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多彩な地域の「色」を未来に繋げることを目的とした地方創生×インタビューメディア
国立大学である静岡大学と浜松医科大学は、今「統合と再編」という大きな決断の岐路に立たされています。
今回のラジオ番組では、両大学の関係者とジャーナリストを交え、再編の意義と課題、そして未来の展望について前後編にわたり深掘りしました。
● 地方大学の生き残り策とは?──統合で広がる“学び”の選択肢
静岡大学は、実学重視の工学・情報学部を浜松に、文系・理系を横断する学部を静岡市に持ち、
浜松医科大学は、地域医療に根差した医学部・看護学科を擁する県内唯一の医学系大学です。
今、両大学が目指すのは、工学×医療×情報×社会科学の学際連携による新しい大学像。
産業界との連携、AIや光技術の応用、地域密着の人材育成など、まさに“ここでしか学べない”大学をつくろうとしています。
「医学を理解したエンジニア」
「看護の視点を持った情報科学者」
そんな次世代型人材が静岡から生まれる可能性に注目です。
● 統合が進まない現実──“静岡 vs 浜松”の文化的ギャップ
前向きなビジョンとは裏腹に、統合には大きな障壁も。
議論が平行線をたどる背景には、物理的距離(80km)だけでなく、文化・意思決定の乖離が存在します。
静岡大学側:「分裂して大学が小さくなるのでは」という不安
浜松医科大学側:「特徴を活かすには、再編して機動力を持つべき」という提案
静岡・浜松両地域の「対抗意識」や行政・報道の関与も複雑に絡み、簡単には進まない状況が浮き彫りになっています。
● 再編によって目指す大学像──“尖った”大学こそが選ばれる
静岡・浜松、それぞれの地域が持つ産業や文化を活かしながら、
再編によって「ここでしか学べない」専門性と学際性を併せ持った大学へ。
医療とロボティクスの融合研究
地域密着型の教育・防災・農業分野との連携
国際的にも通用する研究拠点づくり
学生にとっても、学びの選択肢が広がり、就職先やキャリアの幅が拡張されることは大きな魅力です。
● 「誰のための再編か」──学生・地域・社会の未来を見据えて
統合は目的ではなく、あくまで手段。
学生の成長、地域産業の発展、そして静岡という土地の持続可能な未来のために、大学がどうあるべきか。
対話の中で繰り返されたのは、「誰にとって意味のある統合か?」という問いでした。
すべては、“学生の未来のため”に。
大学統合は、静岡から新しい教育モデルを生み出す大きな一歩になるかもしれません。
/ スピーカー
長野県松本市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。 1973年にNHKに入局し、社会部記者として国内外の事件、災害、経済問題などを広く取材。 NHK「週刊こどもニュース」のキャスターとして“やさしいニュース解説”で広く認知され、2005年にNHKを退職後はフリージャーナリストに転身。 以降はテレビ・ラジオでのニュース解説、大学(東京工業大学他)での客員教授、講演活動、新聞・雑誌のコラム執筆など、多方面で活躍中。 著書に『伝える力』『おとなの教養』など多数があり、一般向けに社会や国際問題、経済の仕組みをわかりやすく解説する姿勢に定評がある。
1962年生まれ。静岡県磐田市出身。
静岡大学工学部機械工学科教授、博士(工学・京都大学)
スズキ株式会社 社外監査役。
専門は圧縮機や膨張機といった流体機械および冷凍サイクル関連技術(性能・信頼性向上、各種測定技術の開発)で、低炭素社会実現に向けた省エネルギー技術や次世代ヒートポンプの研究開発に取り組む。
冷凍・空調メーカーや輸送機器メーカーを代表とする産業界にも精通し、国内外の学会・プロジェクトで委員・代表を務め、外部資金を多数獲得。
教育・研究双方での実績が多く、地域産業界と連携した教育プロジェクトも積極的に推進している。
浜松医科大学医学部医学科を卒業。浜松医科大学薬理学講座教授を今年3月に退任し、4月より理事・副学長に就任。
専門は循環薬理学、臨床薬理学、医薬品開発。
基礎研究から臨床応用を目指した橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)に取り組み、抗血栓薬や脳梗塞治療薬の開発に携わる。産学連携によるレーザー血栓溶解療法の医療機器開発も手がけた。
また、医学教育にも注力し、医学部6年間を通したカリキュラムの開発や、学生評価方法の改善などに取り組んでいる。
1963年岐阜県生まれ。岐阜県立大垣北高校・慶應義塾大学経済学部卒業。
銀行・鈴与・バンダイ・アルバイトタイムス等で人事・経営管理を経験後、2010年から静岡市で「株式会社ジョブエール」を設立し代表取締役。
専門は行動観察法による人材アセスメント、個別指導・キャリア教育・就職支援。
企業の採用・研修指導や学生のキャリア指導に高い評価。
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