千葉県君津市で大人気商品「きみつプリン」に加え、君津の素材をふんだんに使ったソフトクリームやジェラートを販売している風鈴堂合同会社。
千葉県の観光スポット「濃溝の滝」のすぐ側にあり、来年9月に10周年を迎えます。
そんな風鈴堂合同会社現代表取締役碇忠之様にお話を伺いました。
ーまず初めにこのお店を始めた経緯をお聞かせください。
16年前の31歳ぐらいの時に君津に引っ越してきて、『キミナビ』という情報発信サイトで君津の町を紹介する仕事をしていました。そこでこの街をぐるぐる回って取材を沢山していくうちに、君津にはたくさんいいものがあることに気づきました。
ある時濃溝の滝を有名にしたいと思っている方と出会いまして、ご縁でこの地で商売を始めることになりました。飲食店をやるなら、君津のいいものを扱うアンテナショップとしてお店を開きたいと思いました。お店は濃溝の滝の横にありますのでいい観光スポットにもなりますし、君津の方にも君津の良さを改めて知ってもらえるのではないかとして始めたのがこのお店になります。
ー素敵なご縁から始まったんですね。
15年程前に君津に引っ越してきた時は、住むところも働くところもない所からのスタートでした。奥さんが富津の人だったので、奥さんの家に居候させてもらいながら、まずは仕事を探して最初に始めたのが「キミナビ」の仕事でした。各地を取材しているときに、部屋を貸してくれる大家さんとも出会いました。その大家さんが、生活に必要なテレビやテーブルなどを粗方くださり、家賃も破格の2LDKで4万5千円で部屋を貸してくださりました。
「キミナビ」としての契約が終わった後は、花火大会で花火を打ち上げる業者で3年ほど働いていました。そこで、花火屋の営業会社として独立する機会を頂きまして、今も福山花火工場という花火屋の副代表を努めています。
とにかく、この街にはすごく恩があるんです。なのでこの街のために何かできることをしたいと思っています。
こんなに優しくされたことがないというか、やっぱり田舎には田舎の良さがあるんですよね。
君津産の素材にこだわり、最小限の添加物で
ー色んな君津の方との繋がりで今があるんですね。土日はお店が満席で大変人気な店となっていますが、今一番人気のある商品は何でしょうか？
一番人気はソフトクリームがダントツで人気で、全体の売り上げの半分を占めています。他にもオムライス、卵かけご飯など数種類しか今は出していませんが、コロナ禍前は卵サンドとオムハヤシなどもやっていました。
このあたりは卵が有名ですので、やはり卵を使った商品を出すことにこだわっています。
またソフトクリームは君津の生乳を使用しています。南房総市に全国で初めて酪農を始めた峰岡牧場があるのですが、そこでとれるいい牛乳を使って、ソフトクリームの原料であるソフトクリームミックスを作ってもらっています。砂糖や生クリームの濃さを細かく指定し、日本全国ここでしか食べられない原料にしています。ソフトクリームミックスには砂糖と生クリームなどの多少の添加物は加えないとソフトクリームとしての形を保つことができません。ですので、我々は形を保てるだけのぎりぎりのラインの添加物のみ加えて製造してもらっています。
濃厚なのに、後味がさっぱりしたソフトクリームをお楽しみいただけますよ。
レシピは200種類以上。試作を重ねてこだわりのジェラートを
ー地元のものを使うことへのこだわりへの熱い思いが伝わってきます。最近ジェラートの販売も始められましたよね。
お客様がソフトクリームを食べた際に、「持って帰ることはできないか」とかなりの方に聞かれていました。しかしソフトクリームは氷点下マイナス二度ぐらいで食べるものなんです。だからすぐに溶けてしまいます。なので「持ち帰れないです」というのをずっと繰り返していました。
そしてある時、「持って帰りたいのでもっと冷やして固めてくれないか？」と言われたんです。そのことがきっかけで、ソフトクリームのレシピをそのままアイスクリームにしてしまえばいいのでは？と考えました。
ジェラートの構想はかなり前からあったのですが、ジェラートにするとなると、機械も人も必要であり実現はしていませんでした。そこで当時「モノづくり補助金」というのがあったので、それで機械を購入し試作を始めました。君津の一番有名なケーキ屋さんからパティシエさんを1人お預かりして、そこから1年半試作をし、やっと商業ベースでお客さんに出せるまでのクオリティになった頃に通販での販売を始まして、今年5月に『ジェラテリア風鈴堂』を始めたのが大まかな流れになります。
ージェラートはかなり種類がありますよね。
現状店内に11種類あります。今まで作ってきた味は施策の段階で200味以上あります。
私たちのジェラートのコンセプトは素材感です。千葉県、出来れば南房総や上総地域でとれたものをベースに作りたいと思っています。最近だと南房総で取れるマンゴーやバナナで試作を繰り返しました。また、他にも鴨川市のレモンや梅、木更津市の梨と栗でも試しました。いろいろなところにお話を聞きに行き、試作用の材料を買っては作る、というのを繰り返しています。
レシピは200種類以上あり、どれを商品として出すかにこだわっています。レギュラーフレーバーと季節限定フレーバーがあるのですが、季節限定は1か月や1か月半ぐらいで味が変わっていきます。季節限定フレイバーはその季節しか取れないので、おすすめです。1か月に1回来て頂くと毎回違う味を楽しめることができます。通販でもジェラートをやっており、季節限定4種類セットがおすすめですね。
ー毎月限定の味でお客さんも飽きずに楽しむことができますね。最後に、今後のビジョンをお聞かせください。
食でも、花火でも、おいしいものやきれいなものは人を感動させる力があるんです。そんなお客さんを見ていつも元気をもらっています。自分の力は微々たるものですが、君津を盛り上げる一因として、これからも街の発展に寄与していきたいです。君津のみんなと一緒に、この会社で楽しく仕事が出来たらなと考えています。
本日は有難うございました。
編集後記
商品はすべて君津の素材を使い、添加物を最小限に抑える企業努力を惜しまない風鈴堂。今後も君津を盛り上げていくこと間違いがないでしょう。お店は濃溝の滝のすぐ近くにありますので、是非観光スポットと一緒に君津の味を楽しんでみてください！
一番人気のソフトクリームは「千葉ピーナッツ味」だそうですよ。
