株式会社ZENNO GROUP-鉢嶺 祐矢


株式会社ZENNO GROUP 社長 鉢嶺 祐矢 HACHIMINE YUYA

創業or社長就任の経緯を教えてください。

18歳から銀座のクラブで働き始めましたが、元々自分自身に起業精神はありました。自分自身が現場で働く中で、「水商売で働いている人は、そのほとんどが次の展開は自分でクラブやBARをやるか飲食店をやるか」と言ったところがセオリーだと感じました。そこで自分は周りと同じことをしていては、同じ人間になってしまう。僕は僕にしかできないことをしたい、そう思いIT事業を皮切りに創業をしました。そもそも銀座のクラブに入門した時、僕の中では銀座のクラブに崇高なイメージを持っていました。ただ蓋を開くとこの程度か…といった感じだったのでした。なぜかというと水商売の人間は昼間の仕事では務まらない人材が多く集まる世界です。ただ年齢が上だからとかキャリアが長いといった理由だけで偉そうにする人間が多いのです。こういった人間たちに偉そうにされるのがとにかく嫌で…(笑)そういった思いから実績を出していきました。そしてこの業界のシステム自体を改革したい、またこの先ビッグデータの時代が来る、データが資産になる!と思いPOSシステム事業を始めた背景があります。

20代半ばから銀座のクラブと並行しながらPOSシステムの事業に取り組みました。そして2020年に法人化し、2021年には銀座のクラブ業界を引退し、ギンザシックスにオフィスを構え本格的に事業をスタートさせました。

経営の中で苦労したことや嬉しかったことなど、印象に残っているストーリーを教えてください。

私は見せ方がうまいのか…人から良く見られがちではあるのですが、実際は起業してから2年半は赤字が続き、お金がどんどん目減りしていく恐怖の日々でした。契約が増えない。売上が上がらない。そういった時にBARの事業を始めたら上手くいくのではないか?そう思っていると、たまたま良い物件の話が舞い込んできたのです。銀座の街では良い物件というのは表に出てこなく、人脈や裏ルートで契約ができたりするものです。改めて自分自身は「運が良いな」そう思いましたね。BARを始めた事により売上がガクンと上がりようやく黒字転換することができました。そしてBAR事業・POSシステム事業・人材紹介事業・WEBメディア事業・その他事業それぞれが相互作用をもたらし、全体の事業に波及させるきっかけとなりました。一度は銀座の黒服を辞めましたが、BARを出したことによって今までの銀座での人とのご縁が再会したのです。僕自身に沢山の人が集まってきてくれたことで、そこから新たなビジネスチャンスも生まれています。チャレンジして良かったと嬉しく思えた瞬間です。

あなたが思う御社の商品・サービスの魅力を教えてください。

銀座のクラブは本来、水商売の最高峰の地位にあるべきですが、いまだに会計を電卓で叩き、手書きで伝票を書く、といったように有名な高級クラブでもまだまだアナログです。毎週のように会計のミスが起き、現場間で処理するといったことがたくさん起きているのが現状です。特に銀座は雇用を新人よりも経験のあるベテランをキャッシャー(会計係)として雇用したいという意向が強く、「やり方を変えるのが面倒くさい」「ITツールを導入することに現場の人間が拒否反応を起こす」こういった事が現状としてあります。これはアナログな業務で起こる問題を先送りにしているにしか過ぎません。これからの時代はデータを元に顧客分析をして営業をしたり、データを元にして人事評価をしてほしいと思っています。水商売の方はビジネスを感性だけで行なう傾向があるように思います。私の意見は「接客は感性で」「営業はデータで」行なうべきだと思っております。

今後のビジョンを教えてください。

今後のビジョンとしては、数十億円の売上規模の会社にすることです。新規事業も展開し、社会により高い価値提供がしたいと考えています。まずは今ある事業を伸ばしていくこと、さらに私の人脈リソースから新しい事業も生み出していこうかと思っています。「やりたいこと」を先行するのではなく「ニーズがあること」を優先するべきであると考えます。社名にある「ZENNO」も「全能」が由来となっています。「何でもできる」「不可能はない」黒服出身の私でも、挑戦をすれば出来なかったことも出来るようになるそういう実業家を目指していきたいと考えています。

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株式会社ZENNO GROUP 社長

鉢嶺 祐矢 HACHIMINE YUYA