廣田硝子株式会社は、すみだSDGsアワード2025の受賞企業として選出された。
同アワードは、SDGsを掲げるだけでなく、本業の中で継続的に社会課題へ向き合っている企業の実践を評価する取り組みである。
廣田硝子の活動は、環境配慮や循環型社会といった文脈を超え、
ものづくりの現場から自然に生まれた問いと実践が評価された形だ。
会社概要
廣田硝子株式会社は、東京都墨田区を拠点に、
ガラス製品の企画・製造・販売を手がけるものづくり企業だ。
創業以来、硝子という素材と向き合い続け、
日用品から工芸性の高い製品まで、
長く使われることを前提としたガラスづくりを続けてきた。
- 創業:明治32年5月
- 業種:製造業
- 従業員数:9名(うち1人は外国人)
- SDGsアワード活動名:割れてしまったガラスや製造過程で生まれる廃棄するガラスを、 新しい美へ
伝統的な技術を大切にしながらも、
現代の暮らしや価値観に寄り添う形で、
ガラスの可能性を探り続けている。

ものづくりの現場から生まれた想い
「割れてしまったガラスや、製造過程で生まれる廃棄ガラスを、新しい美に変えられないだろうか。」
この問いは、環境配慮やSDGsを意識した“後付けの発想”ではない。
日々のものづくりの現場で、ガラスと真摯に向き合ってきたからこそ生まれた、極めて実直な想いだった。
2021年、同社は廃棄ガラスの再活用に向けた研究をスタートする。
破片の大きさや色の違い、透明感を保つための温度管理など、試行錯誤の連続だった。
偶然から生まれた、新しい美しさ
転機となったのは、窯の端に残ったガラス片が熱によって偶然「まん丸で透明な粒」になった瞬間だった。
水滴のようなその美しさに着想を得て誕生したのが、リサイクルガラスのアクセサリー「白雫(hakuRe)」である。
本来であれば捨てられていたガラスに、装飾品としての新たな価値を与える。
廣田硝子は、ガラスという天然素材が持つ可能性を、別の形で丁寧に引き出していった。

建築資材へと広がる再生のかたち
現在はさらに取り組みを進め、
破損したガラスや製造工程で生まれる廃棄ガラスを、建築用のガラスタイルとして再利用するプロジェクトも進行中だ。
2025年12月にオープンした自社1階では、
熱で角を丸めたガラス片を壁面タイルとして活用。
色鮮やかで、江戸切子の破片も含む意匠は、廃棄物から生まれたとは思えない存在感を放っている。
ガラス食器の廃材を建築資材として再利用する例はまだ珍しく、
まずは自社で事例を創出し、将来的には関連業界への展開を見据えている。
受賞理由|評価されたのは「素材と産業へのまなざし」
すみだSDGsアワードにおいて評価されたのは、
廃棄ガラスという課題に、地場産業の当事者として向き合っている点だった。
ガラス工場が集積する地域特性の中で、
製造過程で生まれるロスを「仕方のないもの」とせず、
新たな価値へと転換しようとする姿勢。
さらに、アクセサリーやガラスタイルとして人の目に触れる場所へ展開している点は、
透明性や発信力の面でも高く評価された。

評価を、次の取り組みへ
現在進めている自社店舗でのガラスタイル活用を皮切りに、
今後は関連業界への展開も視野に入れ、
廃棄ガラス削減と素材循環の取り組みをさらに広げていく構想だ。
「捨てない」という選択を、産業として成立させる。
その挑戦は、これからも続いていく。
関連するSDGsの目標

ご紹介
Profile
廣田硝子株式会社は、東京都墨田区を拠点に、
ガラス製品の企画・製造・販売を手がけるものづくり企業。