全国トップの梅の産地和歌山で「和歌山放送」が取り組むあらたなプロジェクトとは?


株式会社和歌山放送 代表取締役社長 中村 榮三 NAKAMURA EIZO

昭和34年から長年、地元和歌山にてラジオ放送事業を行う和歌山放送。そんな和歌山放送が、2023年、地域活性化プロジェクト「わかやま、ええわいしょプロジェクト」の一環として和歌山産梅酒の販売会を開催しました。今回は、開催に至った経緯や今後の展望などを中村社長にお聞きしました。

ー和歌山放送はラジオ放送局として60年以上の歴史がある中、今回どういった経緯で「梅酒」に注目したのでしょうか?

中村社長 もともと地方自体の経済が厳しく、さらにラジオ業界も厳しくなっていたため二重苦、三重苦の状態でした。私はラジオ局の放送マンとして長年生きてきましたが、果たしてそれでいいのだろうか、どうやったら我々が生き延びていけるのだろうかと考えていたんです。ラジオ一本だけでは食べていけないということで、ラジオ放送会社から、ラジオ「も」放送している会社にならなくてはならないのではないかと考えました。そこで、ラジオの他に何をしようかと考えた際、やはり我々のモットーは地域とともに、地域のためにというのがありますので、和歌山の特産品である梅に注目し、梅で何かできないかと考えたのがきっかけになりました。そこからターゲットを絞り梅酒をもっと大都市圏に広めていこうということになったんです。

ー東京や大阪でポップアップショップを開催したとのことですが、お客さんからの反響はいかがでしたか?

中村社長 思っていたよりも反応が良かったです!和歌山の梅酒メーカーさん23社にプロジェクトに参加してもらったのですが、梅酒ばかりそろってるところは珍しいということで多くの方に興味を持っていただけました。大都市圏になかなか普段は出回らない梅酒が多かったというのも良かったのかもしれないですね。試飲してもらう際に「梅酒チャート」を用意して、味わいを比較できるようにしたり、好みを選べるようにしたりしました。和歌山県産梅酒は小ロットで生産している農家さんも多く、味わいはさまざま。それぞれ個性がありますので、必ず誰かにヒットするんですよ。2〜3種類試飲して、ほとんどの方に購入していただけました。瓶で販売していたため、「重くて持ち帰れないので家に帰ってオンラインで購入する」と言ってくださった方もいました。

ー梅酒が好きな方にとっては貴重な機会ですよね。今後も開催する予定はありますでしょうか?

中村社長 今回やってみて大変好評を頂きまして、メーカーさんからももっと開催してほしいとの声がありましたので、第二弾の開催も検討中です。梅酒を選択しターゲットを絞ったのは正解でした。梅酒にはまだまだ開拓の余地があると思っています。

また、次はもっと幅を広げて広い地域でやれないかと考えています。東京や大阪だけでなく、札幌、仙台、名古屋、広島などの主要都市にもポップアップショップを展開していきたいです。私たちはラジオ放送局ですので、自分たちの放送はもちろん、他の放送局にも協力してもらいこのプロジェクトを広めていけたらいいですね。

ー確かに、複数の梅酒の味を比較できるので、全国の”梅酒好き”にとってはとてもいい機会ですよね海外にも広めていく予定はありますでしょうか?

中村社長 まずは国内でステップバイステップで着実に進めていき、今後ニーズがあれば世界に広めていきたいですね。

ー今後がとても楽しみです。では、最後に今後の展望があればお聞かせください。

中村社長 私たちは和歌山をラジオでもそうですが、地域の方々が作った梅を販売でも支えたいです。地域にとってなくてはならない存在になれるかどうかが鍵であり、そこを目指していきたいと考えています。今回の梅酒メーカーとのタイアップはその第一歩としていい取り組みになったと思っています。

ー地域の放送局として信念を感じることができました。本日は有難うございました。今後更なるご発展を祈念しております。

編集後記

梅酒自体が最近は若者にも人気なため、今後のどんどん広がっていく可能性を感じました。そんな和歌山県産梅酒はオンラインでも購入することができます。「梅酒チャート」を基に、お好みの甘さや酸味、とろみを選ぶことができますので、ぜひ自分に合う梅酒を探してみてください。

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株式会社和歌山放送 代表取締役社長

中村 榮三 NAKAMURA EIZO