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伊佐交通観光とは?鹿児島・伊佐市の金色のバスと、買い物代行までするタクシー

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鹿児島県の地域交通を支える古田勇樹が、バス・タクシー業界の魅力と現状について語る。特に高齢者向けの移動支援や貸し切りバスでの観光ツアーを通じて地域活性化に貢献している。安全第一を掲げた運転と地域密着型サービスに焦点を当て、古田さんのビジョンや課題解決への取り組みを存分に紹介。

伊佐交通観光とは──鹿児島県最北端のバス・タクシー会社

伊佐交通観光株式会社があるのは、鹿児島県の最北端に位置する伊佐市。熊本県と宮崎県に接する場所です。代表取締役を務めるのが古田勇樹さんです。

事業は大きく3つ。貸切バスタクシー、そして貸切バスツアーです。旅行業の登録も持っています。

貸切バス──学校行事から社員旅行まで

貸切バスの営業エリアは鹿児島県全域に加え、隣接する熊本県や宮崎県えびの市など。伊佐市が県境に位置しているため、自然と広域をカバーしています。

主な用途は学校の送迎、遠足、修学旅行。ほかに高齢者の研修、企業研修、社員旅行などがあります。保有車両は大型バス3台、中型バス1台、小型バス5台。団体の規模に応じて対応できる体制です。

古田さんが挙げた貸切バスの魅力は、誰か一人が運転する必要がないこと。行った人がみんなで一緒に楽しめる。運転手が気を遣い、交代を申し出るような気まずさがない。そこが一番いいところだと語ります。

タクシー──買い物代行と、ドアサービス

タクシーの主な利用は、高齢者の通院と買い物です。古田さんは地域の実情をこう表現しました。「うちの地域は本当に高齢化が進んでいて、タクシーがないと移動ができないという方々がほとんど」。免許を返納した人にとって、生活の足そのものになっています。

特徴的なのが買い物代行サービスです。利用者が事前に店へ電話で注文しておき、それを同社のドライバーが取りに行って届ける。しかも玄関先まで運びます。米や飲料など、重い荷物を車から降ろすのが負担になる人にとっては、そこまでやってもらえるかどうかが大きな差になります。

もう一つがドアサービス。多くの会社は自動ドアで対応するところを、同社はドライバーが一度タクシーから降りて、お客様を迎える。手間をかけているぶん、伝わるものがあるサービスです。

貸切バスツアー──九州のほぼどこへでも日帰りで

3つ目の柱が、自社で企画する貸切バスツアーです。ホームページや新聞広告で募集し、申し込みは地元・伊佐市の人が中心。行き先は鹿児島県内をメインに、九州各地へ足を伸ばします。

ここで効いてくるのが立地です。伊佐市はちょうど九州の真ん中あたりに位置しているため、どこへ行くにも日帰りで行ける距離感。「大分の湯布院あたりだと少し遠いかな」と思いつつも、範囲としては行けなくはない、と古田さんは言います。一泊するほどの時間は取れないけれど日帰りなら――という需要に応えられる場所なのです。

旅行業も持っているため、相談すれば宿の手配から交通手段まで同社で一本化できます。「ここと、ここと、ここを入れて」と伝えれば、それに合わせた提案が返ってくる。自分であちこち予約して回る必要がありません。

なぜ金色のバスなのか

同社にはゴールドのバスがあります。理由を聞くと、伊佐市という土地の話になりました。

伊佐市は米どころであり、そして金の産出量が日本一の街でもあります。金山のあるまち。さらに「一番=金」という意味も重ねて、一番の企業でありたいという思いからゴールドにしたのだといいます。

これが思わぬ効果を生んでいます。大会の際にゲン担ぎとしてこのバスを指名するお客さんがいるのだそうです。金メダルの金、というわけです。

叔父から父へ、父から自分へ

会社の成り立ちも地域の事情と結びついています。もとは古田さんの叔父が経営していた事業でしたが、2000年に父が独立。当時、伊佐市にバス会社がなかったことが理由でした。古田さんが高校生の頃の話です。

その頃から後を継ぐつもりでいた古田さんは、入社後は運行管理や運転を担当。5年前に代表へ交代します。ただ、それまで経営は父に任せきりだったため、そこが一番大変だったと振り返ります。しかも代表になったちょうどそのタイミングで、新型コロナウイルスの流行が始まりました。観光業には大きなダメージでした。

経営者として楽しいと感じる瞬間は、自分が思ったことが従業員に伝わって、仕事がうまくいったとき。いまも時々ハンドルを握る古田さんにとって、運転手としてのやりがいは、乗ったお客さんに「ありがとう」と言ってもらえたとき。そして遠足のとき、小学校低学年の子どもたちが大きなバスを見て喜んでくれるときだといいます。

運転手不足という、地域の足に直結する問題

業界の現状について尋ねると、古田さんは運転手不足を挙げました。「本当に深刻」だといいます。

高齢化で担い手が減っているところに、2024年から貸切バスにも労働時間の規制が入りました。結果として運転手はさらに足りなくなり、同社の地域でも路線バスの減便が起きています。バス・タクシー・自家用車しか移動手段がない地域で、減便は生活に直結します。

だからこそ、若い人にバスやタクシーの運転手になってほしい――というのが古田さんの強い思いです。仕事の魅力を聞くと、こう答えました。いろいろな場所に行けて、いろいろな人と会って、いろいろな話ができる。そのなかで自分なりの楽しみを見つけられる。

安全面では、労働時間の管理からバスの整備まで、項目をひとつずつクリアしながら運行しているといいます。金色のバスが走る伊佐市で、地域の足は今日も動いています。

※本記事は、ラジオ番組でお話しいただいた内容をShikisai編集部が記事としてまとめたものです。発言は趣旨を損なわない範囲で整理しています。車両数・サービス内容は収録時点のものです。

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Profile

古田 勇樹

伊佐交通観光株式会社
代表取締役

古田 勇樹

ふるた ゆうき

鹿児島県伊佐市に本社を置く伊佐交通観光株式会社の代表取締役。貸切バス、タクシー、旅行企画事業を展開しており、伊佐市や北薩地域、南九州を中心にサービスを提供中。タクシーは伊佐市を中心に運行し、鹿児島県内や熊本県水俣方面にも対応。貸切バス事業では、九州圏内での団体旅行や修学旅行を企画・実施し、費用を抑えた快適な移動を提供しています。また、旅行業としても航空券や宿泊手配を行い、地元情報を活かした旅行プランを提案している。安全性と丁寧な接客を最重視する。

大曲 理美

大曲 理美

おおまがり さとみ

経歴:大学卒業後、「東京アナウンスセミナー」でスキルを磨く。2015年に「第24代椿の女王」に選ばれ、1年間伊豆大島の観光大使として活動。2020年にNHK和歌山放送局の契約アナウンサーとして入局。出演番組:「ギュギュっと和歌山(わかやま見つけ隊)」「ぐるっと関西おひるまえ」

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