【第1話】プロフェッショナル人材の伴走──戦略人材を“半額”で活用する新しい仕組み

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株式会社ばんそう
代表取締役CEO

松田 克信

MATSUDA KATSUNOBU

東京都

本連載では、株式会社ばんそう 代表取締役CEO・松田克信さんにお話を伺いました。今回は、中堅・中小企業を支える「プロフェッショナル人材活用」の新しい形について。
従来は高額で限られた企業しか使えなかった戦略コンサルティングや専門人材の知見を、もっと身近に届けるために。同社が掲げる「伴走」という考え方の背景を探ります。

なぜ“伴走”という仕組みが必要なのか

「プロフェッショナル人材の伴走」に注力されている背景には、どのような課題意識があったのでしょうか?

松田社長:

私は石川県の地方出身で、銀行員としてキャリアをスタートしました。不良債権の処理など中小企業の現場を担当する中で、多くの経営者の声を直接聞く機会があったんです。「資金繰りが苦しい」「事業は伸ばしたいが相談相手がいない」といった声が本当に多かったですね。

その後、戦略コンサルティングファームに移りました。そこで得た知見は大変有益でしたが、現実的にそのサービスを受けられるのは大企業ばかり。中堅・中小企業にも大企業と同じように複雑で高度な課題があるのに、それを支える仕組みが存在しない。ここに大きなギャップを感じたんです。

日本企業の95%以上は中小企業です。つまり、この領域を支援できなければ、日本経済全体の成長も難しい。だからこそ、専門人材が「伴走」しながら支える仕組みが必要だと強く思いました。

プロ人材を“半額から1/3”で提供できる理由

大手コンサルタントを起用すると高額になるイメージがあります。その点、株式会社ばんそうのサービスはどのように違うのですか?

松田社長:

確かに大手コンサルティングファームを利用すると、月に数百万円から数千万円というフィーが発生します。人件費が主な理由ですが、中小企業にとっては現実的ではありません。

私たちは、独立したプロフェッショナル人材とのネットワークを持っています。大手の戦略コンサルファーム出身者、メガバンクでM&Aを担当していた人材、大手メーカーの経営企画を経験した人材など、本物の専門家が多く存在します。

そうした人材をフルタイム雇用ではなく週数時間から活用できる仕組みを作りました。これにより、企業は必要なテーマに応じてピンポイントで力を借りられる。費用も従来の半額から1/3程度に抑えられます。経営者にとっては「高嶺の花」だった戦略人材が、現実的な選択肢になったのです。

マーケティング部門立ち上げから財務戦略まで

実際にはどのようなテーマでプロ人材が活用されているのでしょうか?

松田社長:

非常に多いのは「マーケティング部門の立ち上げ」です。中小企業にとって、マーケティングは重要性が理解されていても、経験者が社内にいないケースが多い。そこで週数時間だけ入るプロ人材が、部門設計から仕組みづくり、実務の型化までを伴走する。これだけで数年分の遠回りを省けます。

また「財務戦略の策定」も代表的です。経理担当はいるけれど、財務の専門家がいない会社は少なくありません。資金調達や中期経営計画の策定などは、経営を次のステージに引き上げるために欠かせない取り組みです。そこに的確な人材が一時的にでも加わることで、会社の進むべき方向性が大きく変わることがあります。

新規事業開発、市場調査、海外展開の検討など、テーマは多岐にわたります。「やりたいけれど社内に経験者がいない」──そんな時に伴走してくれるのが、私たちが提供するプロフェッショナル人材なのです。

経営者の孤独を減らす“壁打ち相手”として

経営者が実際に伴走支援を受けると、どんな効果があると感じていますか?

松田社長:

経営者は本当に孤独なんです。社内で相談しても「社長、それでいきましょう」と同調する声ばかりで、本音をぶつけられる相手がいない。最後は自分で決断するにしても、そのプロセスで考えを整理できる相手がいるかどうかで結果は大きく違います。

私たちのネットワークにいる人材は、単なる助言者ではなく“壁打ち相手”になります。「最近売上が落ちてきている」と相談すれば、「それは営業体制が原因ですか?商品設計ですか?それとも顧客構造ですか?」と問いを投げかける。経営者は答えながら自分の考えを整理し、課題の輪郭をつかめるんです。

これは大手コンサルティングファームのパートナーやディレクターがやってきた議論のプロセスに近く、私たちはそのアプローチをもっと手軽に、中堅・中小企業へ届けたいと考えています。

目指すのは“第2のソニーやホンダ”を育てること

最後に、株式会社ばんそうが目指す未来について教えてください。

松田社長:

私たちがKPIとして掲げているのは、「第2のソニーやホンダ」と呼べるような企業を地方や中堅企業の中からどれだけ生み出せるか、です。規模が大きければ良いという話ではありません。社会にインパクトを与え、新しい価値を生み出す企業を支援したいと考えています。

そのために、プロフェッショナル人材のネットワークとAIを組み合わせ、経営者に寄り添い続ける仕組みを磨いています。「困ったらばんそうに相談しよう」と思っていただける存在になること。これが私たちの目標です。

編集後記

戦略人材や専門人材は、かつては大企業だけが利用できる贅沢品のように扱われてきました。しかし株式会社ばんそうの仕組みによって、その知見を中小企業でも手の届くコストで取り入れることが可能になっています。

“伴走”という言葉どおり、経営者の隣で共に考え、問いを重ねる存在としてのプロ人材。そのネットワークが、これからの地域経済を支える大きな力になるでしょう。

次回予告

第2話では株式会社ばんそうが生み出す新たなサービス「答えを出さないAI」に迫ります。

ご紹介

Profile

 松田 克信

株式会社ばんそう
代表取締役CEO

松田 克信

MATSUDA KATSUNOBU

石川県出身。
2021年創業の株式会社ばんそう代表取締役。
メガバンクやコンサルティング業界などで経験を積み、中堅・中小企業の経営支援や構造改革に尽力。
「反省はするが後悔はしない」が座右の銘で、トッププロフェッショナルの知見を活かし、日本全国の企業の成長支援を目指している。
ビジョンは、企業の壁打ち相手や伴走者(バンソウシャ)として価値あるサービスを提供し続けること。新しい価値の創出や働き方の実現に、熱意と高い志で取り組んでいます。

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