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大阪泉州のタオルメーカー東進とは?丁稚10年から一代で築いた会長の話

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大阪・泉佐野発、世界へ羽ばたくタオルメーカー「株式会社東進」。その礎を築いた創業者の大和谷会長が登場。学生時代から丁稚奉公で学び、30歳で起業。波乱の資金繰りや倒産危機も、社員や家族の支えによって乗り越えてきたストーリー。現在は次男が社長に就任し、今治工場の強みを活かしてアジア・インド展開に挑戦中。人を育て、人に感謝する姿勢を貫いた経営者の言葉に、ビジネスの本質と未来のヒントが詰まった30分。

株式会社東進のHPはこちら

株式会社東進とは

株式会社東進は、タオル発祥の地として知られる大阪・泉州(泉佐野市)を拠点とするタオルメーカーです。今治に自社工場を持ち、タオルの商品開発から製造、発送、販売までを手がけています。

代表取締役会長の大和谷進さんは、この会社を一代で築いた人物です。ただしその出発点は、タオルとは縁もゆかりもないところにありました。

母が「タオル屋に行け」と言った理由

高校卒業時、大和谷さんは勉強が嫌いでした。大学に行けという親の希望もありましたが、本人にその気はない。

最初に就職したのは河合楽器で、そこに2年ほど。楽器からタオルへ――かなり離れた転身に見えますが、そこには母親の思いがありました。

大和谷家は決して裕福ではなく、父親は大工。そして母親はタオル工場の女工として働いてきました。苦労を重ねながらも、母にとって「タオル屋さんはいい仕事だ」という実感があったのです。だから息子にも勧めた。

20歳から10年間の丁稚奉公

20歳でタオル問屋へ入り、大阪・横堀で約10年間を過ごします。いわゆる丁稚奉公でした。

初日のことをよく覚えているそうです。社長と大阪市内を歩いていくと、突如として路地に入っていく。そこにあったのは瓦葺きの二階建ての長屋。「えらいところでタオルやってんなあ」と驚いたといいます。

日課は朝の掃除に始まり、帰りも掃除。しかもそこは会社組織のタオル屋ではなく、4〜5人でやっている会社でした。

当時は「嫌で嫌で」仕方なかったといいます。しかし小さな会社だったからこそ、一から十まで全部やらなければならなかった。それが結果として、独立後に効いてきます。経営する側になれば、すべてを分かっている必要があるからです。

自転車にタオル1,200枚、太鼓橋でひっくり返る

丁稚時代のエピソードとして語られたのが、7月頭の繁忙期の出来事でした。

社長が風邪で休んでしまい、対応は大和谷さんたちに委ねられます。納品先は船場にあった大きな現金前売り問屋。リピートに次ぐリピートで注文が入り続けました。

ところが当時の大和谷さんは車の免許を持っていません。どうしたか。自転車に積んで配達したのです。

そして事件が起きます。大正区の太鼓橋を渡るときのこと。積んでいたのはタオル1,200枚――紙で包み、紐でくくった状態で、両手でも抱えられない大きさです。

太鼓橋を登っている途中、後ろが重すぎて自転車ごとひっくり返ってしまったといいます。

「今では考えられんような時代でした」と振り返りながら、大和谷さんはこう続けました。あのとき「くそっ」という部分を身につけさせてもらった。逆境を乗り越える力は、そこで培われたのだと。

「31歳で独立したらええ運勢を持ってるで」

独立のきっかけも、思いがけないものでした。

ちょうど10年が経った頃、会社にある人が訪ねてきます。のちに株式会社東進のはんこを作ってくれることになる方でした。

その方が大和谷さんにこう言ったのです。「あんた、31歳で独立したら、ええ運勢を持ってるで」

タオルを買ってくれていた相手でもあり、褒め言葉だったのかもしれない。それでも大和谷さんにとっては、タオル屋を始めるきっかけを作ってくれた人でした。

社名「東進」に込められた意味

独立当初は別の屋号でしたが、法人化するにあたって社名を考えることになります。

そこで例の方に依頼したところ、2つの候補が返ってきました。「東進」と「泉進」。泉佐野が拠点ですから、泉進という案には土地の名前が入っています。

大和谷さんが選んだのは東進でした。理由は、この一点です。

東に登る。東京に登る。

自転車で太鼓橋をひっくり返った丁稚が選んだ社名には、そういう気配が込められていました。

※本記事は、ラジオ番組でお話しいただいた内容をShikisai編集部が記事としてまとめたものです。発言は趣旨を損なわない範囲で整理しています。

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Profile

大和谷 進

株式会社東進
代表取締役会長

大和谷 進

やまとや すすむ

株式会社東進の代表取締役会長。大阪府泉佐野市でオリジナルブランド「大和」としてタオルの卸・販売を始めたことをきっかけに、タオル業界に参入。その後、株式会社東進を設立し、タオル製品の卸・販売・企画・製造を手がける企業へと事業を拡大。1982年4月に会社を設立し、2018年には代表取締役会長に就任し、現在はグループ全体で約80名の従業員を擁している。伝統と技術を融合させた新しい価値の創造を企業理念に掲げ、タオルの企画力や品質管理、全国への物流体制など、幅広いサービスを展開中。

福野 理恵

福野 理恵

ふくの りえ

兵庫県出身。学生時代からDJ、テレビ出演、イベント司会などを経験。神戸大学大学院(美術教育論)修了。NHKキャスターやFM徳島ラジオDJ、神戸にある国際語学学院の職員を経て2009年渡米。NYで主人と出会って2011年西海岸へ移住し結婚。De Anza Collegeで映画/テレビの資格を取得後、カリフォルニア州立大学サンノゼ校大学院にてジャーナリズム・マスコミ修士取得。修了制作のドキュメンタリーはBest Short国際映画祭で優秀賞を受賞。その後は子育て&IT企業で4年ほど働き、現在はラジオと男児2人の子育てに専念。趣味はハイキング・写真・カフェでお喋り・息子とお菓子作り。

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