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民間救急とは?震災で予約が全部消えた貸切バス会社が始めた理由

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旅行業一筋20年以上のキャリアを持ち、民間救急事業も展開する碓氷代表。事業転換や創業の苦労、そして今後の展望を語るインタビューは、興味深く、聴き応え抜群です!ぜひ最後までお楽しみください!

株式会社スター交通とは

株式会社スター交通は、群馬県大泉町――ほぼ埼玉県に接する場所――に本社を置き、埼玉と東京に事業所を構える会社です。手がけているのは貸切バス民間救急の2つ。

代表取締役の碓氷浩敬さんは、20年以上を旅行業と旅客輸送業に費やしてきました。ただし、いまの事業に行き着くまでには2度の大きな転換があります。

「旗を持って海外を案内する仕事」に憧れて

学生時代に描いていた夢は、旅行会社に就職して旗を持ってお客さんを海外に案内する仕事でした。高校卒業後は旅行の専門学校で資格を取り、20歳から30歳までの10年間を旅行業で過ごします。

入社当初は起業を考えてもいませんでした。国内外へお客様を案内する仕事が、純粋に楽しかったからです。

転機は20代後半。勤めていた会社には今でも感謝している一方で、お客さんに対して親切でない部分を感じるようになります。会議で手を挙げて発言しても、なかなか取り入れてもらえない。理解してもらえないことが度々あった。

だったら自分の考えで旅行会社を始めたほうが、きっとお客様に喜んでいただける――その思いが強くなり、30歳になってから創業しました。

創業のタイミングは、決して良くなかった

ただし、時期には恵まれませんでした。創業直前にはアメリカ同時多発テロ、その後にはリーマンショック。バブル崩壊後でもあります。「起業・創業するのには、もしかしたら適していない時だったのではないか」と碓氷さんは振り返ります。

それでも続けられた理由を尋ねると、答えは2つでした。1つは、大変さと同時に楽しみと喜びを感じていたこと。

もう1つは、もっと現実的な話です。創業は一度始めると、安易に元に戻ったり辞めたりできない。しがらみもあれば、お金の問題もある。辞めることができないからこそ、辛くてもこの状況から脱却したい、もっと上を目指したいという思いで続けた。途中まではほとんど休みがなかったといいます。

旅行代理店は「机と電話の商売」

最初の転換は、業種そのものの変更でした。きっかけは、業界内でよく言われるという表現です。

旅行代理店は「机と電話の商売」。

飛行機も、バスも、旅館も、旅行の素材はすべて仕入れです。本来お客様が自分で手配すべきものを代理でやる仲介業である以上、利幅も少なく、武器がない。このまま旅行業を続けるのかどうか――碓氷さんはそこで考えます。

武器となる何かを持とうとしたとき、現実的だったのがバスでした。中古の貸切バスを5台買い、旅行業から旅客輸送へ主軸を移す。構想は30代後半、実際に始めたのは40歳のときでした。

許認可が下りる直前に、東日本大震災

ところが、貸切バスの許認可が間もなく下りるというそのタイミングで、2011年3月11日を迎えます。

もともとやっていた旅行業の団体旅行はキャンセル。バスの認可が下りてから入っていた予約も、すべてなくなりました

ここで碓氷さんは、自分の事業の性質をはっきり理解します。旅行業も弱い。レジャー性の高い貸切バス・観光バスも、社会的な優先度が低い。非常時になれば、いとも簡単にキャンセルをもらうものなのだ、と。

ならば、もっと優先度の高い仕事は何か。そう考えて調べるなかで見つけたのが民間救急でした。

民間救急とは何か

貸切バスも民間救急も、人を運ぶ仕事であることは同じです。しかし性質はまったく違います。

碓氷さんの見立てはこうでした。福祉輸送というより、医療搬送。病院に近く、医療に近い。だから平常時も非常時も優先度が高い。

震災後の1か月半、会社に行っても仕事は何もありませんでした。予定していた仕事はすべてキャンセルされていたからです。その時間を、民間救急を調べることに充てたといいます。

問題は、社長を含めて従業員に医療従事者が一人もいないことでした。「本当に僕らにもできるのか」と思いながら調べたところ、当時必要とされたのは、ホームヘルパー2級という福祉の資格と、消防が認定する患者等搬送に関する適任証――傷病者を輸送してよいという証明でした。

そして半年後には許認可を取得。スター交通は創業の年にまず貸切バスを始め、その半年後に民間救急を加えるという形でスタートしました。

「机と電話の商売」に武器がないと感じてバスを買い、そのバスが非常時に無力だと知って医療搬送へ。碓氷さんの2度の転換は、どちらも自分の事業の弱さを直視したところから始まっていました。

※本記事は、ラジオ番組でお話しいただいた内容をShikisai編集部が記事としてまとめたものです。発言は趣旨を損なわない範囲で整理しています。民間救急に必要な資格・許認可の要件は制度改正により変わることがあるため、最新の情報は所管の窓口にご確認ください。

公式サイトはこちら→https://www.s-koutsu.com/

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Profile

碓氷 浩敬

株式会社スター交通
代表取締役

碓氷 浩敬

うすい ひろたか

株式会社スター交通代表取締役。2011年、群馬県邑楽郡大泉町に株式会社スター交通を設立。貸切バス事業をメインに、東日本大震災を機に民間救急事業へ業容を拡大した。

石塚 直樹

株式会社ウェブリカ
代表取締役

石塚 直樹

いしづか なおき

新卒でメガバンクに入社し、国土交通省、投資銀行を経て独立。腕時計ブランド日本法人の立ち上げを行い、その後当社を創業。地域経済に当事者意識を持って関わりながら、様々な企業の利益改善や資金調達を、デジタルや金融の知見を持ってサポートしています。

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