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感覚ではなく、学びとしてのコーヒーへ。アカデミーが描く人材育成の形 / UCCコーヒーアカデミー

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コーヒーは、味や香りを楽しむだけの飲み物ではありません。人を育て、組織を支え、文化として受け継がれていく存在でもあります。UCCコーヒーアカデミーは、趣味としてコーヒーを楽しむ人から、仕事として深く関わる人まで、幅広い層に向けて学びの場を提供してきました。本記事では、川口雅也さんと土井克朗さんを迎え、なぜコーヒー教育に取り組み続けているのか、現場でどのような変化が起きているのか、そしてこれからどんな未来を描いているのかについて、対話形式で丁寧に伺います。

今回は石塚がナビゲーターとなり、
UCCコーヒーアカデミー 学長の川口さん
UCCコーヒーアカデミー 東京校責任者の土井さん
にお話を伺いました。

コーヒーアカデミーは誰のための場所なのか

石塚:
今日は、資格の説明をするというよりも、コーヒーが人や組織の中でどのように使われているのかを中心に伺いたいと思っています。まずはお二人から自己紹介をお願いできますか。

川口さん:
はい。UCCコーヒーアカデミーの川口です。今年の1月から学長を務めています。それまでは約10年間、東京校で講師として授業を行ってきましたので、現場の経験を踏まえてお話しできればと思っています。

石塚:
ありがとうございます。では土井さんもお願いします。

土井さん:
はい。UCCコーヒーアカデミー東京校の責任者をしています、土井です。青山一丁目にある施設で、コーヒーの魅力を伝える仕事をしています。

石塚:
UCCという名前は多くの方が知っていると思いますが、アカデミーについてはまだ知らない方も多い印象があります。改めて、どんな場所なのか教えてください。

川口さん:
UCCコーヒーアカデミーは、2007年に神戸で誕生しました。初心者の方から、すでにプロとして活躍されている方まで、幅広い方を対象にコーヒーの授業を行っています。

石塚:
プロだけの場所というわけではないのですね。

川口さん:
はい。家庭でコーヒーを楽しみたい方も、仕事として携わる方も、同じ入口から学んでいただける場所だと考えています。

教育に力を入れるようになった原点

石塚:
そもそも、なぜここまで教育に力を入れるようになったのでしょうか。

川口さん:
現場で仕事をしてきた中で、課題を感じることが多くありました。コーヒーの技術や知識が、どうしても属人的になりやすかったのです。

石塚:
属人的というと、どういう状況でしょうか。

川口さん:
教えられる人が限られていて、その人が辞めてしまうと知識が途切れてしまう、ということです。また、人によって基準が違うので、何が正解なのか分かりにくい状況もありました。

石塚:
確かに、職人の世界ではよく聞く話ですね。

土井さん:
私自身も、現場でバリスタとして働いていた頃は、感覚的に覚えていることが多かったです。先輩の背中を見て学ぶ、という形が中心でした。

石塚:
そのやり方に限界を感じるようになったのですね。

土井さん:
はい。感覚だけでは伝えきれない部分が多く、もっと整理された形で教える必要があると感じました。

コーヒースキルズプログラムという体系化された教育プログラム

石塚:
そうした課題意識の中で出てきたのが、コーヒースキルズプログラムなのですね。

川口さん:
そうですね。コーヒースキルズプログラムは、世界的に展開されている体系化された教育プログラムです。学ぶ内容やレベルが整理されていて、段階的に理解を深めていけるようになっています。

石塚:
資格という形を取られているのも、その体系化の一環ということでしょうか。

川口さん:
はい。レベル分けを明確にすることで、どこを目指せばいいのかが分かりやすくなりますし、誰が教えても一定の水準に到達できるようになります。

石塚:
現場では、どんな変化を感じていますか。

土井さん:
新人教育の場面で、「あの人に聞いて」ではなく、「このレベルを目指そう」と言えるようになりました。プログラムがあることで、教育が自然と機能するようになった感覚があります。

石塚:
教える側にとっても変化がありそうですね。

土井さん:
はい。感覚だけに頼らず、基準をもとに話せるようになりましたし、自分の経験を整理するきっかけにもなっています。

組織単位で使われる中で見えてきた変化

石塚:
個人だけでなく、組織として人を育てたいという考えの中で、コースを利用されるケースもあるようですが、現場ではどのような変化を感じていますか。

川口さん:
複数の店舗を持つ組織の場合、考え方や基準をそろえることが大切になります。そこがそろうことで、品質や教え方に一貫性が生まれていきます。

石塚:
具体的には、どんな変化が起きるのでしょうか。

川口さん:
スタッフの意識が、「作業」から「意味を理解した行動」に変わっていくことが多いです。なぜこの工程が必要なのかを理解すると、行動そのものが変わります。

石塚:
教育の捉え方も変わってきそうですね。

川口さん:
はい。結果として、教育を組織を支えるための取り組みとして捉えていただけるようになります。

土井さん:
個人のスキルアップで終わらせず、組織全体で共有できる点が大きいと感じています。

裾野を広げるという考え方

石塚:
今後、どんな人たちにアカデミーの存在が届いてほしいと考えていますか。

川口さん:
プロ志向の方だけでなく、コーヒーに興味を持ち始めた方や、組織の中で人を育てる立場にいる方にも知っていただきたいです。

石塚:
コーヒーを通じた人づくり、というイメージでしょうか。

川口さん:
はい。コーヒーを学ぶことが、結果的に人や文化を育てることにつながればと思っています。

土井さん:
これからコーヒーに関わりたい方や、第二の人生としてコーヒーを楽しみたい方にも、支えになる場所でありたいです。

石塚:
裾野を広げる、という言葉がしっくりきますね。

これからに向けてのメッセージ

石塚:
最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

土井さん:
まずは、コーヒーを好きになっていただけたら嬉しいです。その中で、もっと知りたいと思ったときに、私たちが後方支援できればと思っています。

石塚:
川口さんはいかがでしょうか。

川口さん:
学長としてまだ新しい立場ですが、コーヒーに携われることへの感謝を日々感じています。その気持ちを、より多くの方に豊かなコーヒーライフを届ける形で返していきたいです。

石塚:
本日はありがとうございました。

川口さん:
ありがとうございました。

土井さん:
ありがとうございました。

編集後記

今回の取材で印象的だったのは、「教えること」を感覚や経験に任せるのではなく、誰にでも共有できる形にしようとする姿勢でした。コーヒーという身近な存在を通じて、人や組織の在り方に向き合う取り組みは、コーヒー業界に限らず、多くの分野に通じる示唆を含んでいるように感じます。

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Profile

川口 雅也

UCC コーヒーアカデミー
学長

川口 雅也

かわぐち まさや

これまで約10年間にわたり東京校で講師として現場に立ち、コーヒーの知識や技術を伝えてきた。
現在は学長として、初心者からプロまで幅広い層に向けたコーヒー教育の在り方を考えながら、コーヒーを「感覚」ではなく「体系化された学び」として伝える取り組みを進めています。
コーヒー業界における人材育成や、教育を通じた業界全体の底上げを重視しています。

土井 克朗

UCC コーヒーアカデミー
東京校責任者

土井 克朗

どい かつろう

UCCコーヒーアカデミー東京校の責任者。
もともとは現場でバリスタとして経験を積み、サービスや所作を通じてお客様に価値を届ける仕事に携わってきた。
コーヒーの競技会にて、ハンドドリップ部門において1位、コーヒーカクテル部門でも決勝に進んでいる。
現場経験と教育の両面から、分かりやすく再現性のある伝え方を大切にしています。

石塚 直樹

株式会社 ウェブリカ
代表取締役

石塚 直樹

いしづか なおき

新卒でメガバンクに入社し、国土交通省、投資銀行を経て独立。
腕時計ブランド日本法人の立ち上げを行い、その後当社を創業。
地域経済に当事者意識を持って関わりながら、様々な企業の利益改善や資金調達を、デジタルや金融の知見を持ってサポートしています。

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