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「未来に可能性がある」と信じるのは性質ではなく能力。Shikisai運営・株式会社ウェブリカ石塚直樹の一人語り

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地域色彩ラジオを立ち上げた石塚直樹が語る、地域に豊かさをもたらすための想いと、株式会社ウェブリカの理念について。地域企業を支援するデジタルマーケティングとPR戦略を軸に、未来が可能性に満ち溢れていると信じる力を持つ人々と共に、社会問題に立ち向かうことの重要性を訴える。地域活性化やSDGs推進に向けた取り組みや採用強化の裏側も紹介。

この回はゲストを呼ばず、Shikisai(地域色彩)プロデューサーの石塚直樹による一人語りです。番組の運営状況、そして運営会社である株式会社ウェブリカが何を考えている会社なのかを話しています。

月4本のはずが、月8本になった

ラジオ版のShikisaiは2月にスタートし、この収録時点で33回。翌月の8本も放送が決まっている状態でした。

もともとは月4本で始めています。ところが出たいと言ってくれる方が非常に増えたため、放送局側にお願いして月8本に増枠することになりました。

ただ、月8本となると自分で対談するのが厳しくなります。そこで協業することになったのが、アナウンサーのセカンドキャリアを支援する一般社団法人でした。石塚が所属する横浜青年会議所で知り合った方が代表を務めています。

この団体の背景には、業界特有の事情があります。

女性アナウンサーには、妊娠・出産を機に局を退社せざるを得ない方が少なくない。そうした方たちが集まり、地域貢献をしながら仕事も分け合っていく――そのために作られた団体です。

そして放送局は全国にスタジオを持っています。そのため地方の経営者が、地方のスタジオで、その地方に住むアナウンサーと収録できる形が取れるようになりました。

「会社のことをしゃべれなかった」という話

出演者の反応で、石塚が特に印象に残っているというエピソードがあります。

元自衛官の方で、自衛官のセカンドキャリア支援などを事業として展開している経営者。その考え方は素晴らしく、もっと広まるべきだと石塚は考えていました。

ところが、その方が以前に別のラジオに出演したときは、こうだったそうです。

元自衛官という経歴ゆえに、ひたすら訓練の話を聞かれて、会社のことをあまりしゃべれなかった。

その方から「Shikisaiは言いたいことを全部引き出してくれた、出て良かった」と言われたことが、強く残っているといいます。

聞く側の反応も紹介されていました。大手企業で部長を務めるサラリーマンの方からは、こんな感想が届いています。

中小企業の経営者がどういうことを考えて起業したのか、それが知れるのが面白い。

経営者に、ワークライフバランスという観点はない

番組を続けるなかで石塚が改めて思ったこととして語られたのが、この部分です。

経営者は、自分の人生をかけて仕事をしている。ワークライフバランスとよく言われるけれど、基本的に経営者にその観点はない。

石塚が好きな言葉として挙げたのがワークライフインテグレーション――仕事も私生活も全部一緒、という考え方です。

そういう人たちが自分の全ての時間をかけて作り上げたものが会社であり、そこから生み出されるサービスがある。刺さる人・刺さらない人はもちろんいる。それでも――

悪いものであるはずがない。

そして、番組の狙いがこの一文に集約されます。

その社長さんが目の前にいて、30分間自分のサービスを説明してくれたら、それは多分買ってしまう。その体験を、出演者にも聞き手にもしてほしい、と。

ROASが500%から150%になった、という現実

ここから、運営会社である株式会社ウェブリカの話になります。一言でいえばデジタルマーケティングの会社です。

出発点は、石塚がサラリーマン時代に副業でウェブ広告を使った事業を始めたこと。以来、ウェブ広告を中心に企業支援をしてきました。

しかし、その前提が変わってきています。

ウェブ広告が出始めた頃は、そもそも存在を知らない人が多く、出している人も少なかった。だから出せば簡単に売上が上がる世界だった。

それが今は、うざったいと感じられたり「どうせ広告でしょ」と見られたりする。石塚が挙げた数字が、変化を端的に表しています。

昔は広告費100万円で500万円の売上になることがざらにあった。最近は100万円出しても150万円ほど。

広告費に対するリターンを示す指標をROAS(Return On Ad Spend)といいます。それが500%から150%程度になった。そこ一本に頼っていると事業として立ち行かないケースが非常に増えている、と。

広告の鉄則と、その鉄則が効かなくなった理由

マーケティングには、必ず言える法則があると石塚は言います。

広告は、人が多いところで、他の人が出していない場所に出せば絶対に儲かる。

かつてのSNS広告は、まさにその条件を満たす場でした。しかし今はみんなが出していて、みんなが知っている。だから儲からなくなる。

では次はどこか。一時期はVRやメタバース空間への広告が来るかと思われましたが、そもそも人が集まらないため、新しい広告媒体としてはまだ機能していない、というのが石塚の見立てです。

ウェブのどこに広告を出せばいいのかが、非常に難しくなっている。だから同社が出した結論はこうでした。

広告に頼るのではなく、そもそも商品の魅力をどんどん伝えていこう。

デジタルマーケティングからPR領域へ。その取り組みの一つが、このShikisaiというメディアです。

PRとマーケティングの2軸を持つことから、横浜市の横浜SDGsデザインセンターの運営も受託しています。主なミッションはY-SDGs認証の取得者を増やすこと。この認証は横浜市が「SDGsにきちんと取り組んでいる」と認定する制度で、対外的に打ち出せるほか、建設業など公共事業の入札で評点がプラスになるという実利もあります。

銀行員から国土交通省へ。新幹線のルートを試算していた

「地域に豊かさを」という企業理念の由来は、石塚自身の経歴にあります。

社会人のスタートは銀行。横浜を駆け回っていました。そこから国土交通省に出向し、鉄道局で新幹線を作る仕事に就きます。

新幹線の線路は税金で作る公共事業です。だからどのルートにするかが非常に重要になる。石塚が担当したのは北陸新幹線――敦賀から大阪を結ぶ区間のルート議論でした。

その場での石塚の仕事は、ルートごとの経済効果を試算すること。ここで気づいたことが、その後を決めます。

経済効果は、何とでも言えてしまう。

試算には、これからの経済成長率人口減少率が入ります。このパーセンテージを少しいじるだけで、経済効果はまるで変わってしまう。

そして最も影響が大きかったのが、人口減少率でした。

どんなにひどいルートにしても、人口があまり減らない社会だと経済効果が出る。

だとすれば、人口減少そのものに税金を使ったほうがいいのではないか――その時からそう思っていたといいます。

2〜30年後の社会は、確実に今より苦しくなる。人口ピラミッドの構造上、支える側の現役世代が減っていくことが見えている。何かしなければいけない。

2年半で出向を終えて銀行に戻り、その後たまたま独立することになったとき、そこに少しでも貢献できる仕事にしたいと考えました。

では人口減少はなぜ起きるのか。諸説あるものの、石塚が置いた仮説は東京一極集中です。ならば地方で輝く会社を増やす。そのためのデジタルマーケティングとPRなら、おそらく自分が得意だろう――そうして「地域に豊かさを」という理念が生まれました。

横浜は「人が出ていく街」

横浜は地方なのか、という問いにも触れています。石塚の整理はこうでした。

福岡・博多、名古屋、大阪、仙台、札幌といった街は、周辺の地域から人が集まってくるから地方の大都市と呼ばれる。

ところが横浜は違う。人がたくさんいるのに、東京に吸い上げられてしまう街である。隣に東京があるので通えてしまうし、そちらのほうがチャンスが多いと思われている。

会社としては全国規模でやっていく。ただ個人的な興味としてはどう横浜を盛り上げるかが一番強い、と話していました。

「豊かさ」を、どう定義したか

「地域に豊かさを」と掲げるなら、豊かさとは何か。ここがこの回の中心でした。

もちろんお金をたくさん持っていることは豊かです。しかし――

100億円を持っていても、未来が悲観的だと思っている人ばかりなら、その100億円は大していいことに使われないし、地域が豊かということにもつながらない。

そこで同社は、豊かさを2つの状態として定義しています。

  • 地域に活気がある状態
  • 「未来が可能性に満ち溢れている」と信じられる能力を持った人・企業がたくさんいる状態
  • 石塚が「語呂は悪いけど気に入っている」というこの表現には、はっきりした主張があります。

    これはポジティブシンキングとは違う。

    なんとなく未来は大丈夫だよね、と適当に思うことではない。自分の経験、能力、資産――いろんなものを使って、放っておけば20〜30年後にしんどくなることが見えているマイナスのなかで、「こうすればいけるんじゃないか」とちゃんと思えること

    だから、こう結論づけます。

    未来に可能性が満ち溢れていると信じるのは、もはや性質の問題ではなく、能力である。

    ならば、その能力を持っている人がたくさんいる社会を作りたい。採用で一番大事にしているのもそこだ、と語っていました。

    「解決策は、一文で終わらせる」

    ビジョンの下にあるミッションは、こう掲げられています。

    地域企業の難しい問題を解決するために、わかりやすいソリューションを提供し続ける。

    その背景にあるのが、石塚が「言い過ぎかもしれない」と前置きしたうえで語った実感です。

    企業経営で出てくる課題に、そんなに難しいものはない。多くはワンフレーズで解決できるようなことなのに、いらない情報までくっつけて難しくしてしまっている

    だから同社では、お客様と向き合うときの「こうやって解決しましょう」の部分を一文で終わらせる努力をしている。「商談数を増やしましょう。増やすにはこれをやりましょう」というふうに。

    理由は明確でした。難しく聞こえるものは取り組みづらい。大手ならできる複雑な施策も、地方の中小企業には手が出ない。だから「解決策は実はシンプルなんですよ」と提唱し続ける

    例として挙がったのが営業支援です。

    営業も本当はそんなに難しくない。「うちはこんなことをやっていますが、興味ありませんか」と声をかける数を最大化すれば、絶対に誰かは興味があると言う。ならばそれを人力ではなくITで効率的にやる。

    5万社にメールを送れば、返ってくるのはごく一部です。しかし石塚はその少数を重視します。5万社のうちぱっと反応してくれる数社は、それだけ切実な悩みを抱えている。そこに自社サービスでの解決策を提案していくと、結構決まる。

    「あれができない、これができない」ではなく、やるべきことはこれです、ならばやりましょう、むしろこちらで代わりにやります――そういう支援の仕方を心がけているそうです。

    この回で言いたかったこと

    エンディングで、石塚は種明かしをしています。ちょうど企業理念を考え直している時期であり、「この言葉だ」と定まったのが「未来が可能性に満ち溢れていると信じる力がある人」だった。

    「正直、今日はこれだけ言いに来たという感じです」

    ちなみに一人語りについては、素直に「めちゃくちゃ冷や汗をかいている」と話していました。以前に一人語りをして言葉に詰まり、その場のPAだった元町のフットケアサロンの方が「私が対談相手をやりましょうか」と申し出てくれて成立した回があった――そんな失敗談も添えられています。

    ※本記事は、ラジオ番組でお話しした内容をShikisai編集部が記事としてまとめたものです。発言は趣旨を損なわない範囲で整理しています。数値・制度の内容は収録時点のものです。

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ご紹介

Profile

石塚 直樹

株式会社ウェブリカ
代表取締役

石塚 直樹

いしづか なおき

新卒でメガバンクに入社し、国土交通省、投資銀行を経て独立。腕時計ブランド日本法人の立ち上げを行い、その後当社を創業。地域経済に当事者意識を持って関わりながら、様々な企業の利益改善や資金調達を、デジタルや金融の知見を持ってサポートしています。 ■編集長インタビュー 「メディア「地域色彩」立ち上げの背景とは?株式会社ウェブリカ・石塚直樹が語る地域企業活性化のビジョン」 https://chiiki-shikisai.com/webrica-ishizukanaoki/

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