市街化調整区域──住宅も店舗も原則建てられない、いわゆる「活用が難しい土地」。
けれどそんな“動かない土地”に、未来を見出そうとする取り組みがあります。
「誰も使えない」と諦められていた土地にこそ、地域の希望を灯したい。
不動産会社としては異例の、市街化調整区域に7割以上関わるスタンスで、
地域の“困りごと”に真正面から向き合い続けています。
信頼の原点は、不動産を超えた日々の関わりに。
ガス会社として培った顔の見える関係性、防災イベントの開催や手づくりのハンドブック、
そして相談役のように寄り添う姿勢。そこには、暮らしと未来に寄り添う、新しい不動産のかたちがあります。
あなたの「もうどうにもならない」を、「今から何とかできる」に変えるヒントが、きっとここに。
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市街化調整区域とは
三重県四日市市で不動産事業を手がける株式会社丹頂不動産(丹頂ガス 不動産事業部)の丹羽智彦さんが専門にしているのが、市街化調整区域です。
丹羽さんの説明はシンプルでした。「原則として住宅や店舗等の建物が建てられにくい地域」。都市が無秩序に拡大するのを防ぐため、都市計画上の線引きで決められている区域です。
ここに建物を建てるには、市や県に申請して許可を得なければなりません。しかも農地であれば、その前に農地転用の許可も必要になります。
そのため土地の取引までに半年から1年ほどかかることもざらだといいます。手間もかかる。結果として何が起きるかというと、「うちは市街化調整区域は対象外です」と不動産会社に断られるケースが多いのです。
取引の約7割が市街化調整区域
丹羽さんはそこをあえて扱っています。しかもその割合が突出しています。
自身で調べたところ、取引のおよそ7割が市街化調整区域だったといいます。「これは自分でも驚いた」「他の不動産会社と話していても、なかなかない割合だと思う」と語ります。
なぜそこに取り組むのか。理由は明快でした。「地元に住んでいる人たちが、うちの土地はもうどうにもならんと諦めている姿を見ると、何とかしてあげたいと思う」。
相談に来る人が抱えている悩み
実際にどんな相談が寄せられるのか。丹羽さんが挙げたのは、次のような声でした。
売りたくても「どこも売れないですよ」と言われた。あるいは「誰も買わないだろう」と初めから決めてしまっている。そして切実なのが管理の問題です。草がどんどん伸びていく時期になると、もう手に負えない。なかには「ただであげるからもらってほしい」という人までいるそうです(もちろん、そういうわけにはいきませんと説明するといいます)。
市街化調整区域の土地は、そもそも「市街化をしない、調整する」という区域です。基本的には農業をしてくださいという土地が多く、実態としてはもともと農地だったところ、農地だったが畑をやっていないところ、雑木林、草だらけになった土地などが中心になります。
土地を持っている人にとって、これは日々頭から離れない問題です。「土地をどうしよう」と常に考えている。だからこそ、そこに答えを出す仕事には意味があると丹羽さんは考えています。
カメラ量販店、イオン、そして地元へ
丹羽さんは三重県四日市市の出身ですが、キャリアの多くは地元の外で積んでいます。
最初は名古屋のカメラ量販店。その後イオンへ移り、サプライチェーンマネジメントやイオン銀行に携わりました。本社は千葉です。
地元へ戻るきっかけになったのは、父親が認知症になったことでした。三重へ帰り、地元に営業所を構える住友不動産販売で仲介の実務を学びます。そして丹頂ガスに不動産事業部を立ち上げたのが現在に至る流れです。
ガス会社に不動産事業部があるのは、丹羽さんが来てから始まったからでした。
「不動産屋というより、地域の相談役」
丹頂ガスが掲げているのは「地域を守る会社ナンバーワン」。丹羽さんはこの言葉どおり、不動産屋というよりも地域の相談役という感覚で仕事をしているといいます。将来的には、不動産以外にも市街化調整区域に関わるビジネスを展開したいと構想しています。
その姿勢は日々の会話にも表れています。不動産のやり取りの合間に交わされるのは、近くの寺や神社の話、鈴鹿サーキットの話、四日市の駅前開発の話。丹頂ガスがある平尾町は野菜づくりが盛んな地域で、農作物の話をすると地元の売主や地主にとても喜ばれるのだそうです。不動産とは関係ないようでいて、地域で仕事をする上ではまったく関係なくない会話です。
グループとしての地域との関わりも具体的です。丹頂ガスグループは毎年、本社屋で感謝祭を開催しています。しかも単なるイベントではなく防災をテーマにした催しで、四日市市の防災管理課の職員による講演、地震体験車、煙体験といったプログラムが並びます。「最近そういうことをやっているところが少ないので、本当に助かります」と市の側から言われるほどの規模だといいます。
売れないと諦められていた土地に向き合い、ガス会社として地域の防災にも関わる。市街化調整区域という扱いにくい土地は、地域に根を張る会社だからこそ引き受けられる仕事なのかもしれません。
※本記事は、ラジオ番組でお話しいただいた内容をShikisai編集部が記事としてまとめたものです。発言は趣旨を損なわない範囲で整理しています。市街化調整区域の取り扱いは自治体や個別の条件によって異なるため、実際の手続きは必ず所管の窓口や専門家にご確認ください。
ご紹介
Profile
丹頂ガス 不動産事業部
株式会社 丹頂不動産
三重県四日市市を拠点に、不動産売買や空き家・空き地の活用相談など幅広い業務に携わる宅地建物取引士。
生まれ育った地元で多くのご縁をつなぎながら、住宅や土地の売買、中古マンションや投資用物件のご紹介、リフォームや住み替えのご相談まで、きめ細やかで親身な対応を心掛けています。また、19時以降や土日もご相談に応じるなど、お客様のご都合に最大限寄り添う姿勢も大切にしています。
地域密着の会社として、空き家・空き地問題や防災活動にも積極的に取り組み、安心して暮らせる地域づくりに貢献しています。
1975年愛知県名古屋市生まれのラジオパーソナリティー、スポーツアナウンサー、声優、朗読家。 趣味はJリーグ観戦とBリーグ観戦。
活動実績: テレビCMナレーション:「日本ハム彩りキッチン」「静岡イトーグループ」「丸美産業」など ラジオCMナレーション:「どんどん庵」「中日転職BOX」「立岩」など

