釣りはただ魚を釣るための行為ではなく、「自然とつながり、心を動かし、人生を豊かにする体験」――そんな視点から釣具ブランドG-TECは生まれました。本番組では、G-TECがどのようにして“ワクワクする道具”を生み出しているのか、そのものづくりの裏側にある哲学と挑戦の歩みを「トモ清水」こと清水智一さんにたっぷりと語っていただきました。
G-TECが掲げる“3本の矢”は、それぞれに明確な想いが込められています。第一の矢「G-TEC」は、軽さと感度を極限まで追求した釣り竿。第二の矢「RuaRuca」は、旅や日常の中で気軽に楽しめるコンパクトロッド。そして第三の矢「Japonism」は、伝統工芸とテクノロジーの融合によって生まれた、新たな日本発の価値提案。
番組では、デジタル化が進む現代だからこそ「アナログな自然体験」が心の栄養になることや、釣りが子どもの教育・高齢者の健康にも役立つという話も飛び出します。
「自分がワクワクしないと、人にも届けられない」という一貫した姿勢は、どんな仕事に向き合う人にもヒントを与えてくれるはず。好きなことを仕事にする難しさと喜び、その中で生まれる本物の価値を、あなたもぜひ感じ取ってみてください。
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目次
G-TEC株式会社とは
G-TEC株式会社は、釣りの道具を作る会社です。メインは釣り竿。代表の清水智一さんは、釣り業界では「とも清水」というニックネームで活動しています。
釣りとの出会いは幼少期にさかのぼります。親が釣りをしていたため、小さい頃から父に連れられて釣り場に行っていた。それが原点だといいます。
「人生の8割ぐらいは仕事だ」
清水さんの進路を決定づけたのは、大学時代のある講義でした。教授がこう言ったのです。
「人生の8割ぐらいは仕事だ」
ならば人生を充実させるには、仕事に何を選ぶかが決定的に重要になる。清水さんはそこで気づかされたといいます。もともと高校の頃から「好きなことを仕事にできたら楽しい」という思いは持っていました。
その結果、就職活動は徹底したものになります。釣りに関わるところしか受けなかった。
まずは釣りのメーカーに就職。ただしその時点から、いずれは自分のブランドを作り、自分の好みのものを作っていきたいという思いをずっと抱えていました。
20年勤めてから独立した理由
実際に独立したのは、業界に入って20年が経った後でした。
その間に積み上がったものを、清水さんはこう説明します。会社勤めのなかで得たさまざまな経験。人間関係。そして道具を作ってくれる工場との関係。
そうした条件が整い、「ここだと、いま自分のやりたいことができるな」というタイミングが来た。だから立ち上げた――そういう順番でした。
釣り竿はどうやって作られるのか
ものづくりの流れも具体的に語られました。
出発点は机の上ではありません。まず釣り場に行って、釣りをする。すると「どういうものが欲しい」という要望が現場から出てくるのだといいます。
そこから釣り竿――カーボン製です――の設計に入り、試作を作る。そしてその試作を持って再び釣り場へ行き、実際に魚を釣ってテストします。
テストの過程では、竿が折れることもあります。折れたところは弱いということなので、そこを補強して作り直し、またテストする。それを繰り返して完成したものを世に出す、という流れです。
清水さんは自らを「単純に釣りバカ」と表現します。そのうえで、こう語りました。釣りをするからこそ、釣り人が欲しいものを届けられる。道具を通じて、ワクワク、ドキドキを感じてもらえたらいい。
立ち上げ時から決めていた「三本の矢」
G-TECには「三本の矢」という考え方があります。立ち上げ時から、3本を柱にしたいと決めていたのだそうです。
第一の矢──世界一軽いロッド
すでに世に出ているのが第一の矢、「クロスセンシティブ」というシリーズです。
掲げているのは世界一軽いロッド。誰もが驚くような軽さだといいます。
軽さがもたらすのは、扱いやすさだけではありません。感度です。魚から来る反応が手元にそのまま伝わるため、清水さんいわく「正直、どきっとする」。軽いと釣りそのものが楽しくなる、というわけです。
第二の矢──バッグに入る釣り竿
第二の矢として開発中なのが「ルアルカ」というブランド。こちらはポップで遊び要素が強いのが特徴です。
釣り竿というと長いものを想像しますが、実はバッグに入るコンパクトなものも存在します。鞄に入れて持ち歩き、旅行先や出張先でも気軽に楽しめる――そんな「遊びのロッド」を作りたいという構想です。
第三の矢──「ジャポニズム」
そして第三の矢が「ジャポニズム」です。本来は第二の矢を放った後の予定でしたが、先に動き始めました。
背景にあるのは清水さんの出自です。地元は石川県金沢市。地域の伝統や工芸品を、釣り竿にいかに混ぜられないか――そう考えて生まれた構想でした。
「やっぱり我々は日本人なので、日本の良さを取り入れた釣り竿を作りたい」。好きなことを仕事にすると決めた学生が、20年を経て、地元の伝統まで竿に載せようとしています。
※本記事は、ラジオ番組でお話しいただいた内容をShikisai編集部が記事としてまとめたものです。発言は趣旨を損なわない範囲で整理しています。製品の仕様・開発状況は収録時点のものです。
ご紹介
Profile
G-TEC株式会社
代表
釣りを愛し、釣り具の未来を創る。そんな情熱を胸に、20年以上にわたり国内外の大手・外資系メーカーで釣り用品の開発に携わる。業界内では「トモ清水」と呼ばれている。 これまでに約20ブランドにわたるロッド開発を手がけ、新ブランドの立ち上げ責任者としては、商品企画からマーケティング、販売戦略、経営再建に至るまで一貫して舵を取り、企業のシェア拡大に貢献。外資系企業ではプロダクトマネージメント本部に所属し、経営視点からPR戦略や予算管理、効果検証にも関与。 2023年に自身のブランド「G-TEC」を創設。最先端のグラファイト・カーボン技術を駆使し、釣り人の“ワクワク”を引き出す革新的なロッド開発に挑戦。 テレビ、雑誌、YouTubeなど多様なメディアにも積極的に出演し、釣りの魅力や楽しさを幅広い世代へ発信。単なる道具作りにとどまらず、釣り文化そのものの発展にも力を注ぐ。 「自然や魚たちへの感謝を忘れず、釣りを通じて夢や感動を届けたい」。その想いを胸に、これからも、釣り具の進化と新しい価値の創造に挑み続ける。
神奈川県出身。青山学院大学理工学部経営システム工学科在学中の現役女子大生キャスター。中学生時代にプログラミングに興味を持ち、高校時代には献立アプリを開発・リリースするなど理系の知識も活かして活動中。趣味はお菓子作り、アニメ鑑賞、カフェ巡り、バドミントン、ドライブ。特技はタイピング、ピアノ、人の顔と名前を覚えること。英検準1級、数検2級、漢検準2級を保有