ソフトアンドニュー株式会社-吉満 貴志


ソフトアンドニュー株式会社 代表取締役 吉満 貴志 YOSHIMITSU TAKASHI

創業or社長就任の経緯を教えてください。

『学びは学校では終わらない』 『新しい時代の 新しい学びのスタイル』

大学卒業後、大学・大学付属中高等学校・大学病院を持つ学校法人に20余年勤務いたしました。その間、大学等の教育・研究・経営等に携わりましたが、勤務しながら、社会人学生として、大学院に通う時期もありました。

海外の「生涯学習」や「学び直し」のスタイルを学んだり、社会人学生を経験したりする中で、これからの日本社会、特に教育分野においても「いつどこでも誰でも、好きなものを学べる」、そのような「生涯学習」「学び直し教育(リカレント教育・リスキリング)」の機会やサービスが広く提供されていると良いと考えました。

さらに、新時代に向けて、最先端の技術を活用した学びができることも一つの理想と考えました。そこで、海外の最先端技術や教育方法を調査し、海外で活用されている最先端技術の一つであるXR(AR/VR/MR等)やAIに注目しました。そして、それらの技術や教育手法を海外から取り入れて、イノベーション(革新)をもたらし、先導役となって日本社会に貢献していこうという思いで起業しました。日本にはまだないような「新しい時代の 新しい学びのスタイル」を皆様にご提供したいと考えております。

EON Reality, Inc. 

経営の中で苦労したことや嬉しかったことなど、印象に残っているストーリーを教えてください

『新技術の活用』『地道で継続的な活動』

新技術や新手法など、人は新しいものに関心は持っても、それがすぐに教育、医療や産業分野など、社会で広く活用されるとは限りません。XR(AR/VR/MR等)やAIも同じです。ある国内調査では、「VR」の認知率は90%、利用率は5%という結果もありました(日本全国の18~59歳の男女を対象)。これまで、大学や学校、自治体等からのご依頼を受け、XR等についてご説明する機会をいただくこともありましたが、ご依頼内容としては、XR(AR/VR/MR等)の基礎、言葉の意味のご説明からとなります。

実際にXR等が、教育、医療や産業分野など、社会で広く使われるようになるまでには、まだまだ時間と人々の理解や慣れなども必要になります。そのため、XRやAI等のご説明やデモンストレーションの機会、広報活動などを通じて、企業としても個人としても、これからも地道で継続的な、社会への周知活動や普及活動を進めていく必要もあります。

お客様に喜んでいただいた時、嬉しいのはもちろんですが、大学や学校、自治体や学会などが、弊社に注目していただき、講演や論文の執筆依頼を受けたりする時も、この分野に携わる者の一人として、注目していただける嬉しさはあります。また、個人的に生成AIを利用することもありますが、生成AIの回答内容に、弊社のウエブサイトや自分の論文が引用されていたりするのを目にすると、ちょっとした嬉しさにつながりますね。

EON Reality, Inc. 

あなたが思う御社の商品の魅力を教えてください

『最先端のXR(AR/VR/MR等)やAIの活用』

『教育課題や新生活様式への対応』

XR(AR/VR/MR等)やAIは、エンターテインメントだけでなく、教育・医療・産業・地域創生(地域活性化)など、社会の幅広い分野で活用でき、従来社会に変革・発展をもたらし、更なるイノベーションの促進にも役立つことが期待される新技術・サービスでもあります。XRやAI等は、来るべきSociety 5.0、急速に進む国内社会のデジタル化、加えてメタバースと呼ばれる新たな仮想社会(世界)においても役立つ技術となります。現在、弊社は、世界のXR分野のリーディングカンパニーである米国EON Reality社のXRやAI等の技術・製品(EON-XR)を扱っています。この「EON-XR」には、次のような特長があります。

・100万点以上のAR/VRの3Dモデル等にアクセスできます

・世界では4千万人以上の方々が利用されている信頼性を備えています

・専用デバイスだけでなく、スマートフォン・タブレット・パソコンなど、

一般的なデバイスで使用することができます(マルチプラットフォーム機能)

・トレーニングのための効果的なXRのコンテンツや3Dレッスン(体験学習等)を、使用者が高度な専門技術を必要とせず独自に作成できます(マルチユーザー機能)

・AI機能との組み合わせによる発展的なXRの体験ができます

・メタバースと呼ばれる新たな仮想社会(世界)においても活用できます

また、日本の教育分野においては、文部科学省が推進するGIGAスクール構想の実現、デジタル教科書(教材)の普及、体験的学習、能動的学習(アクティブ・ラーニング)、探求型学習、文理融合の課題解決型教育であるSTEAM教育の実現、教育現場へのEdTechの導入等がテーマとなっていますが、弊社が扱うXRやAI等の技術・製品(EON-XR)は、これらの教育テーマの実現にも役立ちます。

加えて、教育分野だけでなく、医療・企業活動(社員教育)・自治体(地方創生・地域活性化)、さらに新生活様式の一つである遠隔授業(オンライン授業)や在宅勤務(テレワーク)、メタバースと呼ばれる新たな仮想社会(世界)等においても幅広く役立ちます。

地域との関わりで意識していることを教えてください。

『地域かつ全域』『地方かつ中央・都市』

感染症の世界的流行が、私たちに現代社会の課題解決を急がせ、ICT(情報通信技術)等のイノベーションの加速の必要性を気づかせるきっかけにもなりました。それまで、対面を基本としていたことも、オンラインやリモートでの対応が社会的に必要となり、新しい生活様式が生まれました。そして、ICT等を利用することで、その便利さにも気づき、さらなる技術の進歩にもつながったと考えられます。

地域との関わり方においても、それまでの物理的・地理的な距離感に応じた関わり方に変化が生まれたのではないかと思います。人々のオンラインツールやSNSなどの利用によって、それまであった「地域差」が少なくなったと考えています。例えば、オンラインツールやSNSなどを活用して、地域の情報を早く、広く、より具体的に伝達できるようになり、以前と比べ、地方が全国とより密接につながるようになったと考えています。また、現在「メタバース」と呼ばれる新たな仮想社会(世界)やそのサービスを活用することで、今後「地域差」を感じさせないような生活が始まり、新たな社会の仕組みも築かれていくと考えられます。

地域活性化という重要なテーマにおいても、先端技術等を活用して、地域だけでなく、社会全体への関わりや貢献など、「地域かつ全域」「地方かつ中央・都市」のような意識も持って、地域との関わり方を考えていきたいです。

EON Reality, Inc. 

今後のビジョンを教えてください

『社会貢献を実現できる企業を目指して』

日本は、歴史的にも、海外から新しいもの学び、それを日本流に改善したり、独自に発展させたりしてきました。現在、日本の教育分野においては、伝統的な良い日本型教育は大切にしつつも、 XRやAIなど世界の先端技術の積極的な有効活用が期待されています。その際、教育に関わる当事者たちが、新たな領域へと一歩踏み出し、新技術等を積極的に活用していこうとする意識を持つことも必要となってくると考えられます。それにより、新たな「日本式」を確立して、それが世界のロールモデル(お手本)となり、いずれ「日本型教育」が世界をリードできるようになることを期待したいですね。

私たちは、先端技術の活用等を通じて、日本の地域や社会全体の発展につながるような企業活動に努めます。企業理念の一つとして「社会貢献を実現できる企業」を掲げておりますが、将来、社会貢献事業として「教育基金」を設立し、先端技術も活用して、経済的理由等で学ぶ機会を失われた子供たちへの学習機会のご提供と学習支援を行うことができるような企業を目指しています。

Profile

ソフトアンドニュー株式会社 代表取締役

吉満 貴志 YOSHIMITSU TAKASHI