「広島の良さを地元産の食材で伝えていきたい」素材にこだわる有限会社カスターニャ・竹村崇の思いとは・・?


代表取締役 竹村 崇 TAKEMURA TAKASHI

広島で根強い人気を誇る食品を販売している有限会社カスターニャをご存知でしょうか?同社が扱っている商品は、アイス感覚で食べられる冷凍のプリン「カタラーナ」を始め、地元産のものをふんだんに使用したドレッシング、カヌレ専門店の「立町カヌレ」など多岐にわたります。どれも魅力的な商品ですが、なんといってもそのどれもに地元の食材として、広島産の物を多く使っていることが特徴としてあげられます。今回は地元産の素材にこだわる竹村社長の思いや地域への取り組みについてお話を伺ってきました。

—本日はよろしくお願いします。カスターニャができた経緯や背景を教えてください。

竹村さん 始まりは、もともとうちが栗農園を持っていまして、そこをゴルフ場に変えることとなったのですが、そのゴルフ場に併設する形で作ったレストランになります。名前の由来は、栗の実という言葉がイタリア語でカスターニャと呼ぶことからとっています。

—ゴルフ場のレストランというと、どうしても食堂のような感じをイメージしてしまうんですが、お店のコンセプトは決められていたんでしょうか?

竹村さん はい。うちのレストランがある場所が広島の西条というところで、そこは山々に囲まれたいい場所なんです。なのでゴルフ場に隣接しているおしゃれなカフェを目指しておりました。

女性シェフが作るカスターニャの洋菓子

—お客様への評判はどうでしたか?

竹村さん ありがたいことに地元テレビやラジオで紹介されて、お客様に恵まれることになりました。味の工夫としては、うちの女性シェフが美味しいと思ったもので作っていました。女性シェフが作るというのが主婦層にウケたのではないかと思っています。

—女性目線の料理作りが人気を博したのですね。その目線は今も引き継がれているように感じます。竹村さんが代表に就任した経緯をお聞かせいただけますか??

竹村さん もともと大学、大学院を卒業してサラリーマンをやっていましたので、はじめから継ごうとは思ってなくて。ただ、うちの商品を食べたお客様が、美味しい!と言ってくださることに対して、せっかく美味しい商品があるので、より多くの方に商品を知って頂きたいという思いから、継ごうと思いました。

—お客様からの言葉が原点だったのですね。苦労したこともあったのではないでしょうか。

竹村さん やはり最初は販路に苦戦しましたね。知名度もなく、実績がない状態でどう市場に流入していくべきかわからなかったので、いい商品はあってもそれを出す場所がないという課題点がありました。

どんなに辛い時でも商品の良さを信じていた

—そんな中でも苦労を形に変えるモチベーションなどはあったのでしょうか?

竹村さん はい。私は商品の良さをとにかく信じていました。なので良さを信じて、仕事を丁寧に取り組む事を心掛けました。最近では、「竹村さん、これ作ってよ〜」なんて言われることも多くて、人柄で見られることも多いので、10年やってきたことがようやく実を結んできたのかなと思います。

—合わせて、商品作りにおける信念などを教えてください。

竹村さん 自分たちにしか出せないものを全力で、そして丁寧に作ることです。他の人が作れるものを全力で作ってもしょうがないと思うんです。また、荒く作ってしまってはなんの意味もないので一つ一つの商品を大事に、今あるものを丁寧に作っていきたいと思っています。

—仕事への丁寧さを大事にされてきたんですね。新しいことへの取り組みなどはされているのでしょうか?

竹村さん そうですね。卸や受託製造だけではもったいない!というおもいがあったので、直営の立町カヌレや新商品が必然的に生まれてきたというものはありますね。素材については、地元のいいものを使いたいという思いがあります。広島でいうとレモン、岡山でいうと桃といったように地域の良さをベースに考えて、重視していますね。

まるごと全部食べられる広島産のレモン

—広島のレモンにこだわる理由などは他にあったりするのでしょうか?

竹村さん 広島産のレモンは、農薬をなるべく使わずに、農家さんが一個一個手作りしているエコ農法といったやり方で作っています。そのおかげもあってか、レモンの皮は皮の渋さも含めて、皮には香りが多く含まれているのでまるごと活用します。そういった部分は外国産のレモンとは違いますし、うちの様々な商品に活用しています。

—なるほど。立町カヌレのカヌレには何かこだわりはあるのでしょうか?

竹村さん こちらも素材にこだわっています。カヌレのお店は、私が知っている中でも本場フランスの伝統的さを出しているお店が多いですが、うちのカヌレは日本の市場を考えて、国内向けに展開しているといった差があります。

お世話になった地元の方々への恩返し

—地域に対して取り組んでいることは何かありますでしょうか?

竹村さん 素材はとにかく広島の味を使い、地元産・瀬戸内産の物を使うことを意識しています。また、他県の人が思う瀬戸内の情景であったり広島のイメージの良さを食品を通して伝えていきたいと思っております。また、本社が東広島の福田という場所にあり、近くに工場を新設したんですが、そちらに店舗を新たに作って、地元民の方々の憩いの場となるような環境作りをしていきたいです。

—素晴らしい取り組みですね。最後に今後の展望などを教えてください。

竹村さん 私たちの商品をもっと多くの方へ知っていただきたいですね。そしていずれは立町カヌレの新たな出店を考えていきたいです。また、会社目標がカヌレを食べてもらうお客様に笑顔を届けるということなのでこれをもっと広げていきたいですね。

編集後記

素材にこだわる竹村社長の思い、仕事への丁寧な取り組み、誠実なお人柄が取材時からも大変伝わってきました。特に広島の良さを食品を通して伝えていくということが素晴らしい取り組みをされているなと感じました。カスターニャさんのカタラーナは冷凍のプリンですが、一度食べたら感動する。という美味しさがあります。他にも、地元産のレモンを使ったドレッシングやカヌレなど幅広く扱ってらっしゃいます。洋菓子やドレッシングなどはオンラインストアからもお求めいただけるのでぜひ一度食べてみてください。

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竹村 崇 TAKEMURA TAKASHI