阿内工業-阿内達彦


阿内工業 代表 阿内 達彦 AUCHI TATSUHIKO

創業or社長就任の経緯を教えてください。

子供の頃は全く勉強に興味がなく、ずっと外で遊んでいるような子供でした。勉強もしていないのでいい学校にもいけなかったんですが、何を思ったか大学受験をしようと思ったんです。でその時にアメリカに行ってみたいなと思うようになったんです。宇宙工学にすごく興味があって、それならやっぱりアメリカに行かないと、と思ったんですよね。それで父親の仕事を手伝ってお金を貯めて、アメリカの大学に行ったんです。

経営の中で苦労したことや嬉しかったことなど、印象に残っているストーリーを教えてください。

それがお金が全くなくて、半年くらい飯も1日1食しか食べれなかったんです。で仕方ないので、とにかく向こうでバイトを探そうと思って色んなところに「雇ってくれ」って頼んだんですけどなかなか見つからないんですね。ですがやっと日本食屋さんで雇ってもらえたんです。そしたら食べ物にも困らなくなって。でカウンターに立って寿司も握らせてもらえて、お金もある程度稼げるようになったら勉強より面白くなっちゃったんです。それでなんだかんだで10年くらいアメリカで生活することになったんですよね。また、このまま寿司職人としてアメリカでやっていくことも考えました。ただやはり田舎の長男だし、やっぱり家を継がないといけないという思いはありました。それで帰ってきて、最初は運送屋を始めたんです。ただそれはやっていても拡大していくイメージが湧かず、次は営業を勉強したいと思って営業の会社に入りました。それなりに成績は上がったんですが、どうも人を追い込んでいくようなやり方が合わないと思ってしまって。その日1件でも成績が上がらなければ、その日1日遊んでたのと同じだ、というような会社で。そこに対しての違和感がすごくありました。結果はもちろん大事ですが、過程が評価されることも大事だと思ったんです。

あなたが思う御社の商品・サービスの魅力を教えてください。

やはり、現場によって毎回仕事が違うのが面白いと感じます。寿司職人をやってた時は、いかに同じクオリティで出すか、ということが重要だったのですが、毎回新しい鉄筋を依頼されるので、毎回新しい作品を作るイメージなんです。それで型枠に計算通りスポッと一発で入った時はもう快感ですね。ミリ単位でズレるとやり直しになるので、どれだけ正確に難しい形を作れるかというのを考えていくのは非常に楽しいです。

地域との関わりで意識していることを教えてください。

やはり職人としてやっていこうという気質のある方に来ていただきたいですね。あとはまだまだ小さい会社ですので、技術の部分だけでなく、会社を一緒に運営していく気持ちのある人がいれば、やれることはたくさんありますので、ぜひ来ていただけるといいなと思います。

今後のビジョンを教えてください

そうですね、あまり具体的な目標というのは立てないタイプなのですが、日本人の社員を10名くらいにして、外国人実習生なども活躍できるような体制を作っていきたいですね。あと今の作業場が40トン分のスペースなので、それを200トンはできるようにしたいなと。とにかく自分は職人気質で、一番綺麗な鉄筋を作っている自負があるんです。そして仕事を選ばないで、依頼されたものはほとんど作れてしまいます。難しかったり工数がかかってお金にならないものは断っちゃう業者も多い中で、うちは本当に全部真剣に取り組むんです。それを通して自分の技術も従業員の技術も向上させていくっていうのが、もう人生を賭けてやり続けていくことなのかなと。

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