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第7話 ウェブリカラジオ 連載中・全9話

AIでマーケを全部回す——実務者が語る、選ばれる支援会社の条件

株式会社ウェブリカ
公開 2026.08.18 ・ 約11分
PODCAST7話 / 株式会社ウェブリカ
AIでマーケを全部回す——実務者が語る、選ばれる支援会社の条件
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――今、AIをマーケの現場でどんなふうに回しているんですか。

もう本当に1から10まで、という感じです。お客様とのコミュニケーションはすべてログを取って、定例ミーティングも含めて記録します。広告やECのデータも全部吸い上げて、目指す方向性も含めてベースとなる情報を一つの大帳にまとめています。そこから、ホームページの改修なのか、LPの制作なのか、広告クリエイティブを作るのか——手を動かす部分、今まで人がやっていた部分を、今はほぼすべてAIで回しています。

――その手を動かす部分、今はどこまでAIに任せられているんですか。

ほぼ全部、というか全部ですね。制作系はとくに時間がかかって、ある程度デザインのセンスがある人に頼まなければいけない状態がありました。それもAIがかなり精度の高いものを作れるようになってきているので、今、任せられていない部分というと……ほとんどないですね。動画生成が一部まだ弱いときがあるので、それ以外はほぼ全部という感じです。

――制作もほぼ全部AIって、正直こわくないですか。人の目を最後に入れる工程は、どこか残していますか?

最後に世に出す、公開するタイミングでは当然すべて確認します。逆に言うと、公開直前まで持ってきてもらえる、という感覚です。不備があればまたAIに「この部分を直せ」と指示して対応しています。

## 25通りを一瞬で回す——勝ちパターンの見つけ方が変わった

――公開直前まで持ってこられるって、実務的にはめちゃくちゃ大きいですよね。それで、CPAが一般リードの5分の1という数字、何が一番効いたんですか。

この5分の1というのは、ボイスプレスのリード獲得の話です。商品性もあるとは思うんですが、一つの商品を打ち出すとき、訴求軸は複数あります。その訴求軸ごとにLPを作ろうとすると、人がやるなら相当なコストがかかっていた。でも「ファーストビューをこう変えろ」と設定しておくと、AIでバッと作れてしまう。

さらに、訴求軸に対してクリエイティブを何パターンと掛け合わせていくと、たとえばクリエイティブ5個×訴求軸5個で25通りが出てきます。この25通りを広告出稿しようとすると、ミスなくパラメーターをつけてという作業が発生しますが、それ自体も一瞬でできてしまう。

やりたいマーケティング施策が時間的に追いつかなかったり、人の手ではやりきれないような複雑な設計も、AIで簡単にできるようになった。そこがかなり効いていると思います。

――その25通りを一瞬で回せると、勝ちパターンの見つけ方がまるで変わりますよね。最初に当たった訴求軸って、人間の勘と違っていましたか?

個人的にはあまり勘を持たずにデータを見て判断するタイプなんですが、それでも「あ、これが当たるんだ」という驚きはありましたね。

そういう意外な訴求も、工数がかかる前提だとそもそも手をつけようと思わないんです。マーケティングはやってみなければわからない世界なので、「やってみる」ことのハードルが下がるというのは、AIに思いっきりやらせることの大きな利点だと思っています。

## AIを育てる——プロンプトの磨き方と、人間が握る判断

――AIを自分好みにどこまで育ててきた感覚がありますか?

アウトプットがいけていないと感じたら、いけているものを出すようにプロンプトを書き換える。それをずっと繰り返してきた結果、正直な話、これまで外注や社員に頼んでいたものよりも、思うものが出てくるようになっています。もうこれなしではやれないくらいになっていますね。

――AIがプロンプトを自分で書き換えてくるって、そこ具体的にどう動いているんですか。

あ、マーケティングを回すためのツールに関しては、プロンプトはAIが自分で書き換えるわけではなくて、こちらが書き換えています。

――データを自動で管理している部分と、人間があえて握る部分、その線引きはどこで決めているんですか。

データを拾ってくるとか、定期的な作業はもう自動でやっています。一方、判断の部分——こういう判断をしろというのは人間が握る部分です。判断をAIに自動でさせると、暴走の可能性がまだあると思っているので。答えが決まっているもの、「こういうものを作れ」と明確なものはAIにやらせる。判断は人間が持つ。その線引きです。

――その判断を人間が握るのは、AIには意志がないからですか。

AIに意志を持たせようと思えばできるんです。「こういう意思決定をしろ」と設定すれば。ただ、マーケティングは場面によって取るべき方向性が変わりますし、あくまでお客さんの意向を汲んでこちらが判断するものです。お客さんとAIをいきなり直接やり取りさせても成り立たない。お客さんの意向をしっかり人間がコミュニケーションで受け取って、その意思決定をもとにAIに依頼する——その流れが正しいと思っています。

## 機能では差別化できない時代——選ばれる支援会社の条件

――AIでほぼ全部作れる時代になると、機能ではもう差別化できないですよね。最後、何で選ばれるんですか。

マーケティング支援の会社は、基本的に「マーケティングの正解を提供します」というかたちでやってきたところが多いと思います。その正解はAIが出せるようになった。ただ、マーケティングはかなり広い領域なので、どういうマーケティングで何を目指すのかをしっかり定めないとうまくいかない。その方向性やゴールをお客さんの意向を汲んで合意できるもの——「そうだね」とお客さん自身が思えるものを提案できる支援会社が、これから必要になると思っています。

――機能は横並びが前提だとすると、最後は作り手の何で選ばれると思いますか。価値観や世界観の部分ですか?

支援事業者という立場でいくと、お客さんの世界観や価値観をよく理解して、そこに寄り添える人が選ばれる決め手になってくると思います。自分たちの世界観を押し出すというより、お客さんの世界観に入っていける人かどうか——そこだと思いますね。

ご紹介

Profile

株式会社ウェブリカ
石塚直樹
いしづかなおき

2012年 東京大学卒業後、みずほ銀行にて中小企業営業に従事。 2015年 国土交通省鉄道局に出向し、財源管理・法改正業務に従事。 2016年 個人事業としてアフィリエイト開始。 2017年 みずほ証券金融公共法人業務部公共セクターにて投資銀行業務に従事。 ASPの月間報酬ランキング全国TOP10入りを果たす。 2018年 株式会社UNDONE JAPANを設立し、代表取締役に就任。 2019年 当社設立。

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