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「解放」から始まる組織開発 / LIBERATE合同会社・豊川諒

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「LIBERATE合同会社」という社名には「解放」という意味が込められています。代表の豊川諒さんは、アクセンチュア出身のコンサルタントとしてキャリアを積み、その後コーチングの道へ。大手企業の組織開発や人材育成を支援しながら、「人の可能性を解放する」ことをライフワークとしています。「上司が嫌いでも、理解し合える関係性は作れる」「人は自ら変わることで周囲を変えられる」。そんな哲学を胸に、豊川さんは人と組織の未来に挑み続けています。

LIBERATE合同会社の由来と理念 ―「解放」に込めた想い

石塚: 本日のゲストはLIBERATE合同会社 代表の豊川諒さんです。まずは簡単に自己紹介をお願いします。
豊川: 豊川諒と申します。社名「LIBERATE」は“解放する”という意味を込めています。組織に所属していた頃、しがらみに縛られている感覚があり、それを解き放ちたいと思ったのがきっかけでした。

石塚: 束縛を解き放つイメージですね。
豊川: そうです。コーチングを通じて、人や組織の可能性を解放したいと考えています。

アクセンチュア時代から独立へ ― コンサルタントからコーチへ

石塚: 最初のキャリアはどのようなものだったのでしょうか。
豊川: 新卒でアクセンチュアに入社し、ITコンサルタントとしてSAPなどの導入支援に携わりました。

石塚: 元々コンサル志望だったのですか?
豊川: 高校時代は医師を志していました。人の役に立ちたい、その最たるものは「生と死」への関わりだと思ったからです。ただ医学部には進めず、次に「企業のお医者さん」であるコンサルタントという道に出会い、挑戦しました。

石塚: そこからコーチングへ進まれた理由は?
豊川: コンサルの仕事は戦略やシステムを納品しても、お客様が活用できないケースが多くありました。「成果はお客様自身が生み出すものではないか」と考えるようになり、コーチングに出会いました。

石塚: 独立にはリスクもありますよね。
豊川: 透明性を大切にしたかったのです。料金の内訳を明確にし、全てをお客様のために差し出したい。そのためには独立する必要がありました。医師を志した頃の「人に向き合う」という思いは変わっていないと思います。

法人向けコーチングの実践 ― 組織を変えるプロセスとは

石塚: 現在はどんなクライアントにコーチングを提供しているのですか?
豊川: 法人が多いです。例えばコクヨ様の新規事業「pandoor」に関わり、メンターとして社員がベンチャーに出向する際の成長を支援しています。

石塚: コーチングは個人と組織で違いがありますか?
豊川: 個人では目標達成が中心ですが、法人では「組織を変える」ことが目的です。対象者が変わるだけでなく、周囲にどんな影響を与えるかまで考えます。

石塚: 具体的なプロセスは?
豊川: まず本人の目標を言語化し、部下や同僚からのフィードバックを収集。現状とのギャップを明らかにし、実践とフィードバックを繰り返していきます。

石塚: 最初の面談はどんな雰囲気ですか?
豊川: いきなりヒアリングではなく「なぜこの仕事をしているのか」「どんな会社にしたいか」といったフランクな会話から始めます。

成果を生むコーチング ― 3ヶ月から8ヶ月で現れる変化

石塚: 成果が出るのはどのくらいの期間ですか?
豊川: 最低3ヶ月、平均すると半年から8ヶ月です。人の行動や周囲の認識が変わるには時間が必要です。

石塚: 他人を変えるのは難しいと言われますが?
豊川: 他人は変えられませんが、自分が変われば関わり方も変わり、相手も影響を受けます。コミュニケーションの頻度や姿勢が変わることで、部下からの相談が増えるなど、変化は連鎖します。

石塚: 成功しやすい人の特徴は?
豊川: 前向きで、新しいことに挑戦したい人。スポーツと同じで「金メダルを取りたい」と思う人でなければ成果は出にくいです。

石塚: どのように気づきを促すのですか?
豊川: 客観的には動画撮影で姿勢やトーンを確認。主観的には「こう見えました」と率直に伝えます。そこから自己認識が深まります。

印象的なクライアント事例 ― 部下のアイデアが会社を変えた瞬間

石塚: 特に印象に残っている事例はありますか?
豊川: ある大手企業の企画部長です。それまでは自分の承認なしに企画を出させなかったのですが、部下が直談判した際「失敗してもいい」と挑戦させました。すると、そのアイデアが通り、皆さんが手に取るような商品になったのです。

石塚: その変化がなければ生まれなかった商品ですね。
豊川: そうです。小さな思考の変化が会社の未来を動かしました。部下に任せる選択をした背景には「自分がいなくなったら組織はどうなるのか」という危機感もありました。

今後のビジョン ― AI時代における人間らしさとコミュニケーションの価値

石塚: 今後のビジョンを教えてください。
豊川: 技術革新が進んでも、人間ならではの価値はコミュニケーションにあると思います。嫌いでも一緒に進める関係や、ワクワクを共有できる場はAIには作れません。コーチングを通じて、その価値を社会に広げたいです。

石塚: LIBERATEとしてはいかがでしょうか?
豊川: お客様の成功を第一に考えています。コーチング以外に必要なことがあれば自分が担うか、信頼できる方を紹介します。お客様の成長が自分の事業の発展にもつながると考えています。

石塚: 最後にメッセージをお願いします。
豊川: ここまでご覧いただきありがとうございます。ご興味があればぜひお問い合わせください。課題がコーチングで解決できる場合はもちろん、他の方法が適していればご紹介もします。上司と部下の関係に悩んでいる方には特に価値を感じていただけると思います。

編集後記

インタビューを通して印象的だったのは「嫌いという感情すらも価値にできる」という考え方でした。多くの人が避けたい感情を、相互理解や信頼の出発点に転換する姿勢は、まさにコーチングの醍醐味だと感じます。部下のアイデアが会社を変えた事例は、ほんの小さな承認が社会に大きな価値を生み出す証明でした。また、AIやデジタル化が進んでも、人が人に向き合い続けることの意義を強く実感しました。豊川さんの話を聞いて、組織課題に直面する経営者やマネージャーにとって、コーチングは「贅沢な支援」ではなく「未来を切り拓くための投資」であると改めて思います。ご覧いただいている皆様にも、人と人との関係性を見直すきっかけになれば幸いです。

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Profile

豊川 諒

LIBERATE合同会社
代表社員

豊川 諒

とよかわ まこと

X(旧:Twitter)

LIBERATE合同会社 代表。
アクセンチュア、ベイカレント・コンサルティングを経て、コーチングファームにて組織開発や人材育成に携わる。
2024年11月、LIBERATE合同会社を設立。
「人と組織をしがらみから解放する」を理念に、コーチングを軸とした組織変革・新規事業開発支援を行う。
これまでに累積500時間以上、100名を超えるセッションを実施。
国際コーチング連盟プロフェッショナル認定コーチ(PCC)。
企業・地域・個人が持つ本来の可能性を解き放ち、自由で創造的な未来を切り拓くことを目指している。

HPはこちら
石塚 直樹

株式会社ウェブリカ
代表取締役

石塚 直樹

いしづか なおき

新卒でメガバンクに入社し、国土交通省、投資銀行を経て独立。
腕時計ブランド日本法人の立ち上げを行い、その後当社を創業。地域経済に当事者意識を持って関わりながら、様々な企業の利益改善や資金調達を、デジタルや金融の知見を持ってサポートしています。

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