た住民の要望で企業が移転を迫られる。その流れを止めるため「工業地域を工業で守る」という方針を打ち出した、という経緯です。

五島市は、雇用の人数で数えます。「五島市雇用機会拡充支援事業」——有人国境離島法に基づく事業で、創業は最大450万円、事業拡大は最大1,200万円を上限に対象事業費の4分の3を補助する制度です。松林さんは平成29年度から令和5年度までの7年間で活用事業が261件、創出された雇用は638名と数字を挙げていました。

沼田市は、税収の増分を目標に置いています。星野市長は産業団地を県と連携して造成・分譲し、8〜10年で税収を10億円増やすことを目標にしていると語ります。用地取得・施設稼働後3年間の固定資産税を全額免除し、新規進出企業には最大5,000万円の補助金を用意している、という制度設計です。

件数、金額、期間、人数、税収。同じ業務でも、その市が何に困っているかによって数え方が変わる。裏を返せば、数え方を見ればその市の課題が読めるということでもあります。

「伴走」という同じ言葉が、離れた市から出てきた

9本を横に並べて気づいたのは、別々の県の担当者が同じ単語を使っていたことです。「伴走」です。

佐倉市の小田賢治室長は、令和6年度から企業立地に向けた伴走型支援を開始し、相談から候補地探索、関係機関との連携まで切れ目なく支援できる体制を整えたと説明します。意思決定前段階でも相談できるかという問いに、主任主事の岩井涼也さんは「はい。伴走型支援として、初期の情報交換段階から支援します」と答えていました。

沼田市の星野市長も「伴走支援」という言葉を使い、経済部を中心に住居・子育て・教育・医療といった生活面まで一貫してサポートすると語ります。

人が根づけば企業も根づく。そこを重視しています。

相模原市では、企業の側からその言葉が出ました。県の補助金制度も併用できるよう、奈良さんが翌日には一緒に県庁へ行き「この企業はこういう技術を持っている。支援してもらえないか」と代弁してくれた——あれは行政というより“伴走者”でした、と社長が振り返っています。奈良さん自身は、制度を作るだけでは意味がないと言い切ります。

ある経営者から「土地の値段ではなく、職員の姿勢で決めた」と言われた時、行政の本質を教えられました。

浜松市はそれを窓口の形にしています。西妻さんによれば「企業立地コンシェルジュ窓口」を設置し、土地探しから許認可の手続き、補助金申請までをワンストップで支援している。さらに浜松商工会議所や浜松地域イノベーション推進機構といった支援機関と連携し、地元の大手メーカーOBがアドバイザーとして技術面の相談に関わっているといいます。

言葉が同じでも、中身は少しずつ違います。佐倉市は意思決定前の情報交換から、沼田市は生活インフラまで、相模原市は県との掛け合わせまで、浜松市は技術相談まで。共通しているのは、申請書が出てくる前の段階に人手を割いているという点でした。

土地を探す仕事は、いまもアナログだった

制度の話のあとに出てくる実務の話が、9本のなかでいちばん生々しかったところです。

相模原市の課題は土地でした。企業からの問い合わせは多いのに、まとまった土地が少ない。だから奈良副市長が職員に伝えていることは、きわめて具体的です。

だから職員には「現場を歩け」と伝えています。空き地を見つけたら登記簿を取り、所有者に手紙を送る。

非常にアナログですが、地道に人の信頼を積み重ねるしかありません——と続きます。マンション開発が進むなかで「ここは工業地域として残してください」と粘り強く伝えている、という話も語られていました。

佐倉市は、探索の手間を制度の側で削りに来ています。「佐倉市企業立地マッチング事業」では市が窓口となり、全日本不動産協会 千葉県本部および千葉県宅地建物取引業協会 印旛支部と連携して、企業の立地希望条件に合う土地情報を収集・紹介する。岩井さんが挙げた特徴のうち、細部に効いているのは次のあたりです。両協会に属する会員へ一度に土地情報の照会ができ、メールで申請でき、申請における代表者押印は不要、代理申請も可能、そして企業名非開示。土地を探していることが外に漏れると困る、という企業側の事情に手続きの形で応えています。

浜松市は、土地そのものを用意する側に回っています。市有地として新たな産業用地「阿蔵山産業用地」を整備しており、災害リスクの低い高台に位置するためBCP対策の観点でも有利だという説明でした。

若い人の受け皿は、学校との接続でつくられていた

9本のうち5本で、若い世代の進路が課題として挙がりました。ただし語られていたのは危機感ではなく、学校との具体的な接続の仕方でした。

五島市の数字がもっとも具体的です。松林さんは、市内には高校までしかなく、令和6年度の高校卒業生は約250名、そのうち就職者は約50名で、残りの約200名は進学で島外に出ていくと説明します。さらに約50名の就職者のうち島内就職は34名。この人数で多様な業種を支えるには限界があるため、一度島外に出た若者のUターンや、五島市出身ではない方の移住・就職も視野に入れた人材戦略が重要だという整理です。

打ち手は地味で、手触りがあります。高校生向けの「合同企業説明会」で市内企業が約15分ずつ事業内容や求める人材像を説明する。「企業訪問バスツアー」で高校生が実際に企業の現場を訪問し、市内にどのような企業がありどのような働き方ができるのかを体感してもらう。あわせて35歳未満向けの奨学金返還助成(年間36万円を上限に10年間)や、40歳未満の夫婦を対象とした引っ越し費用の助成(15万円まで)といった制度が並びます。移住者は平成30年からの7年間、連続して年間200人以上を受け入れ、行政が関与した事例のみのカウントで累計1,600人を超えたといいます。

三条市は、大学をつくるところから接続しています。上田副市長によれば3年前(記事は2023年)に設立した三条市立大学は県外からの入学者が5割以上で、3年生は16週間のインターンシップを自分の興味のある企業で行える。興味深いのは、その効果が企業側にも出ていたことでした。学生と長期間にわたって直接関わることで、いまの若者が職場に何を求めているかを企業が感じ取り、執務環境やSDGsの文脈を含めた改善が進んでいると聞いている、という話です。受け皿づくりが、既存企業の側の変化も引き起こしていました。

浜松市も同じ方向です。大学進学を機に東京へ出る若者が多いという課題に対し、市内の高校生・中学生に地域企業を知ってもらう教育連携を進め、企業訪問や職業体験を通じて「浜松で働く」意識を育む取り組みを行っているといいます。UIJターン促進部署や奨学金支援も整備されていました。岩国市も周辺の教育機関と連携して企業とつなぐ体制を整え、広島県西部の教育機関にもアプローチし、会社説明会を通じて採用につながった事例があると語られています。

一度出てから地元に戻る、あるいは二つの土地を行き来する働き方については、つなぎのつもりの仕事が、本業の材料になっていた|Uターン・二拠点で働く12人まとめで当事者の話を集めています。

外に発信する前に、市民に知ってもらう

9本のなかで1本だけ、企業誘致ではない話が入っています。山梨県都留市の「つるのルーツ」プロジェクトの記事です。そしてここに、他の8本の裏返しのような発見がありました。

きっかけは2022年の観光戦略・観光振興計画の改訂に伴う市民アンケートでした。そこで浮かび上がったのは、特に若い世代が都留が城下町だったことを知らない、という結果です。江戸時代、山梨県内で城があったのは甲府と都留だけ。当初の依頼は「今は残っていない城をARで再現してほしい」というシンプルなものでした。

ところが、受注側のC-Table株式会社の本田久仁子さんが、その依頼の前提に疑問を持ちます。市民ですら自分の街を城下町だと認識していないのに、市外の人を呼び込むためにARを作っても仕方ないのではないか——という懸念でした。予算を全部ARの構築に突っ込んだら数十ダウンロードで終わってしまうのではないか、という指摘もあります。

そこで提案されたのが、市民が楽しみながら城下町について学べる仕組みでした。ARは実装しつつコストを抑え、市民にインセンティブを与える設計にする。できあがったのは、AR、月に定期配信されるクイズと記事、市内40スポットを巡るチェックイン機能、そして貯めると市内加盟店で使える電子クーポンになる「城下町ポイント」の4本立てです。都留市観光協会の石丸なつみさんの言葉では、こうなります。

楽しく学びながら、生涯学習のコンテンツとしても楽しめて、ポイ活にもなる。

設計思想は、本田さんの一言に集約されていました。

何のメリットもないのに、自分から城下町のことを学びには行かない。

だから目指したのは「仕掛け通りにやっていたら、なんとなく城下町のことを知って、なんとなく好きになっている」状態だった、と。ポイントを貯める活動を競い合うユーザーからは、2週間に一度発表されるランキングについて「これを見るとムキになってポイントを取りに行っちゃうから、ちょっと出さないでくれ」という声まで届いたそうです。

企業誘致の8本が外向きの仕事だとすれば、これは内向きの仕事です。ただ、根っこは同じでした。その土地に何があるかを、まず内側の人が言えるようにする。横須賀市の職員が市内300社を訪問して現場の声を把握しているのも、岩国市の担当者が市内の魅力や制度を整理して企業へ伝える取り組みを進めているのも、順番は同じです。

読み終えて見えた、地域の仕事のつくり方

9本を読み終えて残ったのは、地域に仕事をつくる作業の大半が、制度が動き出す前の段階にあるということでした。

制度の中身は公開情報です。補助率も免除年数も、調べれば比較できます。にもかかわらず9人が時間を使って語っていたのは、その前の部分でした。どの業種を呼ぶかを土地の条件から決める作業。まとまった土地がないなかで空き地を歩いて所有者に手紙を書く作業。企業名を出さずに土地を探せるよう手続きを組み替える作業。高校生をバスに乗せて市内の工場へ連れていく作業。市民が自分の街の歴史を知らないという調査結果から、事業の中身をつくり替える作業。

そして、その作業をしているのが信用金庫や商社や大工の家業や中央省庁から来た人たちだった、というのが今回いちばんはっきりした発見です。前職で身につけた「訪問して聞く」「代弁する」「現場から考える」という動き方が、そのまま自治体の窓口の質になっていました。相模原市の経営者が語った「土地の値段ではなく、職員の姿勢で決めた」という一言は、9本全体の要約として読めます。

地域の補助金・支援制度そのものを探している方は、都道府県別の補助金まとめもあわせてご覧ください。

今回読んだ9本

自治体の側で地域の仕事づくりに関わる方の記事です。気になるまちから読んでみてください。

  1. 成田空港圏×工業団地×職住近接──人口減少時代に挑む佐倉市の企業誘致戦略|千葉県佐倉市 企画政策課 企業誘致・公民連携推進室(千葉県佐倉市/企業誘致・公民連携推進室)
  2. 岩国市編:「地方でも戦える」を証明するまちーーIT・ゲーム・水中ロボット産業が集まる岩国市(山口県岩国市/商工振興課 企業立地推進室)
  3. 五島市編:移住・転職が増える背景──年間200人が選ぶ「働きやすい離島」(長崎県五島市/商工雇用政策課)
  4. 企業誘致企画 沼田市編:環境と産業が共に息づくまちへ──星野市長が語る、沼田市の企業誘致戦略と「森林文化都市」の未来(群馬県沼田市/市長)
  5. 横須賀市編:横須賀が描く「経済と福祉の好循環」──企業誘致の現場から見える、新しい自治体のかたち(神奈川県横須賀市/経済部 企業誘致・工業振興課)
  6. 浜松市編:「やらまいか精神」が息づく、持続可能なものづくり都市の最前線(静岡県浜松市/産業部企業立地推進課 誘致グループ)
  7. 相模原市編:守り、育てる「ものづくりのまち」─STEP50が紡ぐ産業と信頼のかたち(神奈川県相模原市/副市長ほか)
  8. 「ARだけ作っても仕方ない」市民が城下町を知らなかった山梨県都留市の、ポイ活を組み込んだ仕掛け(山梨県都留市/都留市観光協会・C-Table株式会社)
  9. キャリア官僚出身の若き副市長が目指す、地方自治体DXとは?(新潟県三条市/副市長)

※本記事は、Shikisaiに掲載されたラジオ記事・インタビュー記事をShikisai編集部が読み直し、テーマ別に整理したものです。発言の引用は各記事の表記に基づいています。記事中の制度・補助率・上限額・件数・人数は各記事の収録時点のものです。支援制度は年度ごとに要件や予算枠が変わり、工業用地の空き状況も随時変動するため、実際のご検討にあたっては各自治体の担当窓口に直接ご確認ください。

この記事を書いた人

Shikisai編集部

Shikisai編集部

「ありのままの想いが地域と未来を紡ぐ」をコンセプトに、地域で働く経営者の想いと取り組みを取材・発信しているWebメディアです。補助金・認証制度などの記事は、行政機関の公表情報(一次情報)を編集部が確認のうえ執筆しています。

ご紹介

Profile