アニマルサービスCinnamil-岸本 誠也


アニマルサービスCinnamil 代表 岸本 誠也 KISHIMOTO SEIYA

創業or社長就任の経緯を教えてください。

私は元々、動物病院で働いていました。主に犬猫のリハビリを担当していたのですが、動物のリハビリを行う場合は患者さん本人(犬猫)と関わるだけでなく飼い主とのコミュニケーションが必要になります。

そうした飼い主の方々と関わる中で、病気になる前に「もっと早くに知っておけば・・・」といった声や、飼い主様に病気やリハビリの説明をする時に「実際に見てみるとすごく分かりやすい!」といった声をよく頂くようになりました。そのような関わりの中で私は『情報を知ってもらうこと』『実際に見ること』の大切さを実感しました。

そういった思いから私は「知る」ことと「見る」ことの重要性を伝えるためにアニマルサービスCinnamilを創業、弊社の事業の中でも一番力を入れている「動物理学リハビリ国際協会APRIA」を発足しました。

この動物理学リハビリ国際協会APRIAは、動物のリハビリを当たり前のものにしたいという思いから立ち上げました。

人間のリハビリは世の中であたり前に行われているのに、動物のリハビリというと「動物もリハビリをするの?」「動物のリハビリなんて初めて知った」という声をよく聞きます。

動物は家族と言われるような時代になりましたが、まだまだ人間と動物との間には大きな差があります。

10年以上前に私は人間の理学療法を学ぶ大学に通っていました。当時は今以上に動物のリハビリというものが知られておらず、周りからもあまり興味を持たれませんでした。

しかし、人間のリハビリは当たり前なのに、なぜ動物のリハビリは当たり前ではないのか?この現状を変えたい。

という思いから臨床で経験を積み、支援してくださる方々を集め、ようやく2022年の1月からこの「動物理学リハビリ国際協会APRIA」をスタートすることができました。

経営の中で苦労したことや嬉しかったことなど、印象に残っているストーリーを教えてください。

何よりも嬉しかったのは協会設立時の周りの反応です。

協会の設立と同時に資格取得者の育成や、セミナー活動を開始しました。

そうすると色んな方々が喜び、セミナーを受講して下さいました。

他にも、力を貸してくれる獣医師の方々や動物関係者の方が多く名乗りを上げてくれました。

そういった声を聞いていると、動物のリハビリはそれだけ求められていた。需要があったんだと実感することができ安心と同時に協会を大きくしていくモチベーションへと変わりました。

反対に苦労したことは、一般の方々への認知拡大です。

動物業界や医療業界では前述した通り嬉しい反応が多かったのですが、やはり一般の飼い主様はまだまだ動物のリハビリに対して認識が浅い部分が多いです。

そうした飼い主の方々への認知を拡大するために動物系のイベントに参加したりSNSで発信を続けたりと、現在も力を入れて活動を行っています。

あなたが思う御社の商品の魅力を教えてください。

弊社では動物用の健康器具の開発・販売も行っております。

今まで動物用に使われていたリハビリやフィットネス用品のほとんどが人用のものを併用したものでした。

弊社では動物のための形、動物のために最適な設計でバランスボールやホットパックなどの用品を開発し販売しております。

人間のものを応用するだけでなく、動物のために開発しそれを一般販売することで、家庭でも動物のフィットネスや健康を維持する運動が当たり前なのだと認識してもらうことが目的です。

そうした、新しい考え方を持つきっかけを作れることこそが弊社の商品の一番の魅力だと思います。

御社の商品はお客様からどのような評価をいただいていますか?

弊社では動物用のサプリメントの開発・販売も行っております。動物用のサプリメントは色々なメーカーから数多く販売されておりますが高価なものが多かったり、使い方が正しく認識されていなかったりというのが現状です。

そこで弊社ではまず第一に必要な動物が継続して飲み続けられるように価格帯を抑えました。これは内容成分の質を落として安価にしたわけではなく錠剤やカプセル状にするといった、製造工程を省き、粉タイプや液体タイプで販売することで価格を抑えました。

人間のサプリメントでは粉や液体タイプも多く販売されていると思いますが、動物用ではあまり販売されていません。それは動物用サプリメントでこのような形状だと、人間と違い飲ませることが大変だからです。ジャーキーやチュアブルタイプのサプリメントだとおやつ感覚で動物に与えることができますが、粉や液体だとそうはいきません。

しかし、与えやすくするためにこういった加工をすることで価格が高騰して使い続けられなかったり、内容量が少なくなってしまったりしては本末転倒です。そこで弊社では定期的に無料のセミナーやイベントなどでサプリメントの正しい知識やおやつタイプではないサプリメントの飲ませ方を指導しています。

このような動物のことを第一に考え、お客様を指導し育てるというスタイルがご利用いただいているお客様から多く評価されています。

御社の商品が素晴らしいと思う理由を教えてください。

弊社の商品は動物用では珍しいものを数多く扱っています。

動物は人間と違い言語での細かい指示は出せません。そんな動物に対して人間と同じように言語で指示をして正しい身体づくりをしていくのは極めて困難です。

そこで、様々な形の道具を使って自然と動物に必要な動きを引き出してあげる商品を開発しました。

人間では健康器具はあって当たり前のものですが、動物ではありませんでした。

動物にとって新しいものを創造していくということが弊社の商品の素晴らしい点です。

地域との関わりで意識していることを教えてください。

動物医療は地方格差が大きいと言われていますが、医療だけでなく動物への扱いも地方格差はまだまだ激しいです。

大阪や東京などの都心部では動物のリハビリも徐々に普及し一般化してきてますが、地方に行くとリハビリを行なっている動物病院さえないのが現状です。

このような状況では動物リハビリを当たり前のものにするという目標まではまだまだ時間がかかってしまうと思い、地方でのセミナー活動や専門学校での授業等には特に力を注いでいます。

地方の専門学校で授業をさせて頂き、これから社会に出て現場で活躍してくれる学生さんに対して動物リハビリの必要性を理解してもらうことで将来的に各地域で動物のリハビリが根付いてくれることを期待しています。

今後のビジョンを教えてください。

動物のリハビリというものが当たり前になり、『動物だから仕方がない』という考えがなくなる世の中にしていきたい。

今までは動物は言語による複雑な指示ができないので同じようなリハビリを行うことは困難と言われてきました。

しかし、動物も人間がうまく誘導してあげることで言語での誘導ができずとも同じような動作を促し、リハビリを行うことが可能です。

そんな、今までの動物に対するリハビリの考え方や常識をいい意味で覆したい。

私以前と以後で、動物リハビリの歴史を変えたいと思っています。

Profile

アニマルサービスCinnamil 代表

岸本 誠也 KISHIMOTO SEIYA