shikisai radio
radio
73

山田盛史(ウィルリンクス)とは?売上3倍の事例に学ぶ、補助金と経営改善の実際

読込中...
読込中...

経営に悩む中小企業にとって、頼れる外部パートナーの存在は欠かせません。今回は「伴走型支援」で注目を集める中小企業診断士・山田盛史さんをお迎えし、現場での支援の実態とその想いを伺いました。

山田さんは広島の商店街出身。実家の瀬戸物店で商売の本質に触れ、IT企業での経験を経て、中小企業診断士事務所として独立。現在は、経営者の視点に立ちながら、経済産業省の補助金を活用した補助金サポートや経営改善支援に取り組んでいます。

特に印象的なのは、補助金6000万円を活用し、売上を3倍に伸ばした企業の支援事例。事業再構築補助金を活かし、新規事業に挑戦する企業を一からサポートした姿には、「信頼に基づく支援」の本質がにじみます。

支援とは、計画をつくることだけではなく、悩みに寄り添い、一緒に考えること。孤独になりがちな経営者にとって、本音を話せる診断士の存在がいかに心強いか――。

補助金支援に関心がある方、経営の壁を感じている方にとって必聴の内容です。

株式会社ウィルリンクスのHPはこちら

山田盛史さんと株式会社ウィルリンクス

株式会社ウィルリンクスは、国の認定を受けている中小企業支援のコンサルティング会社です。代表取締役の山田盛史さんは中小企業診断士。中小企業の経営者に対して、さまざまな経営支援を行っています。

近年とくに力を入れているのが2つの領域です。

1つは補助金の支援。経済産業省などの補助金の紹介・提案から、申請のサポートまでを担います。もう1つが経営改善支援、いわゆる事業再生支援です。業績が伸び悩んでいる企業に対して、より利益を出すための事業計画づくりを支援します。

補助金については、そもそも「どんな補助金があるのか分からない」という状態の事業者が多いといいます。そのため、補助金の選定――「こういうものがありますよ」と伝えるところ――から話が始まることがほとんどです。

売上が3倍になった事例と、その本当の理由

印象的だった事例として山田さんが挙げたのは、コロナ禍の環境変化を受けて事業を再構築した企業の話でした。

この種の補助金は新規事業に取り組むものが多く、山田さんによれば収益化できなかったり、事業がうまく進捗しなかったりする決算も少なくないのが実情です。そのなかでこの企業は、補助金申請後の決算の売上が、申請前のおよそ3倍にまで伸びました。

規模も相応です。支給を受けた補助金は6,000万円。ただし申請した事業に必要な資金は1億円近くありました。数億円規模の決算の会社にとって、かなり思い切った投資です。「補助金があったからこそ、思い切った取り組みができた」と山田さんは振り返ります。

では、なぜこの企業はうまくいったのか。山田さんが挙げたのは補助金そのものではありませんでした。

相談の段階で、経営者自身が市場調査や競合調査をかなりやり込んでいたのです。アメリカの会社の事例まで調べ、資料にまとめていた。「そこまでやっている事業者さんは非常に少ない」と山田さんは言います。

そのうえで、こう続けました。「我々外部の支援者はサポートする立場。実際に行動するのは事業者さんの側です」。自社の状況を冷静に分析し、実行しきる力があったから結果が出た――という見立てです。

実家は商店街の瀬戸物屋だった

山田さんが中小企業診断士を志したきっかけは、幼少期にさかのぼります。

広島県出身。実家は商店街の一角にある瀬戸物屋でした。茶碗や皿を売る小売業です。いま振り返れば、事業をやること、経営というものが身近にあったのだといいます。

その後、高校・大学を経て就職したのは東京のIT会社。IT業界は資格の取得を推奨する文化が強く、資格の種類も多い業界です。山田さん自身もさまざまな資格を調べ、取得していくなかで、中小企業診断士という資格の存在を知ります。

経営コンサルティングの国家資格。「すごく面白そうだ」とピンときたそうです。おそらく幼少期に経営が身近にあったことがつながったのだろう、と本人は分析しています。そこから資格の勉強を始めました。

伴走型支援で意識していること

山田さんの支援スタイルは伴走型です。経営者との信頼関係を築くために意識していることを尋ねると、2つ挙がりました。

1つは自己開示。まず自分を知ってもらう、自分のことを話す。もう1つは目線を合わせることです。上から目線ではなく、課題があれば一緒に悩み、一緒に考えていく。その姿勢を大切にしているといいます。

この考え方の背景にも、実家の商売があります。事業をやっていくのは大変なことで、いろいろなことが実際に起こる。それでも相談する相手がいるようで、いない。だからこそ支援者の存在は心強いはずだ、という実感です。

「カネ」から「ヒト」へ──これから取り組みたいこと

今後のチャレンジについて、山田さんは経営資源の切り口で説明しました。

これまでの支援は、補助金にしても経営改善(資金繰りの改善)にしても、「カネ」という側面が強かった。今後はそこに「ヒト」を加えていきたいといいます。

背景にあるのは経営者の高齢化です。若手経営者の育成、事業承継における「人の承継」、そして最近相談が増えているという採用の問題。人材面の支援に力を入れていきたい、と語ります。

地域との関わりについても、広島に実家があり定期的に帰るという山田さんは、活動の中心が東京になっている現状のなかでも地方都市の視点や動向に定期的に触れていきたいと話しました。人口減少、経営者の高齢化――課題が山積する地域の企業に対して、東京で経験してきたことで力になれれば、と。

「経営者は孤独」への答え

最後に、リスナーへのメッセージとして山田さんが語ったのはこの一点でした。

経営者は孤独だとよく言われるし、実際そうだと思う。さまざまな付き合いがあるなかでも、本音で事業の悩みを話せる相手はなかなかいない、という人が多いのではないか――。

支援機関や中小企業診断士は、経営者に寄り添い、一緒に課題に向き合う存在でありたいと日々活動している。だから一人で悩む必要はない。気軽に外部の支援機関に相談してほしい、というのが山田さんからのメッセージでした。

※本記事は、ラジオ番組でお話しいただいた内容をShikisai編集部が記事としてまとめたものです。発言は趣旨を損なわない範囲で整理しています。事例の数値は特定の企業のもので、補助金の活用が同様の成果を保証するものではありません。

RADIO

この
エピソードを
配信で聞く

ご紹介

Profile

山田 盛史

株式会社ウィルリンクス
代表取締役

山田 盛史

やまだ せいし

広島県福山市出身。大手システムインテグレーターで約8年間法人営業職を務め、新入社員・若手営業の人材育成にも携わる。その後、中小企業向けコンサルティング会社で営業力強化、資金調達支援、人材活用支援、企業研修など幅広い業務を経験。2018年に独立し「ウィルリンクス中小企業診断士事務所」を設立、2023年に株式会社ウィルリンクスを設立。 経済産業省認定「経営革新等支援機関」として、資金繰りの円滑化や補助金申請支援を得意とし、IT・サービス業など非製造業を中心に累計500社超の支援実績を持つ。 「中小企業経営者の想いに寄り添い、良き伴走者となること」をモットーに、経営計画策定や資金調達、業績改善など実行支援型のコンサルティングを展開。迅速・丁寧な対応、期待水準以上の成果にこだわる姿勢が強み。 中小企業診断士、経営学修士(MBA)、ITコーディネータの資格を持つ。将来は日本の中小企業の魅力を世界に発信し、関わる全ての企業・関係者が「All-WIN」となる支援を目指している。

橋本 和果

橋本 和果

はしもと のどか

神奈川県出身。青山学院大学理工学部経営システム工学科在学中の現役女子大生キャスター。中学生時代にプログラミングに興味を持ち、高校時代には献立アプリを開発・リリースするなど理系の知識も活かして活動中。趣味はお菓子作り、アニメ鑑賞、カフェ巡り、バドミントン、ドライブ。特技はタイピング、ピアノ、人の顔と名前を覚えること。英検準1級、数検2級、漢検準2級を保有

地域 関東地方の関連コンテンツ

第4話:【ブライダル業界密着】ヘアメイクの舞台裏──花嫁の不安をほどく会話と技術(モリノブライズ)

  • 地域 関東地方
  • 視点 小売/サービス業
  • 業種 発見

未経験・独学でシェフまで駆け上り、バレンタイン期間では売上14万個!川崎麻生区の洋菓子店「イルフェジュール」

  • 地域 関東地方
  • 視点 食品
  • 業種 思索