株式会社成和建設-川口敏


株式会社成和建設 代表取締役 川口 敏 KAWAGUCHI SATOSHI

創業or社長就任の経緯を教えてください。

成和建設の創業は平成元年。創業者は元号が「昭和」から「平成」へと切り替わったこのタイミングで、建設業で働く人たちの伝統的な精神と、新しい時代のテクノロジーとを融合させて、ベテラン技術者も若者たちも切磋琢磨して仕事に打ち込める会社を創ろうとしました。平成の「成」と昭和の「和」で成和建設と命名したそうです。創業からわずか10数年で初代の社長は病に倒れ、その後を引き継いだ二代目も低迷する経済情勢にのまれて思うような経営とはなりませんでした。私は、建設業は全く関係のない業界で仕事をし、たまたま平成26年に縁あって成和建設に入社し、2年後に代表取締役に就任しました。三代目となりますが、当時は業績も芳しくなく、先代も健康に不安があったことから、時間をかけた事業継承も出来ないまま、そのままの流れで引き受けるような形で社長就任となりました。

経営の中で苦労したことや嬉しかったことなど、印象に残っているストーリーを教えてください。

私が社長に就任しても、周りの技術者たちからすれば、ただの素人の親父ですから、それは抵抗もあれば、反発もあったと思います。こちらは、建築の基礎的な知識もなければ、会社が専門としている「施工管理」がどんな仕事であるかもよく知らないわけですか、コミュニケーションをしようにも、お互いに語り合える言葉がないのです。
何を言っても聴いてはくれないし、毎日のように喧嘩ばっかりしていました。ギスギスするとか、ピリピリするとかそんな生易しいものではなく、ほぼ怒鳴り合いです。流石に手は出ませんが、社内は危なっかしい状態でした。
赤羽の夜、酒場に繰り出す事はあっても、裏通りで今にもつかみ合いになるような本気のぶつかり合いに発展していました。

あなたが思う御社の事業の魅力を教えてください。

建築マンとしての社員の技術力の高さです。施工管理の仕事に就くためにはもちろん資格が必要です。かなりの難関を突破してきたわけですから、知識も経験もどこへ出してもトップクラスの腕前の社員がたくさんいることが一番の魅力です。確かな腕前を認めていただいているので、大規模プロジェクトや高い水準を求められる建築物の施工管理の依頼が、途切れることはなく届きます。当社の営業的な活動は私の役目になっていますが、ほとんど苦労したことはないです。
私は好奇心旺盛で、新しい技術、重機や機器類やシステムが開発されるとすぐに取り入れたくなります。社員からすれば、次から次へと新しい学びが要求されて大変だとは思いますが、施工管理のスキルは、おかげでどんどんアップデートされていきます。

御社の事業は周りの方からどのような評価をいただいていますか?

社員は、どの現場に行っても実力を発揮してくれていますので、多分周りの人からは「成和建設の社長は頼りないけど、社員はしっかりしている」と見られていると思います。私はとにかく新しいものを取り入れて、他との差別化を計る事ばかりを考えていますので、社員からすれば「またうちの社長が新しいことはじめるらしいぞ…勘弁してほしいなぁ」みたいな感じなるでしょうし、実際に愚痴もこぼしていると思います。
「成和建設で働くのって大変ですねぇ」という風に周りから見られていると思います。社員の活躍に対して私自身はなかなか結果を残す事が出来ず、落ち込んで、赤羽駅前の商店街をぶらぶらしていたこともありましたが、そんな時に声をかけて励ましてくれたのが地域の人たちでした。

御社の事業が素晴らしいと思う理由を教えてください。

社員の技術力の高さに尽きると思います。施工管理の仕事は「安全」「品質」「予算」「工程」「労務」と総合的に目を配り、豊かなコミュニケーション力とリーダーシップで現場を取り仕切らなければなりません。強さと優しさ、頭の回転の速さ、合理的な思考力、あらゆる能力が求められます。頭脳も体力も、時にはユーモアのセンスも必要です。誠実に仕事に打ち込み、きっちりの成果出す正にスーパーマン人材の集団です。
総合力とバランス、古さと新しさ、情熱と冷静さ、それらはこの赤羽の持つ街の魅力そのものでもあります。赤羽のこの街が、地域の人情がこの会社を育ててくれているそんな風に考えるようになりました。

地域との関わりで意識していることを教えてください。

これまで、地域の皆様との交流が少なかったことを反省し、もっと積極的に地域に貢献していきたいと考えています。
地域の自治会が主催する清掃活動や防災訓練にはできる限り、参加してきましたがこれからも、地域の皆様と一緒に考え、行動し、安心して暮らせる環境づくりに貢献したいと思っています。
地域のイベントやお祭りにも参加し、模擬店で工作系のワークショップを計画しています。地域の子どもたちや若い世代の皆さんが楽しめるような活動を考えています。建設業に限らず、皆様と一緒に楽しめる企画を通じて、地域の絆を深めていきたいと思います。私たちは、赤羽の街が大好きです。これまでも色々な場面でこの街の温かさや人々の情の厚さに助けていただいていますので、是非恩返しがしたいと思っています。

今後のビジョンを教えてください。

私たちは、どこか懐かしい景色があり、華やかでおしゃれな、それでいて人情味あふれる赤羽の街の皆さんに支えられてきました。成和建設は、その恩返しとして、地域の更なる発展に貢献したいと考えています。赤羽が未来都市として生まれ変わる時には、ぜひそのプロジェクトに参加させていただきたいと思います。その日のために、最新技術に積極的にチャレンジし、施工管理の精度と効率を高めることで、世界に誇れる赤羽のまちづくりに貢献したいと考えています。これからも、地域の皆様と共に夢のある未来を築いていきたいと思います。私たちの会社には、この街の元気な若者をたくさん雇い入れ、にぎやかで楽しい会社にしていきたいです。

Profile

株式会社成和建設 代表取締役

川口 敏 KAWAGUCHI SATOSHI