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第5話 ウェブリカラジオ 連載中・全9話

「正解を導く」から「正解を示す」へ——AI時代に生き残るサービスの条件

株式会社ウェブリカ
公開 2026.08.17 ・ 約11分
PODCAST5話 / 株式会社ウェブリカ
「正解を導く」から「正解を示す」へ——AI時代に生き残るサービスの条件
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――「正解を導く」から「正解を示す」へ、というテーマはかなり挑発的ですね。この対立軸はどこから思いついたんですか。

AIを使っていろんなことをやっていく中で、気づいたことがあります。これまで人間がやってきた仕事の多くは、「正解にたどり着くにはこうすればいい」という、解決型のサービスだったと思うんです。でも、それはもう全部AIがやってしまうな、と実際に触りながら感じました。

じゃあ、その中で人間が出せる価値ってなんだろうと考えたとき、「そもそもこれが正解だよね」というゴールを決めてあげること、そこにしか人間の価値が残らなくなってきた。そうなると、サービス自体も「これをやれば正解にたどり着けます」という方法論ではなく、「こういう正解に向けてこれをやりましょう」という方向から打ち出していかなければ、もう通用しないと気づいた、そんな感じです。

――「これはもうAIが全部やっちゃうな」と腹落ちした瞬間、具体的にどんな場面でしたか。

一番感じたのは、ボイスプレスを各SNSに展開している中で、動画もやりたいと思ったときです。「動画やりたいんだよね」とAIに相談したら、「じゃあこうしましょう」と解決策がすぐ出てきて、その通りに実行してもらえる。自分ではハードルが高いと思っていた動画制作の答えに、一瞬でたどり着いてしまったんです。

これは、人間がこの分野で時間を使って争っていてもしょうがないな、と思いました。それよりも、「動画やりたい」という価値をどんどん生み出していく側にシフトしていかなければ、と気づいた瞬間でしたね。

――「やりたい」を思いつく側に回れ、という話は本質的ですね。でも、「やりたい」を思いつく力って、鍛えられるものなんですか。

鍛えられると思います。いろんな人と話す中で、「あ、みんなこういうことに悩むんだな」と気づく。そして、その悩みがあるということは、こういうものがあれば悩まずに済んだんじゃないか、と考えられる。人と話していく中で、そういう気づきが積み重なっていくものなのかなと思います。

――人と話す中で見つけるって、まさにボイスプレスの取材構造そのものですね。「正解を示す」という思想は、ボイスプレスのどこに埋め込まれているんですか。

「声で発信しましょう」ということ自体が、ボイスプレスの思想なんです。テキストベースだと何でもできてしまう。でも、人間の生の声——私がこうして詰まりながら考えながら話しているような感じ——は、まだ生成できないと思っています。そこから、ボイスプレスは生まれました。その思想がそのままサービスに埋め込まれている、ということですね。

――声で発信しろ、というのが「正解を示す」の体現なんですね。でも、それは機能じゃなくて思想じゃないですか。ユーザーは何を受け取っていると思いますか。

私は「声で発信するのが正解だ」と思っているので、その正解ごと提供している感覚です。ユーザーが「確かに声で発信するのがいいよね」と共感してくれた瞬間に、「じゃあそれを実現するには」という話になる。実現までの工程は複雑ではあるんですが、「声で発信することが大事だ」という思想に合致した瞬間、ボイスプレスを使えばそれがすぐできる。そういう構造なのかなと思います。

――つまりユーザーは「声で発信するのが正解」という世界観ごと買っているわけですね。AI時代に価値を持つサービスとは、どういうものだと思いますか。

まさに、世界観ごと提案するということが大事だと思います。その世界観がどれだけ受け入れられるか、共感こそが起点になってくると思います。

――言い切ってほしいんですが、AI時代に価値を持つのは「正解を導くサービス」と「正解を示すサービス」、どちらですか。

正解を示すサービスです。

――では逆に、答えを出すだけの「導く」側のサービスはこれからどうなると思いますか。

ClaudeやOpenAIなど、様々なAIがどんどん成長しています。いずれ、上位プランに入っておけばあらゆる答えが勝手に導き出される、そんな世界になっていくと思います。月額3万円くらいで、という話になるかもしれませんが。

――月3万で答えは全部出る世界が来る。その世界で、ボイスプレスのような「示す」側には具体的に何が残るんですか。

共感した世界観の中でやっていく、ということです。月3万払っても、複雑な設計まではできないんじゃないかと思います。いろんなものを繋げる面倒くささも出てくるので。

――その複雑な設計、まさに人間がやる0→1の部分ですね。ボイスプレスの最初の設計で、これはAIには絶対任せられないと思った部分はどこですか。

やはり、思想そのものです。「声で発信するのが正解だ」という思想を実現するために、音声で収録する、一人でできるようにAIの対談相手が必要だ、各SNSにシームレスに連携する、ショート動画になって拡散もできたらいい——これらを思いつくところから始まって、実装させるという意志は、AIには生まれないと思うんです。

人間が作るという行動は変わらないし、作った先に「こういうものがいいよね」と提案するのも、引き続き人間がやっていく。そういうことだと思います。

――AIには意志が生まれない、そこが人間の砦なんですね。では最後に、その先にどんな世界を作りたいですか。

生の声で発信することが当たり前になって、自分の本心を的確に発信する人が増えたとき、選択肢が増える世の中になると思っています。共感によってサービスが選ばれるようになると、細分化が進む。一社総取りみたいなことがなくなっていく。

ボイスプレスに似たサービスが当然出てくると思いますが、それを作った人のゴールやプロセスは、私のものとは違うものになるはずです。そのとき、「どちらが自分に合っているか」「この人の言っていることが自分に近い」という取捨選択ができるようになる。選ばれるものが多様化する世の中になると思うし、私はそういう世の中の方がいい。そんな世界になっていくんだろうと思っています。

ご紹介

Profile

株式会社ウェブリカ
石塚直樹
いしづかなおき

2012年 東京大学卒業後、みずほ銀行にて中小企業営業に従事。 2015年 国土交通省鉄道局に出向し、財源管理・法改正業務に従事。 2016年 個人事業としてアフィリエイト開始。 2017年 みずほ証券金融公共法人業務部公共セクターにて投資銀行業務に従事。 ASPの月間報酬ランキング全国TOP10入りを果たす。 2018年 株式会社UNDONE JAPANを設立し、代表取締役に就任。 2019年 当社設立。

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