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ネットのセルフケアで良くならないのはなぜ?浜松の整体院・理学療法士2人に聞く「やり方次第」の話

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平尾嘉信と高柳勝之が提供する治療法は、単なる痛みの緩和にとどまらない。筋肉調整や体のバランスを整えることで、痛みやしびれの根本原因にアプローチし、生活習慣の改善を通じて再発防止を目指す。手がける運動療法は姿勢改善に効果的で、患者が健康的な体を維持できるようサポート。ネットの過剰な情報に惑わされることなく、個々の患者に最適なアドバイスを提供し、健康で豊かな生活を実現するためのノウハウが明らかに。

ぜひ最後までお聴きください。

整体院 松華(静岡県浜松市)とは

整体院 松華は、静岡県浜松市にある整体院です。院長の平尾嘉信さんと、高柳勝之さん――お二人とも理学療法士という経歴を持っています。

対象としているのは、痛みやしびれにお悩みの方。とりわけ整形外科や整骨院、他の整体院に行ってもなかなか変化が見られない方や、慢性的に何年も痛みが続いている方だといいます。

やっていることは、体を緩めること。ただし緩めるだけではだめで、鍛えること、全体のバランスを整えること。さらに食事や睡眠といった生活習慣全体のアドバイスまでを含みます。

高柳さんは運動面を担当。整体×ピラティスという形でトレーニングをしながら、痛みや姿勢の改善をサポートしています。

なお平尾さんは、インタビューのなかで「法律上『治る』ということもなかなか使いにくいので、あえて『改善』と言わせていただくと」と、言葉を選びながら話していました。本記事もその姿勢に沿っています。

ネットのセルフケア情報は「合う・合わない」より「やり方次第」

今はネット上に、痛みへの対処法が溢れています。それをどう見ればいいのか。ここが、この回でいちばん実用的な話でした。

平尾さん自身もYouTubeでセルフケア動画を発信している立場です。そのうえで、発信側の構造をこう説明します。

YouTubeやInstagramの情報発信は「見ていただくための情報発信」である。だからいかに興味を持ってもらうかが配信者側にとって重要になる。その結果、「一発で治りますよ」「たった一つの原因はこれですよ」といった、やや過剰な表現になりやすい

さらに、過去に自分が発信した内容を「実はこれ危険ですよ」と後から否定する発信も出てくる。見ている側は情報に迷わされてしまうのではないか、と。

ただし平尾さんは、ネットの情報が間違っているとは言いません。「言っているセルフケア自体が間違っていないなと思うことはたくさんある」し、それで改善している方もたくさんいる。

では何が問題か。インタビュアーが「情報が正しくても、やりすぎということはあるのか」と尋ねると、答えは明快でした。

程度、バランスを考えてやらなければいけない。場合によっては、そのやり方が推奨されることもあれば、同じやり方を禁止とするところもある。

そして、その判断が一般の方には非常に難しい。

「合っているか合っていないか」ではなく「やり方次第」――平尾さんはそう言い直しました。実際、同院に来る方には「セルフケアをやったけど良くならなかった」という人が多く、何をやっているか聞いたうえで「そうやるならもう少しここをこうした方がいい」「ここまでやりすぎると危ないので、ここまでにしておくといい」と伝えることが結構多いそうです。

肩が凝っているのに、股関節を見る

もう一つ、素人の感覚とズレていて面白かったのが運動面のアプローチです。

首が痛い、巻き肩になっている――そういう方に対して、高柳さんは首だけにアプローチしないといいます。

見るのは股関節の動きや、土台となる体幹。そこをトレーニングして安定させてから動きを出していく。

インタビュアーは驚きます。肩が凝ったら肩をマッサージしてもらえば楽になると思っていた、と。高柳さんの説明はこうでした。

マッサージに行けばその場はすごく楽になる。しかし、仕事柄ずっとパソコンをいじっているような方は、姿勢を少しずつ変えていってあげないと、どうしても繰り返し巻き肩になったり肩が凝ったりしてしまう。だから日常生活や仕事の内容を参考にしながらアプローチする。

「評価」があって、はじめて対策がある

平尾さんが繰り返し使っていた言葉が「評価」です。理学療法士の職業的な考え方が、そのまま整体院のスタイルになっています。

YouTubeのストレッチは「やってみて効くか効かないか」が判断基準になる。しかしプロとして関わるときは、正しい評価があって、それに対して正しい対策をとるという順番になる。

例えば肩こりで、確かに筋肉が硬くなっているとする。それでも「なぜそれが硬くなってしまったのか」まで遡る。動き方の問題なのか、荷物の持ち方や座り方なのか。

そして実際の進め方は、一個ずつ確認していく作業だといいます。

一個やってみて、変化はどうか確かめる。効果があったものは継続し、効果がないものは削いでいく。それを繰り返しながら、その人にとっていい方向に行く方法を一緒に見つけていく。

もう一つ、平尾さんが大事にしているのは本人の納得です。「私はここが悪いと思うんですけど」と来る方もいれば、「原因が知りたい」と広く尋ねる方もいる。どちらにも、その人が納得できる形で説明する。

理由は現実的でした。本人が納得しなければ、こちらがストレッチを勧めても継続できない。そして継続こそが大事だから、本人のやりたいやり方に合わせられるよう「カードをたくさん用意する」ようにしている。

病院のリハビリから、保険を使わない自費の道へ

平尾さんはもともと、地域密着型の病院に勤務する理学療法士でした。救急車で運ばれてくる方から、地域の高齢の方、施設に入所する方まで幅広く担当。理学療法士協会の活動で、地域向けの健康教室などのイベントも行っていました。

そこで感じたことが2つありました。

一つは、相談するところがないという声。もう一つは、骨折や病気を発症する「前」にできることがあるのではないかということ。

病気を発症してしまうと生活の質が大きく変わり、それまで住んでいた家に住めなくなる方も多く見てきた。そうならない方法があるのではないか。それに対して自分ができることがあるのではないか。

そこから予防に関心を持ち、理学療法士としての評価・対策と並行して予防を学ぶようになりました。そしてある程度目処が立ったタイミングで、保険を使わない自費の分野で頑張ろうと決めて開業します。

高柳さんも理学療法士で、整形外科に勤務していました。痛みが出て良くなってはいくけれど、日常生活のなかで再発してしまう方、なかなか良くならない方がいる。そこに長くアプローチしたいと考え、週末開業という形で独立。ご縁があって、現在は松華に業務委託という形で参加しています。

2年間のラブコール

2人の出会いは約8年前の勉強会でした。それぞれ別の紹介者に誘われて参加し、たまたま顔を合わせたのだといいます。

平尾さんいわく、考え方はすごく似ていた。思い描いている未来像も似ていた。ところが、やろうとすることは真逆に近いくらい違った。

だからこそ、と平尾さんは考えます。方向性は一緒で、やることが違う。ならばお互いの苦手なところを補い合えるのではないか。

高柳さんはトレーニングが得意でした。自分が勉強していってもいいけれど、得意な人がやったほうが患者様のためになる。だったら一緒にやって、お互いが自分の分野を職人みたいに極めていこう――トレーニングを高柳さんに任せ、自分は整体をメインにやる。そう声をかけました。

ところが高柳さんは、なかなか踏ん切りをつけてくれません。

平尾さんからのラブコールは、約2年間続きました。

「それほど彼と一緒にやりたかった思いは強かったですね」と平尾さん。8年経った今も、なんだかんだで一緒にイベントをやり、勉強会に行っている。考え方は違うけれど、お互いを尊重し合えるのが特徴だといいます。

痛みがあっても幸せになる方法はたくさんある

印象に残っている方を尋ねたとき、平尾さんは「パラダイムシフト」という言葉を使いました。

病院でリハビリをしている人は皆そうだと思うが、痛みをゼロにすることをすごく大事にしている。平尾さんもずっとその考えでやってきました。

ある方は、当初のひどい状態から比べれば格段に良くなっていたものの、痛みやしびれが少し残っていました。平尾さんの側には「なんか残っちゃったな」というモヤモヤがあった。

その方が、ある時こう報告します。

「旅行に行ってきました」

行く気になって行ってみたら、行けた。もちろん現地で痛くなってしまったけれど、「先生から教えてもらったセルフケアをやったら元に戻りました」と。

平尾さんの考え方は、この一件で変わりました。

痛みを完全に取り切ることよりも、その方の人生がどう関わることで幸せになってくれるかを考えるようになった。もちろん痛みをゼロにしたいし、そこを目指してやっていく。ただ最悪それができなかったとしても、その方にとっての幸せは何かを一緒に考えていく。

「痛みがあっても幸せになる方法って、たくさんあるよね」――平尾さんの言葉です。

高柳さんの願いはシンプルでした。楽しく運動をして、笑顔になっていただきたい。

縁を、増やしすぎない

今後のビジョンを尋ねられた平尾さんの答えには、拡大とブレーキの両方がありました。

たくさんある整体院のなかから自院を選んでくれた、その縁のある方をまず大切にし、できることを徹底的にやりたい。縁はできるだけ多くなればいいとも思う。

ただし、多くなりすぎることで一人ひとりへのサポートが疎かになってしまうのが、一番の本末転倒だと。

だからできる範囲のなかで数を増やしていく。そして情報発信の量と質を増やし、同じ考えのもとで一緒に働いてくれる方がいればスタッフや店舗を増やしていきたい。採用についても「今すぐというわけではないが、やっぱり考え方が大事」と話していました。

最後に平尾さんが付け加えた一言が、この回全体を説明していたように思います。

「こういうことをやったらこういう結果になる」と見えていれば、それは医療のなかで保険適用として科学的根拠が取れることのはずだ。同じことをやって同じ結果にならないという状況のなかでは、一人ひとりに合わせたアプローチをしていかなければいけない。

※本記事は、ラジオ番組でお話しいただいた内容をShikisai編集部が記事としてまとめたものです。発言は趣旨を損なわない範囲で整理しています。施術の効果には個人差があり、症状や体調に不安のある方は医療機関にご相談ください。

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Profile

平尾 嘉信

整体院松華
院長

平尾 嘉信

ひらお よしのぶ

「健康寿命の延伸・健康で幸せな人生をトータルサポート」という信念のもと、整体院松華を運営。名古屋の学校で学び、その後、病院や老人施設などでリハビリに携わる中で、予防医学の重要性を実感し、整体院の開業を決意。趣味や日常生活では、古武術、瞑想、草取りに興味を持ち、毎日のルーティンとして白湯を3リットル飲むこと、瞑想、礼法を実践。

高柳 勝之

整体院松華
副院長

高柳 勝之

たかやなぎ かつゆき

施術歴13年の整体師。得意な技術・デザインは姿勢の改善、痛みの改善、ボディメイク、痩身。趣味は身体を動かすこと(特にバスケとバレー)、自転車、キャンプ、アニメ。

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