株式会社グラヴィティ-山田佳奈恵


株式会社グラヴィティ 代表取締役 山田 佳奈恵 YAMADA KANAE

創業or社長就任の経緯を教えてください。

金融機関に勤めていた両親の影響もあり、「お給料や福利厚生が良さそう」と私も大学卒業後は政策金融機関に入庫しました。
しかし、2年目に広報部門に異動になり、そこでの仕事がクリエイティブに溢れており毎日刺激的で、「ずっと広報の仕事に携わりたい!」と思い、丸3年経った頃に転職を決意しました。
その後の転職活動は、正直言ってあまりうまくいかずに数社を転々としていて不安定な生活を送っていたので、30歳を機にフリーライターとして独立。そこから知人の勧めもあり「株式会社グラヴィティ」を設立し、2020年まではライティング関連事業がメインだったのですが、対面取材や講座などが一気になくなってしまったので、2020年後半からは元々やりたかった広報関連の事業をメインにシフトし、今に至ります。

経営の中で苦労したことや嬉しかったことなど、印象に残っているストーリーを教えてください。

大手企業のライティング案件を複数社請け負い、売上も右肩上がりに伸びる中、妊娠・出産を経て少しお休みして「さぁ、また頑張ろう!」と思っていたら、やってきたのが新型コロナウィルスの猛威でした。
その頃のメイン業務は“対面”の取材案件や講座だったので、2020年4月にはほぼ全てが廃止に。5月になっても6月になっても状況が変わらず、毎月の固定費がどんどん圧迫していくのに先が見えない中、小さい息子の育児にも忙殺されていて事業を存続していく自信も失っていたので、廃業届を印刷して届け出ることも考えました。

しかし、友人・知人の勧めやSNSの投稿に影響を受け、2020年の秋から広報PRのノウハウをゼロから学び直し、「これなら少し先が見えるかも」と広報PR事業をメインに捉えることを決意。あわせて、SNSをメインに自社の広報PR活動にも力を入れたことで、2020年末から2021年春にかけて一気に契約企業様が増え、事業の立て直しから飛躍に繋げていくことができています。

それから約40社ほどの広報活動をお手伝いさせていただきましたが、一番嬉しかったことは、あるクライアント様からメディア露出からの認知・売上拡大が想像以上に成果が出たということで、契約満了日に長文のお礼メールをいただき、そこからさらに弊社の広報活動に使ってほしいと直筆の「推薦状」をサプライズでいただいたことがあります。これには思わず涙が出てしまいました。

あなたが思う御社の商品の魅力を教えてください。

弊社のメイン事業は、toB向けの「広報PR代行サービス」とtoC向けの「広報PR講座」になります。

代行サービスの方は、広報PR活動におけるUSP策定からメディア露出後のブランディングに繋がる経営戦略まで、基本的に1年間、お客様と伴奏しながら二人三脚でサポートしています。
広報戦略策定からプレスリリース(企画書)作成、ターゲットメディア選定/プロモート、取材対応、露出後のサポート等、広報PR活動にかかわるほぼ全ての作業を弊社で代行するので、主に中小企業/ベンチャー企業/スタートアップ企業等、広報活動に力を入れたいけれど「時間がなくてなかなかできない」企業様にご利用いただいています。

PR講座の方は、主に会社の広報担当者や、広報PR事業で独立/起業している人をターゲットに、広報PR活動に必須のPR企画(メディアフック)の策定からプレスリリース(企画書)作成、メディア選定/プロモート、取材対応やSNS広報のAtoZまでを数ヶ月かけてお伝えしています。
数ヶ月の講座期間の中で、個別のコンサルティングやグループでプレスリリースの作成やフィードバックの作業会など、講座内容を「学んだだけでは終わらせない」ようなサポートが充実しているので、講座卒業後にテレビや新聞、雑誌等のメディア露出をどんどん決めていく方が多いです。

御社の商品はお客様からどのような評価をいただいていますか?

多くのクライアント様が平均3ヶ月でメディア露出を叶え、そこからどんどん影響力の高いメディアへ露出していかれるのですが、うまくいくと影響力のある一次メディアから、さらに影響力のある二次メディアに多く露出し、いわゆる「バズ」を起こすことがあります。

そうするとAmazonや楽天ブックスの著書の在庫が切れて増刷がかかったり、各種SNSのフォロワーが一気に増えて商品の購入に繋がったり、toB向け商品を展開しているお客様も、企業研修や講演依頼のお問い合わせが一気に増えたり、HPへのアクセスが増えて法人向けサービスが売れたりと、しっかりファンやリードの獲得→売上拡大に繋げられているかと思うので、皆さんには概ね喜んでいただき、お客様が次のお客様をご紹介してくださるパターンがとても多いのが弊社の強みでもあります。

御社の商品が素晴らしいと思う理由を教えてください。

弊社は社長の私と、あと数名の業務委託/パートスタッフのみの小さな企業のため、資本力やストックノウハウが豊富な中小企業などに比べたら足元にも及びません。
ただ、逆に小さな企業だからこそできる即決即断やフットワークの軽さを活かすことで、メディアやクライアント様とのコミュニケーションが何よりも大事な「広報PR代行サービス」では、年間100件前後のメディア露出を叶えています。

地域との関わりで意識していることを教えてください。

2024年夏から「千葉県広報研究会」に属しているのですが、そこからのご縁で千葉県内の自治体様向けに広報研修を行う機会をいただくことがありました。
これまで民間企業様向けの広報研修は何度か担当させていただくことはありましたが、より地元の発展に密着している自治体の広報活動の底上げに寄与することで、私の大好きな千葉県の発展に繋がるのであれば、2025年以降はもっと地元団体への研修等にも力を入れていきたいと思っているところです。

今後のビジョンを教えてください。

事業を運営するにあたって、個人・法人問わず「広報活動」は必要な行動だと私は思っています。
ただ、組織単位が小さいほど広報活動にしっかりとリソースを割く人や企業は少なく、それが事業の飛躍を足踏みさせている一因でもあると思うので、今後はそのような「ひとり広報担当者」や広報活動に興味はあるけど動けてない人をターゲットとしたコミュニティ運営だったり講座の開発などを行い、広報業界の底上げに繋げていきたいと考えています。

Profile

株式会社グラヴィティ 代表取締役

山田 佳奈恵 YAMADA KANAE

新卒で入庫した農林漁業金融公庫(現:株式会社日本政策金融公庫)で入庫2年目より広報部に所属。毎号平均8万部を発行する顧客向け情報誌の副編集長を担当し、一から雑誌を作り上げる醍醐味や、取材を通して全国各地の女性農業経営者のリアルな声を引き出し、読者に届ける楽しさを学ぶ。
2回の転職を経て2012年に個人事業主として独立し、2014年には法人化。 編集プロダクション事業とライター育成事業を展開する。
コロナ禍を経て、先細りになったライティング関連業務を縮小し、広報PR事業を主軸に置くことに。
現在は主に中小・ベンチャー企業向けに広報PR代行サービスや戦略的広報PR講座、自治体や企業向けの広報PR研修を展開している。一児の母。