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「LINEは広告配信ツールではない」公式LINEで成果を出す企業がやっていること/株式会社BALSA・中川 聖悟

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「LINEで売上が上がる」と聞いて、具体的なイメージが湧く人はどれほどいるだろうか。

多くの事業者にとって、LINE公式アカウントは「クーポンを配り、お知らせを一斉配信するツール」だ。しかしその使い方は、受け取る側にとっては「自分に関係のない通知が溜まっていく」体験でもあり、ブロックという形で静かに拒絶されていく。

株式会社BALSA代表取締役の中川聖悟さんは、LINEを「広告配信ツール」ではなく「1対1のコミュニケーションツール」と捉え直すことから設計を始める。移動販売のたこ焼き屋から、クリニック、40店舗のパーソナルジムまで。広告費をかけずに売上を伸ばした事例の裏には、一貫した考え方があった。

なぜ「構築して終わり」ではいけないのか。そして、ブロックされないLINEはどうつくられるのか。中川さんの言葉から、LINE運用の本質を紐解いていく。

サンフランシスコの飛び込み営業から、LINE事業へ

——まず、簡単に自己紹介をお願いできますか。

中川: 株式会社BALSA代表取締役の中川聖悟と申します。普段はLINE公式アカウントを活用したマーケティング支援や集客支援を、企業さんや店舗さんに向けて展開しています。

——「LINEを使ったマーケティング」はよく聞く言葉だと思いますが、具体的にはどんな課題に応えているんですか。

中川: 大きく分けて4つの課題があります。
・集客
・成約率(体験やセミナーに申し込んでからの成約率を上げたい)
・業務効率化(顧客管理やスタッフさんの工数を下げたい)
・採用
これらの課題に対して、何をどう活用すればいいかを弊社の支援としてやらせていただいています。

——LINEのビジネスを始めたきっかけは何かありますか。

中川: もともとは全然LINEともマーケティングとも関係ないことをやっていました。たどると野球です。高校まで野球を続けて、引退した後、大学に行くか社会人になるかというところで「もう野球はできない」となったとき、父親の「アメリカに行ってみるか」という一言でアメリカに留学することになりました。語学学校からカレッジと呼ばれる短大に行き、四年制大学に編入して、4年半から5年半ほどアメリカに住んでいました。

卒業のタイミングでビザがもらえたので、広告代理店に入って、サンフランシスコの飲食店や企業に飛び込みで「フリーペーパーに広告を出しませんか」と英語で営業する仕事を1年弱やりました。その後ビザが切れてアメリカにいられなくなったので、世界一周に行ったり、SNS発信を始めてみたり、自分でできることに取り組んでいきました。

——そこからどうやってLINEに?

中川: SNS発信のきっかけで出会った方と一緒にパーソナルジムを始めて、2019年頃は名古屋でジムの運営に携わっていました。その中で「もっと何かしないといけない」という思いが出てきて、集客支援やマーケティングをやってみようと。SNSや広告運用、オウンドメディアの運営などいろいろやっていく中で、たまたまLINEとLステップに出会ったんです。ジムには共同運営者がいたのでそちらは任せて、自分はこっちでいけそうだなと。周りの商店街の人たちに「どうですか」と提案してみたら意外と需要があって、LINEの事業にガッツリのめり込んだという流れです。

最初の顧客は、たこ焼き屋だった

——そのパーソナルジムでも、LINEをうまく使っていたんですか。

中川: その時はLINEで集客するというより、顧客管理に使っていました。食事管理を一人ひとり手動でやるのは大変だったので、「カロリー計算はこうしてください」「女性ならこういうものを、男性でダイエットしたい方は鶏のささみやプロテインをこれだけ」「逆にこういうものは食べちゃダメです」といった内容を、入会から1週間後、1か月後と段階的に配信する。ある程度自動化した仕組みを作って、顧客管理に活用していました。その実績とノウハウを持った上で、周りに提案していった形ですね。

——実際に導入した方には、どんな変化がありましたか。

中川: 一番最初のお客様がたこ焼き屋さんでした。すごく人気のお店で、移動販売をされている。だから「行列ができてしまう」ことと「販売場所がわからない」という2つの課題を抱えていました。そこで、LINEに登録してくださったお友だちに「来週はどこに出店します」と告知して、さらにLINE上で事前予約できるシステムを作りました。事前に予約しておけば、行列に並ばずに受け取れる。
これで待ち時間は3分の1ほどになり、場所がわかるので確実に来てもらえるようになって、売上は120%ほどにになりました。

——それは効果がありますね。

中川: しかも広告費はゼロです。LINEとInstagramだけを活用して、もともと移動販売だったお店が、今は2店舗を出店されています。どちらの店舗に来た方かもLINE上で特定できているので、記念イベントをやるときには店舗ごとに案内を出し分ける、といった運用もしています。一度店舗を見かけた方、立ち寄ってくださった方をLINEに貯めて運用していった結果、広告費ゼロのままLINEで集客し続けることに成功している事例です。

オープン前に「お客様がいる状態」をつくる

——なかなか想像できないような、「こんなやり方があるんだ」という事例はありますか。

中川: 一番手応えがあるのは、新商品や新店舗のオープンのタイミングからLINEを導入するケースで、最近こうした依頼が増えています。通常は、店舗がオープンするタイミングでLINEアカウントを作ったり広告を回し始めたりするパターンが多い。事前に広告を回す場合でも、告知はできるけれど見込みのお客様を集めて貯めていけない、という課題を抱えている事業者さんが多いんです。

そこで、オープンの1〜2か月前からLINE公式アカウントを立ち上げて、広告も打ち始めて、広告からの誘導先をすべてLINEにします。LPやHPを見てもらった先もLINEにして、友だち追加してもらう。そして登録してくださった方たちに、商品ができる裏側や店舗ができるまでの過程を全部見せていく。興味を持って待ってくださっている方たちに、先行案内・先行キャンペーン・先行予約という形で予約につなげていく。このケースがかなりはまっています。

——具体的な数字としては、どのくらいの反応があるんですか。

中川: 一番うまくいった例だと、あるフィットネスジムさんで、LINE登録に対しての予約・体験申込み率が49%ほど。登録者は60人ほどで、そのうち30名弱が体験予約してくださいました。オープン前にすでにお客様がいる状態で開店を迎えられるわけです。

——その事例でいくと、店舗型の飲食などでも使えるんでしょうか。

中川: 飲食店さん、パーソナルジムさん、クリニックさんでも有効です。もともとSNSのフォロワーを持っていたクリニックさんでは、事前にLINEで集客していたことによって、初月で150名ほどの集患に成功した例もあります。あとは通販の商材などでも、このやり方はすごく活きてくると思います。

なぜLINEはブロックされるのか

——一方で、これを聞いている方の多くはビジネス側の人間であると同時に、LINEの一般ユーザーでもあります。公式LINEを追加するのがちょっと嫌だな、変な通知が来て未読が溜まるな、という感覚もある。ユーザー体験とビジネスの思惑の衝突は、どう調整しているんですか。

中川: 「ブロックが増える」というご相談は実際に多いです。LINEでブロックされてしまうケースは、まず「自分に関係ない配信がたくさん流れてくる」、それから「配信が流れてこなくなってブロックされる」。この2つが多くて、もうひとつ「登録した直後にブロックされる」ケースもかなりあります。

——登録した直後に、ですか。

中川: これはなぜかというと、登録してからできることを明確にしていないからです。登録するとクーポンだけ受け取れます、ドリンク無料です、というケースはよくありますが、そういう場合は何かを受け取ってそのままブロックされてしまう。
なのでまず、登録させる理由(インセンティブ)はもちろん作るんですが、その後にどういった配信が流れてくるのか、どんなコンテンツを準備しているのかを事前に告知しておく。これでブロックは下げられます。

もうひとつはLステップの話になりますが、直近の配信を読んでくれた人、直近の動画を見てくれた人、セミナーや説明会なら何時間以上滞在したか、といったデータが取れるんです。興味がある人たちにだけ配信を送り続けて、興味のない人たちには配信しない。余分な話が流れてきてブロックされるケースを避けて、必要な情報を必要な人にだけ届ける。これをやっていけば、ユーザー体験との衝突は避けられるんじゃないかと思います。

LINE運用の本質は「1対1のコミュニケーション」

——中川さんはそうしたノウハウを、どうやって開発というか、仕入れてくるんですか。

中川: 場数ですね。

——「配信しすぎるとブロックされる」というような、やってみた結果から学ぶこともあると思うんですが、おそらくもう「こういうものだ」という本質をつかんでいるところまで来ているんじゃないかと思います。そう考えたとき、LINE運用の本質って何だと思いますか。

中川: 結局、LINEは広告配信ツールだと思われがちなんですが、元をたどればやっぱり1対1のコミュニケーションツールだと思うんです。私たちも普段、日常的にLINEで誰かと会話しています。LINE公式やLINEのビジネス活用も、同じく1対1のコミュニケーションツールであって、一方的に配信が来るのではなく、反応をもらったり、お客様との関係を築くツールであってほしいです。

だから、「こういう動きをする方ならこういう配信が喜ばれるだろう」「この機能を使うならこういうコンテンツの切り方が一番ストレスなく予約につながるだろう」と考える。それによって、結果的にお客様の購買までのストレスを減らせて、結果として数字が上がっていく。そこが一番大切にしているところです。

「構築して終わり」にしない——初期費用0円・月額制の理由

——実際にクライアントに導入する際は、どんなサービスを展開しているんですか。

中川: まずは「設計」と呼ばれる部分です。LINEにどうやって登録してもらい、登録してから何を流して、どう予約につなげていくかという、一連の導線の設計。
そこから「構築」と呼ばれる、クリエイティブの制作やLステップなどの設定作業といった中身の部分。そして実際にリリースした後です。予約につながるように作ってはいますが、思うようにつながらないこともあります。友だちが貯まってきても、100人登録して100人が予約するわけではないので、離脱した人たちにどういう追加施策を打つか、購入した人たちにどういう案内をするか。数値をもとに施策をご提案して、運用していくところまで、まるっとやっています。

——業種業態によってやるべき施策は変わってくると思いますが。

中川: 毎回一緒に数字を見ながら作っていきます。クリニックさん、パーソナルジムさん、歯科医院さん、通販の会社さん、最近はBtoBのお客様も増えていますが、それぞれにオーダーメイドで設計を作り、クリエイティブを作って運用していきます。

——正直、「LINE構築します、100万円かかります」という会社も多いと思うんですが、そういうところとの違いは何ですか。

中川: 一番大きいのは料金体系です。よくあるLINE構築は、構築料金として数十万〜数百万円の費用が初期費用として一括でかかり、アカウントを作っていく。でも過去の失敗例として、そのアカウントがちゃんとワークしなかった、結局作り直しになった、思っていたのと違った、というケースが多いんです。構築したものよりも、それをどう運用していくかの方が大事です。弊社は初期費用ではなく月額でランニング費用をいただく代わりに、ずっと伴走支援していく。そこが一番大きな違いです。

——その運用支援は、どのくらいの金額感でやっていただけるんですか。

中川: 今は初期費用が0円で、月額30万円(税抜)をいただいています。
※2026年6月時点

——月額30万円で、だいたいどのくらいの成果が出るものなんでしょうか。

中川: 一番成果が出たところでは、毎月200件ほど集患できていたクリニックさんが、今は月間3,000件ほど集患できるようになっています。一度来た方に対して最新の施術案内などでリピートにつなげる施策と、新規向けの広告など他の施策も一緒に回しながらなので、いろんな施策を掛け合わせての結果ですが。
あとは友だち追加がほぼゼロだったパーソナルジムさん——合計40店舗ほどの規模ですが、今は毎月600件ほどの友だち追加があり、そこから100件近くが無料体験につながっている事例もあります。ゼロのところから伸ばしていく形ですね。

——「こういう業種、こういう状態の人はとにかく成果が出ますよ」というのはありますか。

中川: すでに広告費をかけていて、CPA(獲得単価)が上がってきている方。あとはSEOやSNSなど、知ってもらう・認知してもらう媒体を持っているのに、実際の売上につながっていない、取りこぼしが起きていそうだなという方。そういう方が「受け皿」としてLINEを導入するケースはすごく相性がいいので、まずLINEを導入するのが合うんじゃないかなと思っています。

ノウハウを、世の中に開いていく

——改めて、今後の事業展開や目標、ビジョンをお聞かせいただけますか。

中川: LINEのユーザーは今、日本で9,800万人くらいと言われています。本当に日本の誰もが使っているツールだからこそ、もっとビジネスに、日常に溶け込んでいくツールであるはずだと思う一方で、LINEの運用やビジネスでの使い方のノウハウが、そこまで世の中に出回っていないと感じています。

だから、企業さんや個店の事業者さんが自分たちでLINEを運用して、しっかり成果が出ていくようなノウハウを世の中に広げていきたい。今日のこの機会もそうですし、自分でYouTubeで発信したりもそうです。弊社に運用のご依頼をいただかなくても、自分たちでLINEの運用ができるようになって、「LINEってビジネスで使えるよね」という認識がもっと広がっていけばいいなと、すごく大きく思っています。

——それで、この本なんですね。どういう本なんですか。

中川: 『会社を強くする LINE運用の教科書』という書籍で、2026年5月30日に出版した、私の最初の本になります。これを読めば、LINE運用に必要なノウハウが最低限わかるようになる。なぜLINEが重要なのか、10社ほどの事例、そしてその事例を自分たちで実現するためにどう設計して、どう運用していけばいいのか。すでに自分たちで運用しているけれど悩んでいる、頭打ちになっているという方に向けて、どういう施策をやっていけばいいかも載せています。自分たちで運用できるようになるための内容が、ほぼすべて書いてあります。

詳細はこちらから

——これが1,980円。Amazonでも買えるんですよね。LINEを考えている人は、一度手に取ってもらいたい本ですね。

中川: そうですね。「LINEをやろうかな、導入すべきなのかな」と思ったら、まずこれを手に取って、その必要性や自分たちに合うのかを見極めるのにも、この本はすごくいいのかなと思っています。

——それで「自分たちでは難しそうだ」と思ったら、株式会社BALSAさんに相談、という流れですね。BALSAの公式LINEもあるんですか?

中川: 持っています。一度登録してもらって、「こういうことか」と体験していただくのもいいと思います。

——そこも考えて作られているわけですもんね。まずは登録して勉強する、というのもありですね。
では、最後に、ここまで聞いてくださっている方に向けてメッセージをお願いします。

中川: 最後までお聞きいただき、ありがとうございました。LINEを自社のビジネスに取り入れたいけれど、何から始めていいかわからないという方も多いと思います。そういった方に向けて、日々LINEの運用についての発信をしています。この書籍もそうですし、YouTubeやセミナーもやっていますので、まずはそちらを見ていただいて、それでもできないとなったら、ぜひご相談いただければと思っています。

編集後記

LINEの活用は、「何を配信するか」「どんな仕組みを作るか」という技術の話として語られることが多い。構築の精巧さ、シナリオの巧みさ。その出来栄えが、成果を左右すると考えられてきた。しかしBALSAの取り組みは、その前提に対して異なる問いを投げかけている。
問題は「何を送るか」ではなく、「受け取る側がどんな体験をしているか」ではないか。

一斉配信で情報を届けられる環境は、事業者にとって効率的に見える。だがその一方で、受け取る側には「自分に関係のない通知」が積み上がっていく。ブロックという行動は、その体験に対する、もっとも正直なフィードバックだ。

BALSAの設計は、一貫してこの非対称を埋める方向を向いている。登録の前に「何が届くのか」を伝える。興味のデータを取り、必要な情報を必要な人にだけ届ける。オープン前から過程を見せて、関係を先につくる。どれも、LINEを「広告配信ツール」ではなく「1対1のコミュニケーションツール」として扱うという原点から導かれたものだ。
料金体系にも、同じ思想が表れている。数十万〜数百万円の構築費を一括で受け取る形ではなく、初期費用ゼロの月額制で伴走する。構築は一度きりだが、顧客との関係は続いていく。「作って終わり」にしない料金設計は、運用こそが価値の中心だという認識の裏返しでもある。
待ち時間が3分の1になったたこ焼き屋も、月間3,000件の集患に至ったクリニックも、起きていることは同じだ。一方的な発信を、関係の積み重ねに変えること。

印象的なのは、中川さんがそのノウハウを隠していないことだ。書籍を出し、YouTubeで発信し、「弊社に依頼をいただかなくても、自分たちで運用できるようになってほしい」とまで言う。手の内を明かせば仕事が減りそうなものだが、おそらくそうはならないと知っているのだろう。成果を生んでいるのは構築の知識ではなく、数字を見ながら関係を育て続ける日々の運用の方だからだ。ノウハウは配ることができる。だが、顧客との関係の積み重ねだけは、続けた者の手元にしか残らない。

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ご紹介

Profile

中川 聖悟

株式会社BALSA
代表取締役

中川 聖悟

なかがわ しょうご

X(旧:Twitter) Youtube

1995年、愛知県名古屋市生まれ。
2013年〜2017年アメリカ・オレゴン州に留学。
学生時代には世界一周や米国広告代理店での営業インターンを経験。
帰国後にパーソナルジムを開業し、LINE公式アカウント/Lステップを導入。売上と顧客体験を両立する仕組みを構築し、これが現在の事業の原点に。
2022年、LINEマーケティング事業を手掛ける株式会社BALSAを設立。
実店舗・EC・教育・BtoBなど幅広い業種で累計250件以上を支援し、現在も80社超のクライアントに伴走中

公式サイトはこちら オウンドメディアはこちら 公式noteはこちら
石塚 直樹

株式会社ウェブリカ
代表取締役

石塚 直樹

いしづか なおき

新卒でメガバンクに入社し、国土交通省、投資銀行を経て独立。
腕時計ブランド日本法人の立ち上げを行い、その後当社を創業。
地域経済に当事者意識を持って関わりながら、様々な企業の利益改善や資金調達を、デジタルや金融の知見を持ってサポートしています。

編集長インタビュー・「Shikisai」立ち上げの背景とは? ウェブリカ公式サイトはこちら

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