山城屋酒類販売有限会社-廣田 良介


山城屋酒類販売有限会社 七代目 廣田 良介 HIROTA RYOSUKE

創業or社長就任の経緯を教えてください。

まず最初にやったのはインターネットショップ制作です。それが1年後くらいにうまく軌道に乗ってきたので「山城屋」のブランディングの再構築であったり、営業をしたりとがむしゃらに動いていましたね。うちだけでなく、地方の酒屋は昔からの付き合いのある方が多いので、新規のお客さんの開拓はあまりしないんですが、実際に営業をしてみると、僕のように世代交代の流れがあって若い方が店主をやられていることも多かったので、そこから新規のお客さんの開拓に繋がっていました。

経営の中で苦労したことや嬉しかったことなど、印象に残っているストーリーを教えてください。

サポートしたところがブランドとして成功することが最大の喜びですね。成功体験は、関わっている酒蔵の紹介をするキャッチコピーやブランドの肉付けを含めて、PRに力を入れてサポートした時に、その酒蔵がブランドとして成功してどんどん多くの人へ知られていって広がった時ですね。逆に、苦労したことはたくさんありますが、都会でやるビジネスと地方でやるビジネスはやっぱり違うんですよね。価格やニーズのバランスが難しいので、そこは考えていかないといけないところだと思っています。また、今では事業承継にも取り組んでいますが課題点も多いので苦労していますね。特に思い入れが強いものとしては、中野酒造さんの智恵美人ですかね。僕が地元に帰ってきたのと、ほとんど同じタイミングで中野酒造さんも代替わりがあって、新しくお酒を作るということで、最初から一緒に伴走してきた酒蔵さんになります。当初、一升瓶で200〜300本から始まったブランドだったのですが、今では100倍以上にまで広がっていますね。これも、毎年試行錯誤の中、どういう問題があるか見つけてそれを翌年に向けて直す。基本的なことだとは思うのですが、これを毎年毎年、続けてきたから結果もついてきたんだと思います。実際、智恵美人は2018年に開かれたフランスでの日本酒コンクールにて、最優秀賞を獲得、世界一の日本酒になりました。ブランドを一緒に育てていくという意味で、昔は私を通してでしか買えなかったお酒も、今はブランドの成長によりどこでも買えるようになる。ブランドの販路拡大としてはなるべき姿なので素晴らしいですが、少し寂しい気持ちもあったりします。

地域との関わりで意識していることを教えてください。

ずっと軸として大切にしていることは、大分の良いものを世界に広げていきたいということなのでそこはブレずに愚直に取り組んでいます。また、今は海外の人が地方にお金を落として経済を回すことが重要だと思っています。なので、輸出やインバウンドに向けた商品開発を意識していかないと地域は潤わないと思うのでそこは重点的にやっていきたいです。

あなたが思う御社の商品・サービスの魅力を教えてください。

ちょうどその頃がコロナ真っ盛りの時期で、酒蔵さんらも売上減少に困っておりました。そこで何か前向きなことができないかと考えた際に、お酒の蔵に眠っている原酒に目をつけたんです。そういう原酒はいろんな蔵で眠っているものなんですが、すごく美味しいんですよ。そして大分には歴史的背景の強い、日本一の金山であった馬上金山があるのですが、その地で酒造りをされているみろく酒造さんがありまして、そこの原酒を使わせていただいています。また、金山の要素として、金箔をあしらっています。そして、黄金を思わせる天然純粋マヌカハニーを使用して高級な梅酒を作ろうと思ったのがきっかけです。

日本の伝統技術を生かした高級酒が少しずつ誕生する中、大分は出遅れていまして、そのような高級酒というのがなかったのが理由の一つとしてあります。また、今の日本酒業界はスタートアップのところが増えてきていて、高級路線のものも席巻してきているんですが、梅酒の高級路線は正直ないんですよね。どこもやったことないことをやりたかったのでこのような形に行き着きました。ボトルも馬上梅酒は金山をイメージしているので、それにあった瓶とパッケージを酒蔵さんと相談して取り寄せていまして。これを探すのに2年ほどかかったのですが、納得のいくボトルに仕上がっているかなと思います。

今後のビジョンを教えてください。

馬上梅酒だけでなく、眠っているお酒であったり、眠っている技術というのを掬い取って自社のオリジナル製品を作っていければなと思います。大分の良いものをもっと多くの人へ知っていただけるよう尽力してまいります。


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山城屋酒類販売有限会社 七代目

廣田 良介 HIROTA RYOSUKE