第2話:【ブライダル業界密着】社長が語る“自慢の社員”──ブライダル業界への転職で失敗しない、社風とは(モリノブライズ)

モリノブライズ株式会社
代表取締役社長

森野 秀昭

HIDEAKI MORINO

神奈川県

成人式の日、鏡の前で何度も着替えを繰り返し、母と妹と少しだけ言い合いになりながらも、ようやく一着に決めた瞬間のこと。それから1年半後、その振袖を選んだ本人が、同じサロンの制服を着て新しいお客様を迎えているとしたら――。今回ご紹介するのは、そんな少し出来すぎたような、けれど実際にあった話です。横浜のブライダルサロンで働く3人のスタッフと、そのエピソードを誇らしげに語る社長の言葉から、モリノブライズという会社のリアルな評判に迫ります。

就職や転職を考えるとき、求人サイトの情報だけではどうしても見えてこないものがあります。実際の職場の空気感、そこで働く人たちの人柄、そして経営者が社員をどんな眼差しで見ているか。今回はその”見えにくい部分”を、社長自らが語る”自慢の社員”紹介という形でお届けします。

「試着してみたら」の一言から始まったキャリア

川野さんがこのサロンを最初に訪れたのは、就職活動のためではありませんでした。成人式を控え、振袖を選ぶための来店だったのです。母、妹との3人での試着は、想像していたよりもずっと賑やかなものになりました。「これは私には似合うけど、お母さんが好きなのはこっちだよね」「でもこの色は妹の意見も聞きたいし」——そんな、どこの家庭にもありそうな小さな意見の応酬が続く中、接客を担当したスタッフは慌てず騒がず、三者三様の気持ちを一つずつ丁寧に拾い上げていきました。

「川野さんにはこちらがすごく似合いますよ。でも、お母様がおっしゃっていることもよくわかります」

そんな言葉をかけられながら、家族それぞれが納得できる一着にたどり着くまで、何度も袖を通したといいます。一生に一度の成人式だからこそ、後悔したくない。その気持ちに最後まで付き合ってもらえたことが、川野さんの中に静かに残りました。

試着が終わったあと、その担当スタッフからかけられたのが「インターンに来てみたら」という何気ない一言でした。当時の川野さんにとって、それはまだ就職活動の一つの選択肢に過ぎなかったはずです。けれど気づけば説明会に足を運び、入社を決め、今ではドレスコーディネーターとしてお客様を迎える側に立っています。

入社から1年半。今の川野さんが大切にしているのは、かつて自分がしてもらったのと同じことです。初めての試着で、お母様やご祖父母様が「素敵ね」と目を細める瞬間に立ち会えたとき、まず一つ目のやりがいを感じるといいます。そして帰り際、「今日は楽しかったです」「また次もお願いしたいです」という言葉をもらえたとき、3時間という決して短くない接客時間の意味を実感するそうです。「お互いに真剣に向き合えたからこその言葉だと思うんです」——その表情には、かつて自分が客として受け取った安心感を、今度は自分が誰かに手渡しているという静かな手応えがにじんでいました。

こうした”お客様から社員へ”というキャリアの始まり方は、決して珍しいケースではないといいます。丁寧な接客が結果として採用につながる、という好循環そのものが、この会社の評判の良さを裏付ける一つの事実といえるでしょう。

10年でトップへ。酒井さんが語る「伸びる人」の共通点

川野さんのような若手を現場で支えているのが、ドレスコーディネーターの責任者を務める酒井さんです。新卒で入社してからちょうど10年、社内では「その役職につくスピードとしては、業界でもかなり早いほう」と評される存在です。若手からの信頼も厚く、ロールプレイング研修でのフィードバックがあまりに的確なため、「酒井さんみたいになりたい」と口にする後輩は一人や二人ではないといいます。

そんな酒井さんに、10年間現場を見てきて感じる「伸びる人」の共通点を尋ねると、返ってきたのは意外にもシンプルな答えでした。

「一番は、多分、素直さですね」

技術でも、経験でも、器用さでもない。アドバイスを受けたときに、それを真っすぐ飲み込んで、すぐに実践できるかどうか。その一点が、成長のスピードを大きく左右するというのが、責任者として何人もの後輩を見てきた酒井さんの実感です。指摘をされたときに言い訳から入るのではなく、まずやってみる。その積み重ねが、気づけば大きな差になっているのを、酒井さんは何度も目にしてきたのでしょう。

隣で話を聞いていた別のスタッフからは、思わずといった様子で「(酒井さん自身も)素直だと思いますよ」という一言が飛び出し、その場に小さな笑いが起きました。人に素直さを説く人ほど、実は自分自身が誰よりもそれを体現している。そんな空気が伝わってくる一幕でした。

新卒で入社し、10年でコーディネーターのトップに立つ。この事実だけを見ると特別な才能が必要だと感じるかもしれませんが、酒井さんの言葉を聞く限り、必要だったのは特別な才能というより「言われたことを、まず素直にやってみる」という日々の積み重ねだったのだと分かります。これは、これからブライダル業界への就職や転職を考えている方にとって、大きな安心材料になるのではないでしょうか。

「本音本気」で話せる会社は、なぜ強いのか

この「素直さ」という言葉、実は個人の資質だけの話ではありません。会社として定めているミッション・ビジョン・バリューの行動指針の中にも、はっきりと掲げられている価値観なのです。あわせて重視されているのが「本音本気で」という姿勢。思ったことを飲み込まず、率直に言葉にして、本気で議論を交わす。そうやって会社を良くしていこうとする社員が多いことが、働きやすさの土台になっているといいます。

この空気を裏付けるように語ってくれたのが、新卒入社から28年、叩き上げで事業部長にまで登りつめた関田さんです。現在はブライダル衣装事業全体を統括する立場にありながら、関田さんが変わらず大切にしているのは、意外にも「距離の近さ」でした。

「中小企業の良さは、全員の顔がわかることだと思うんです」

社員一人ひとりの顔と名前が一致し、経営層との距離が近いからこそ、現場からの提案がすぐに形になり、うまくいかなければすぐに軌道修正できる。そのスピード感こそが、この会社が長年大切にしてきたものだといいます。大手企業であれば、一つの提案が現場から経営層に届くまでに、いくつもの承認プロセスを経る必要があるかもしれません。しかしこの会社では、現場の気づきがそのまま改善につながる。それが28年間、社内を見続けてきた関田さんの実感です。

取材の場に居合わせたスタッフからは、「関田さんはとにかく人たらしなんです」「取引先に行っても、みんな関田さんの虜になってしまって」と、少し照れくさそうな笑いとともにエピソードが飛び出しました。本人は慌てて話をそらそうとしていましたが、部下から本気で慕われている様子は、その場の空気だけで十分に伝わってきます。

関田さんは、社内の関係性をこう表現します。

「何でも率直に言い合えて、本音本気で話し合える。そういう、家族のような関係を、これからも築いていきたい」

新人もベテランも、お客様として出会った人も、同じ食卓を囲むように本音で語り合う。そんな組織のあり方が、この一言に凝縮されているように感じます。

社長が”自慢の社員”と語る理由

今回の取材で印象的だったのは、社長自身がこの3人について語るときの表情でした。川野さんについては「本当に成長したな」と感慨深げに、酒井さんについては「そのぐらい優秀」と迷いなく、関田さんについては「一番尊敬されている方」と、それぞれ違う言葉で、けれど共通して誇らしげに紹介していたのが印象的です。

社員を評価する際、多くの企業は「実績」や「数字」で語りがちです。しかし今回の取材で社長の口から出てきたのは、「素直さ」「人たらし」「家族のような温かさ」といった、数字には表れにくい人柄に関する言葉ばかりでした。これは、この会社が採用や評価において何を大切にしているかを、何より雄弁に物語っています。スキルや経験以上に、お客様や仲間への向き合い方そのものが評価される会社なのです。

ブライダル業界に向いている人は、こんな人

3人それぞれ立場も年次も違いますが、語られたエピソードには一貫した共通点がありました。改めて整理すると、この仕事に向いているのは次のような人だといえます。

  • お客様一人ひとりの気持ちや立場を想像し、寄り添える人
  • アドバイスや指摘を素直に受け止め、すぐ行動に移せる人
  • 遠慮せず本音で意見を伝えられ、建設的な議論ができる人
  • 目の前の一人との時間を、丁寧に大切にできる人

派手な資格やスキルよりも、こうした人柄そのものが評価される仕事です。ドレスコーディネーターという職種は、単に衣装を提案する仕事ではなく、家族それぞれの想いのすれ違いにそっと寄り添い、人生の節目という特別な時間を一緒につくる仕事だからです。

未経験からこの業界に飛び込むことに不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、川野さんも入社当初は右も左も分からない新人でした。今回のエピソードが示しているのは、経験の有無よりも「素直に学ぶ姿勢」と「本音で向き合う覚悟」さえあれば、この会社では着実に成長していけるということです。

まとめ:お客様として出会った場所が、いつか自分の居場所になる

かつて振袖を選びに来た一人のお客様が、今では同じサロンで新しいお客様を迎える側に立っている。この事実そのものが、この会社が長年積み重ねてきた接客の質と、そこに根づく社風を何より雄弁に物語っています。そして、その社員一人ひとりを誇らしげに語る社長の姿こそが、モリノブライズという会社の評判を、何よりも正直に伝えているのではないでしょうか。

素直に学び、本音で語り合い、家族のような近さで支え合う。そんな環境が、これからブライダル業界でのキャリアを考えている人にとって、静かに背中を押してくれるはずです。一生に一度の節目に寄り添う仕事だからこそ、まずはこの会社で働く人たちの温かさに、あなた自身が触れてみてください。その先に、思いがけない自分の新しい物語が始まっているかもしれません。

ご紹介

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 森野 秀昭

モリノブライズ株式会社
代表取締役社長

森野 秀昭

HIDEAKI MORINO

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ブライダル事業を軸に、衣装・美容・撮影を一体で提供する体制を築き、結婚式をはじめとする人生の節目に寄り添うサービスを展開している。

事業の根底には「人づくり」を起点とした価値観があり、スタッフ一人ひとりの成長が、顧客満足と企業の持続的な発展につながると考えている。

地域に根ざしながら、働く人と利用する人の双方に愛される企業を目指し、次の時代につながるブライダルのあり方を模索し続けている。

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