株式会社ティーケーティー-川村健


株式会社ティーケーティー 代表取締役社長 川村 健 KAWAMURA TAKESHI

創業or社長就任の経緯を教えてください。

30代前半である2004年から社会人として仕事をしつつ当時の東京理科大学工学部経営工学科の2部、所謂夜間大学へ入学しました。その後、同大学同学部の大学院における修士課程まで納める事が叶いました。この時の大学での経験が私の経歴に大きく影響を与える事になります。以後、40代前半まで、数社のIT企業の社員として働いておりましたが、会社の中で自分がやれる事に限界を感じた事と大学で経営学を学んでいた事も手伝ってか、かねてより目標に掲げていた独立を決意しました。一旦、仕事を辞め数年の休養とフリーランスを経て起業に至りました。起業に際しましては、最初は一人社長でしたが、私の思想に賛同して頂いた方々のご助力をお借りする事が出来、現在に至っております。

経営の中で苦労したことや嬉しかったことなど、印象に残っているストーリーを教えてください。

起業した当初は資金繰りが厳しく、社員を増やす事には苦労しました。従業員を増やす為の資金を捻出するため、自身の報酬を削りながら会社を運営しなければならなかった点が非常に苦しかったです。しかしながら、そのような経営状態にも関わらず、私の思想や、考えに賛同し社員として、助力頂ける方々に出会えた事が何より嬉しかった点です。社員に給与を上げる約束をしたにも関わらず、なかなか給与を上げられない中、最初は不信感を抱かれつつも、正直に話し理解を得られて一緒に頑張ってくれると言ってくれた社員への感謝の気持ちが今でも強く、私の胸に刻まれています。

あなたが思う御社の商品・サービスの魅力を教えてください。

現在の主だった弊社のサービスは中小企業様向けのDX推進や、お客様システムへの「IT技術」の提供になりますが、今はまだ、特筆するような特色がある訳では御座いません。しかし、あえて特徴を挙げるならばそれは「人とその思想」です。「人」とは当然、弊社の人材を指します。そして、「思想」は「後工程は全てお客様」と言う弊社の考え方にあります。この「後工程は全てお客様」と言う考え方は、次に仕事を受け取る側がどのような関係性においても、「お客様」と接する様に対応すると言うものです。一見すると当たり前の思想ですが、この基本的な考えを繰り返し実践する事が、弊社の「IT技術」をより魅力あるサービスに変えていると考えております。この創業からの精神に息づいた「思想」とそれを体現する「人材」が弊社の財産です。

御社の商品・サービスはお客様からどのような評価をいただいていますか?

弊社が持つ最も魅力的なプロダクトは「人と思想」になりますが、その弊社のエンジニアはお客様からの高いリピート率を実現しています。プロジェクトがひと段落しても、継続して発注を頂ける事により、お客様のシステム・考え方への理解が深まり、更なる具体的なご提案、改善への仕組みを提供できる様になります。新たな仕組みを模索する行為は技術の向上にも繋がっており、この循環がお客様からの信頼・高い評価の獲得に結びついていると確信しております。

御社の商品・サービスが素晴らしいと思う理由を教えてください。

弊社の持つ「人とその思想」へのこだわりですが、「後工程は全てお客様」と言う考え方に根差していると言う事は述べさせて頂きました。ここではその考え方をより掘り下げて説明をさせて頂きます。例えば、部下にメールを出す場合においても、ビジネスパートナーに対して接する場合においても、顧客と接する様に対応する事を心掛けています。これは単に丁寧に接すると言う意味ではありません。相手の理解を優先し、納得を持って仕事にのぞんで貰える様に、尽力する事を意味します。それは、顧客に尽くすように、ベストを尽くす事に似ています。相手に理解を頂く事をなにより優先する、理解が無ければ納得は生まれませんし、納得が無ければ信頼には繋がりません。顧客から信頼を得るためにベストを尽くす事を、後工程の全ての相手に対して実践して行くことが、弊社の持つ何よりの魅力であると考えております。

地域との関わりで意識していることを教えてください。

弊社は現在、宮城県に本社を置き、東京を拠点に営業活動をしておりまして、地域へはあまり貢献できていないところです。将来的には本社機能を宮城に置くだけではなく、地域に根ざしたサービスを展開出来ないかと考えております。一方で、宮城県はテレワークの実施者が14.1%と全国平均を5.0ポイントも下回っている実情を抱えています(令和4年就業構造基本調査データより)。テレワークの実施者を構造的に増やす事により産業の活性化に繋げられないか。IT案件の集中する東京の案件を宮城県でも、受注可能な仕組みを構築する事で、地域に貢献出来ないか模索を続けております。

今後のビジョンを教えてください。

まだまだ経営的にリソースが無いため難しいですが、いずれ自社のサービスやプロダクトを作って行きたいと言う思いはあります。しかしながら、どのようなサービスやプロダクトを作るにせよ、その原動力は「人」ですので、まずは人材を育成していきたいです。可能であれば、将来的には宮城を拠点にした、人材を育成する何らかのプロジェクト立ち上げられないかと考えております。宮城県も日本のどの地方も抱えている様に人口減少の波にさらされておりますが、テレワークでも案件の受注が途絶えない仕組みを構築する事で、お子さんを育てながらでも仕事を続けられて、都心と同等の対価を得られるような産業を確立していきたいと考えております。

Profile

株式会社ティーケーティー 代表取締役社長

川村 健 KAWAMURA TAKESHI