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ケアマネージャー(介護支援専門員)とは?仕事内容と、潜在ケアマネ50万人の理由

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高齢化社会で高まるケアマネージャーの役割

高齢化が加速する日本社会で、ケアマネージャー(介護支援専門員)の役割はますます重要性を増しています。2000年の介護保険制度開始とともに誕生したこの職種は、要介護認定を受けた65歳以上の利用者を中心に、新規依頼の受付から課題のヒアリング、最適なケアプランの作成、介護サービス事業所や医療機関との連携までを担います。さらに、月1回のモニタリングや書類作成、役所への申請業務など、現場と事務作業の両面での対応が欠かせません。

資格取得の流れと潜在ケアマネの現状

ケアマネージャーになるためには、看護師や介護福祉士などの国家資格を取得し、5年間の実務経験を積んだうえで試験に合格し、研修を修了する必要があります。新卒で就ける職業ではなく、多くは介護福祉士からのステップアップが一般的です。全国には約75万人の資格保有者がいますが、実務についているのは18万人程度で、そのうち在宅ケアマネはわずか12万人にとどまります。残る50万人以上は「潜在ケアマネ」と呼ばれ、給与の減少や業務負担の大きさが就業をためらわせる要因となっています。こうした状況を改善するため、国会でも処遇改善の議論が進められています。

単独型事業所が持つ中立性と信頼性

千葉県市川市に本社を構える株式会社マロー・サウンズ・カンパニーは、東京都と千葉県に7つの拠点を持ち、40名のケアマネージャーが在籍する単独型居宅介護支援事業所です。全国の約9割は訪問介護やデイサービスなど自社サービスを併設していますが、単独型事業所は中立性が高く、利用者にとって本当に適した事業所を自由に選べるのが特長です。国の制度でも公平性を確保するため、同一法人への紹介割合が一定を超えると介護報酬が減額される仕組みが導入されています。単独型である同社では、自社サービスに縛られず、本当に利用者に合ったケアプランの提供が可能です。

ICT化による業務効率化の取り組み

介護業界では今も電話やFAXが主な連絡手段ですが、同社ではチャットワークやLINE WORKS、メディカルケアステーション(MCS)などのICTツールを積極的に導入し、事業所間の情報共有をスピードアップしています。社内にはDXサポート部門を設け、現場スタッフへの操作指導やリモートサポートを行い、長年続いてきたアナログ業務からのスムーズな移行を支えています。こうした取り組みは業務の効率化だけでなく、ケアマネージャーが利用者支援により集中できる環境づくりにもつながっています。

現場に立ち続ける経営者の姿勢

代表の田中紘太さんが介護業界に関心を持ったきっかけは、祖母との生活でした。国家資格を取得し、現場経験を重ねたのち、2011年に同社を創業。経営者でありながら現場にも立ち続けるのは、制度改正の最新情報をいち早く現場に共有し、ケアマネージャーの教育や支援を直接行うためです。現場感覚を持った経営は、スタッフの信頼と安心感にもつながっています。

働きやすい環境づくりと今後の展望

マロー・サウンズ・カンパニーでは月に一度の社内研修を実施し、報酬改定や医療知識の習得など、ケアマネージャーのスキルアップを支援しています。さらに業務マニュアルの整備やAI活用の検討も進め、長期的に安心して働ける職場環境を目指しています。田中さんは「中立な視点と温かいサポートで、一人ひとりの暮らしに寄り添いたい」と語り、高齢化が進む社会でのケアマネージャーの重要性を強調します。

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ケアマネージャー(介護支援専門員)とは

ケアマネージャーの正式名称は介護支援専門員。介護保険制度が始まった2000年からある職種で、この資格がなければケアマネ業務を行えない決まりになっています。

対象となるのは、基本的に65歳以上で要介護認定を受け、在宅で介護サービスを使う方です。株式会社マロー・サウンズ・カンパニー代表取締役で、介護福祉士とケアマネージャーの資格を持つ田中紘太さんに、仕事の実際を伺いました。

ケアマネージャーの仕事の流れ

仕事は依頼を受けるところから始まります。地域包括支援センター(行政の出張所のような機関)や病院などから、新規の利用者について相談が入ります。

そこから、利用者の希望に合ったサービスを調整し、解決したい課題を聞き取っていきます。課題分析やニーズの把握といった専門的な工程を経て、介護サービスを提案し、ケアプランを作成。プランが実行できるよう、介護サービスの担当者と連携しながらサービスの提供を開始します。

ただし、プランを作って終わりではありません。サービスが滞りなく行われているか、利用者の体調はどうか、介護状況に変化はないか――毎月「モニタリング」として自宅を訪問し、面談しながら継続的に支援していきます。

なぜ書類仕事がこれほど多いのか

これらの合間に、書類作成や役所の手続きが入ります。田中さんいわく「他の業務と比べて書類が非常に多い」。その理由には制度的な必然があります。

介護保険の財源は、半分が税金、半分が40歳以上から徴収されている介護保険料です。したがって介護給付の適正化がケアマネージャーに求められる役割になります。適正に行われているかどうかは、行政が6年に一度、運営指導や監査という形でチェックしに来る。そしてそれを証明する手段は、書類しかないのです。

ケアマネージャーになるには──「新卒がいない仕事」

資格の取り方も特徴的です。看護師や介護福祉士といった医療・介護・福祉の国家資格を持ったうえで実務経験5年を経て、試験に合格し、さらに研修を受けて初めて得られます。

つまり、大学や専門学校を出てすぐ試験を受けて就く、ということができません。新卒がいない仕事なのです。

もっとも多いのは介護福祉士からのルートで、田中さんによればおよそ7割。残り2割ほどが看護師やリハビリテーション専門職です。田中さん自身も介護福祉の専門学校を出て介護福祉士を取り、5年を経てケアマネージャーになっています。

介護職のキャリアパスを並べると、その長さが分かります。初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士(ここまで実務経験3年)→ ケアマネージャー(さらに5年、足掛け8年)→ 主任ケアマネージャー(さらに5年)

「潜在ケアマネ50万人」という問題

田中さんが挙げた数字は、この職種が置かれた状況を端的に示していました。

資格を持っている人は全国でおよそ75万人。ところが実務についているのは18万人程度にとどまります。さらに、そのうち在宅でケアマネージャーをしているのは12万人程度。残りおよそ6万人は施設ケアマネ(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホームなど)です。

資格を持ちながら実務についていない人は、業界で「潜在ケアマネ」と呼ばれ、50万人以上いるとされます。全国的にケアマネージャーが足りないと言われる所以です。

なぜそうなるのか。田中さんが挙げた最大の理由は、給料でした。

介護の現場で働く人には、国の施策として処遇改善加算がつきます。ところがケアマネージャーになると、この加算がつかなくなる。5年の実務経験を積み、試験に合格して資格を取ったのに、お給料が下がってしまうことがあるのです。加えて書類が多く業務負担が大きいというイメージも定着しています。

この点は国会でも問題として議論され、ケアマネージャーの処遇を改善しようという動きが出ているといいます。ただし制度改正・報酬改定は3年に一度。しかも社会保障費の財源は限られており、そのリソースをケアマネージャーだけに割くのは難しいのではないか――というのが田中さんの見方です。

「単独型」と「併設型」の違い

ここからが、株式会社マロー・サウンズ・カンパニーの立ち位置に関わる話です。

在宅のケアマネージャーが所属する居宅介護支援事業所は、全国におよそ37,000事業所。このうち約9割が「併設型」で、訪問介護やデイサービスなど何らかの介護サービスを自社で持っています。

田中さんは「併設だから悪い、単独だからいいという話ではない」と前置きしたうえで、一般に指摘されている構造を説明します。併設型では、事業所の都合で自社サービスに調整が寄ってしまったり、提供される情報に偏りが出たりすることが、国からも指摘されているといいます。

具体的にはこういうことです。「自社のデイサービスがこの曜日に週3回空いているから勧めてきてほしい」と上司に言われる。「自社を優先的に情報提供するように」と言われる。すべての事業所がそうではないものの、少なからずあると聞くそうです。

この偏りを防ぐため、国には同一法人への紹介が8割以上になると介護報酬が減額される仕組みが設けられています。

一方、同社のような単独型は自社の介護サービスを持たないため、公正中立な立場で、利用者に最も適したケアプランを作れるのが強みです。併設事業所と比べて介護給付費もあまり使わずにケアプランを作れているというデータも出ている、と田中さんは言います。実際、併設型で働いていて偏りに苦手意識を持ったケアマネージャーが、自信を持って勧められるケアプランを提供したいと転職してくることもあるそうです。

マロー・サウンズ・カンパニーという会社

同社は2011年8月創業、14期を終えて15期目に入ったところ。千葉県市川市に本社を置き、東京都内4事業所・千葉県内3事業所の計7拠点(2025年7月現在)を展開する単独型の居宅介護支援事業所です。

在籍するケアマネージャーは約40名。単独型でここまでの人数を抱えるのは全国でも珍しいといいます。人数が多いぶん、ケアマネ同士で情報を共有し、業務をサポートし合えるのが特徴です。

構成も特徴的です。男女比は女性7割・男性3割、社員の平均年齢は50歳前後。全国のケアマネージャーの平均年齢が53歳、40〜60歳で女性83%・男性17%というデータと比べると、全国平均より少し若く、男性が多い構成です。女性を希望する利用者が多い一方、男性スタッフのほうが適している場面もあり、そこに応えられる体制になっています。

もう一つの取り組みがICT化・デジタル化です。介護業界、とくにケアマネージャーの業務は非常にアナログだと言われ、介護サービス事業所とのやり取りはいまも電話とFAXが主流。他業界ではFAXをメインで使うところは少なくなりましたが、この業界では依然として多いのが実情です。同社はここに手を入れ、ケアマネージャーの業務負担軽減に取り組んでいます。

※本記事は、ラジオ番組でお話しいただいた内容をShikisai編集部が記事としてまとめたものです。発言は趣旨を損なわない範囲で整理しています。数値・事業所数は収録時点のものであり、制度の詳細は最新の公的情報をご確認ください。

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Profile

田中 紘太

株式会社マロー・サウンズ・カンパニー
代表取締役

田中 紘太

たなか こうた

2011年に「ご利用者様本位の居宅介護サービス」の実現を理念に掲げ、株式会社マロー・サウンズ・カンパニーを創業。
10年以上にわたり現場での実務を重ね、現在も複数の担当利用者を抱えながら支援業務に従事する現役のケアマネジャー。
経営者としても単独型の事業所を7拠点にまで成長させる一方、介護業界全体のサービス向上に向けた情報発信や啓発活動も精力的に行う。
ニュースサイト「介護ニュースJOINT」での連載や、「達人ケアマネ」「月刊ケアマネジメント」といった複数の業界紙での執筆・取材協力も多数。
ケアマネジャー向けの研修動画を配信する、YouTubeチャンネル「DiersiTV」を運営するなど、多岐にわたるメディアを通じての貢献活動を続けている。
講師としても、ケアマネジャーや介護事業者向けに介護保険制度の改定等を分かりやすく解説するセミナーを全国で累計200回以上開催。

公式サイトはこちら
淺川 理沙

淺川 理沙

あさかわ りさ

【経歴】
・2018年〜2021年の3年間、NHK福島放送局でニュースキャスターを担当。東日本大震災に関する震災報道や台風などの災害報道にも携わり、年間で50本ほどの取材も行う。
・2011年〜2015年はシンガポールとインドに居住し、海外就労。人材コンサルタントとして日系・外資・ローカル企業300社ほどの経営現地化に携わり、中でもインドでは200人近くの現地法人社長から事業展開についてヒアリングする。
・2023年からは車いすバスケットボールの試合実況や会場MCとしても活動中。車いすバスケの面白さと選手や関係者の方々の思いに魅了されたことから、自身も車いすバスケに欠かせない存在になりたいと日々取材を続けている。
・現在、NHKラジオ第1の全国放送の番組『マイあさ!』にリポーターとして出演中。
【資格】
・TOEIC900点(リスニング満点)・防災士・2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)・証券外務員一種・証券アナリスト基礎・Certificate of Employment Intermediaries(シンガポールの人材コンサルタント国家ライセンス)
【メディア出演】
・NHK総合『おはよう日本』(全国放送)・NHKラジオ第1 『マイあさ!』(全国放送)・NHK仙台『もりすた!』・NHK福島『おはよう福島』・NHK福島『ニュース645』・NHK福島『はまなかあいづTODAY』・NHK福島『こでらんに5』ほか
【執筆】
・朝日インタラクティブ株式会社『ツギノジダイ』企業経営者インタビュー※「Yahoo!ニュース」経済カテゴリー、「朝日新聞」紙面への複数回の掲載歴あり

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